渡る世間
昨日衝撃的なニュースが飛び込んできた。
「橋田壽賀子さん死去」
思わず目を疑った。俺にとって橋田壽賀子さんは、あの「渡る世間は鬼ばかり」の生みの親!!いわゆる「渡鬼」は俺にとって人生のバイブルと言っても過言ではない。
最初のシリーズから数えれば、はや30年。私の10年先輩だ。そりゃそうだろう。あの小さな坊主少年だったしんが、社会に出て、たかこさんと結婚しているのだから。
母親、祖母の影響から、私はかなり幼少期から「渡鬼」を見ていた。定番のテレビは朝8時の「お母さんといっしょ!!」よりも、木曜21時の「渡る世間は鬼ばかり」だった。あのショパンやバッハが奏でる音楽よりも、深く迫力があり、途中で軽快なリズミカルなハーモニーを挟み、再び迫力で締め上げる、あの何とも言えないオープニングソングを、童謡よりも浴びていた。おかげで今となっては、あのオープニングをお坊さんがお経を唱えるように、フルコースで歌うことができる。
内容は絶妙なリアリティさ。姉妹ゆえの揉め事。旦那との関係性。義母との関係性。息子の進学、就職、結婚。妹の結婚、離婚、再婚。姪の進路、、、などなど、獲れたてのグニョグニョ動くタコのように生々しい内容。それが故におもしろい。母親や祖母が、子ども仮面ライダーに釘付けになっているように、テレビにかじりついていた理由が分かる。私も、未だに実家に帰ればケーブルテレビで再放送の「渡鬼」を見るのが恒例行事だ。
そんな「渡鬼」の生みの親、橋田壽賀子さん。その感性やセンスには恐ろしさすら覚える。90歳を過ぎても、あれほど人を惹きつける絶妙なリアリティを描く橋田壽賀子さんは唯一無二の作家さんだろう。「渡鬼」は橋田壽賀子さん以外描けない。橋田壽賀子さんだからこその"味"だ。
橋田壽賀子さんの最期を看取ったのは、「渡鬼」の主役、さつきを演じる泉ピン子さんだと聞いた。切っても切れぬ師弟関係。とても素敵だ。2人の関係に憧れる。
私も、最期の最期の瞬間まで自分のセンスを発揮し、自分の世界を創り上げる。そんな人になりたいなぁ。
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