【放送レポート】11/4(月)「カネラジ~お金の話をするラジオ~」(FM Haro! Life with …)
毎週月曜日の午後5時15分ごろから放送しているコーナー「カネラジ~お金の話をするラジオ~」。このコーナーでは、普段は少し話しづらい「お金」のことについて、リスナーの皆さんの暮らしが「ちょっと豊かに」なる情報を提供しています。第1月曜日のこの日は、家計のサポートセンター代表でファイナンシャルプランナーの鈴木大輔さんをお招きして、「所得代替率」についてのお話しを伺いました。
聞き手は「Life with …」月曜パーソナリティの大庭奈々です。
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鈴:「所得代替率」とは老後に受け取れる年金、老齢年金に関する言葉で、老後に受け取れる年金の金額が、その時現役で働いてお給料をもらっている人と比べてどれくらいの割合かを示したものなんです。ざっというと「老後の年金って今のお給料の何十%か」という値ということですね。
大:今のお給料の何十%かということですが、年齢とともに給料は変化しますけどそのどの部分でってことになるんですか。
鈴:今、現役の人の平均収入が月に50万円だったとしましょう。
もらえる年金が50万円だったら所得代替率は100%、もらえる年金が半分の25万円だったら所得代替率は50%、ということになります。
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鈴木さんによると、年金は何十年というスパンで運営されていくものなので、失敗しないように5年に1回は「財政検証」というチェックをしているといいます。その際にチェックされる項目の1つが「所得代替率」。
今年行われた財政検証では、モデル年金の所得代替率は61.2%で現役時の収入の6割ということになります。こう聞くと、今の給料の6割で生活ができれば老後も安心、というイメージになりそうですが「そこに大きな罠がある」と鈴木さんは話します。
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鈴:61.2%の所得代替率というのはあくまで「モデル年金」の所得代替率ということになっています。この「モデル年金」というのが、こういう時にはよく出てくるんですが結構くせ者なんです。
このモデルは夫婦なんですが、夫が40年間会社員、奥さんは40年間専業主婦、というモデルの方で、いわゆる昭和のモデル夫婦なんですよね。
最近では夫婦共稼ぎの家庭のほうが多くなっていますし、40年間ずっと専業主婦の人ってどれくらいいるでしょう?と考えると、実態とは変わってきますよね。
大:ちょっと時代錯誤な気がしますね。
鈴:ですから、ニュースに出てくる所得代替率というのは、あくまで参考の値で、自分の所得代替率とは違うんだな、と考えておかないといけません。
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老後にもらえる年金は、払った社会保険料の金額によって決まりますが、一定の金額に達すると頭打ちとなってもらえる年金額は増えない仕組みになっています。そのため、現役時の収入が高い人ほど納めた保険料と将来もらえる年金額との差が大きくなる、所得代替率が下がるということになります。
鈴木さんによれば、高収入だった人は支出が多い状態に慣れているため、例えば毎月70万円の収入があった人が、毎月26万円の年金でやりくりできるかは「相当難しいのではないか」と述べ、収入が高い人ほど老後の備えは慎重に行っておいたほうがいいと指摘しています。
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鈴:所得代替率は「今の生活水準と比べてどれくらいの割合の年金をもらえるか」ということで、老後の生活がイメージしやすくなるので便利な数字ではあります。ですが、自分の人生は他人とは違うということで、「自分の場合はどうなの?」ということを気にしながら、いろんな人生の計画を立てていただきたいなと思います。
大:モデル夫婦を基準にせず、あくまで「自分の場合」ということを考えて将来設計を立てていくということですね。
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冷静に自分たちの経済状況を分析した上で、将来設計を立てることが大事なんですね。