【放送レポート】12/2(月)「カネラジ~お金の話をするラジオ~」(FM Haro! Life with …)
毎週月曜日の午後5時15分ごろから放送しているコーナー「カネラジ~お金の話をするラジオ~」。このコーナーでは、普段は少し話しづらい「お金」のことについて、リスナーの皆さんの暮らしが「ちょっと豊かに」なる情報を提供しています。第1月曜日のこの日は、家計のサポートセンター代表でファイナンシャルプランナーの鈴木大輔さんをお招きして、「~の壁問題」についてのお話しを伺いました。
聞き手は「Life with …」月曜パーソナリティの大庭奈々です。
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鈴:103万円の壁、106万円の壁、130万円の壁など、いろんな「壁」があってよく分からなくなってきちゃいますよね。カネラジでも前からこの「壁」については何度も解説させていただきましたが、いよいよいろんな事が変更になるかもしれない、という話題ですよね。
大:ほんとうに「ややこしいわ~」と思う人が多いと思うので、詳しく教えてください。
鈴:「103」とか「106」とか、数字だけでいうと分かりづらいので、「税金がかかり始める金額」と「扶養家族が社会保険に加入しなければならない金額」という2種類の金額のことですね。
他にも壁といわれるボーダーラインはたくさんあるんですけど、今見直しで騒がれているのがこの「2つの壁」というわけです。
このボーダーラインを超えるかどうかで手取りの金額が減ってしまうため、みんな働き控えしたりしてしまう、という問題ですけど、見直しの内容についてはニュースやワイドショーで出てますけど、まだ決めている最中ですよね。「こんな案が出てます」とか、「国民民主党はこう言ってます」というのが現状ですね。
大:この案が固まってくるのっていつごろになるんでしょうね。
鈴:おそらく年末に向けて案が出来上がり、年明けから年度末の国会審議を受けて決定になると思われます。国会で反対多数で否決にならないように、賛成が多くなるような法案にしておかないといけないので、一生懸命綱引きしてる、ということですよね。
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今回の問題で人々の関心を集めるのが「給料の手取りが増えるのか、減るのか、損か得か」となりそうなのですが、鈴木さんによると最も気にしたいポイントは「厚生年金に加入するかどうか」だそうです。
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鈴:「税金がかかる」「配偶者の健康保険にタダ乗りできなくなる」という部分は確かに壁をまたぐか、またがないかで大きく変わってしまいますけど、厚生年金に加入して保険料を払うということは、将来受け取れる年金が増えるということにもなりますから、単純に手取りが減って損、というわけではないんですよね。
大:目先のことだけ考えてしまいがちなんですが、将来の年金額を考えると一概には言えないかなと思いますね。
鈴:「だからみなさん、じゃんじゃん社会保険に入ったほうがいいですよ」というわけではないのですが、老後に受け取る公的年金について、ちゃんと考えておいたほうがいいですよ、ということはお伝えしておきたいですね。
どれくらい社会保険料払えばいくらぐらい年金がもらえるかって、これも教えてもらえないですよね。長い人生ですから、ずーっと会社員という人ばかりでは無いでしょうけど、「何年間厚生年金に加入して老後には年金いくらくらい以上もらえるようにしておこう」とかって、大事な作戦になってくるんですけどね。そういうことを考える良いチャンスだと思います。
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また、今回の件で鈴木さんが興味深いなと感じた点が「選挙とのタイミング」だといいます。
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鈴:話題の中心になっているのは、自民党でも公明党でも立憲民主党でもなく、国民民主党ですよね。国民民主党が議席を増やしたことで「国民民主党が主張している改正を盛り込まないと…、でもどうしようか…」という議論になってますよね。
よく「選挙に行ってもどうせなんにも変わらないでしょ」というコメントを見たり聞いたりしますが、政権交代なんてしなくても与党が過半数割れしただけで相当いろんな事が変わる可能性があるんだ、っていうのが今回のことで分かったかと思います。
必ずしも全部いいことかどうかは分かりませんけど、いろんな国民の民意が反映されることもあるでしょうし、いろんな意見がごちゃまぜになって中途半端になったり複雑怪奇な制度になったりしちゃうかもしれません。
でもそれは、明らかに選挙の結果を反映しているし、それを決めたのは選挙に行かなかった人も含めた我々だということ。
物価も上がったり、金利も上がったり、最近はいろいろなものが変わってきていますから、いろんな情報を楽しみながら手に入れて、将来の作戦を立てていきたいですね。
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