「娯楽の飽食期」に思うこと~その3・「オタクになる」ということ
前回のもので終わりだと思った?残念、まだ語りたいことはある()ので、前回は構成の見直しに当てさせていただいた()
アニメをはじめとした、いわゆる「オタクのコンテンツ」は徐々に社会に受け入れられている傾向にある。個人的には『鬼滅の刃』を大々的に受け入れた程度で受け入れた気にならないで欲しいとは思うが…そうだな、朝に出すくらいの勢いがあればな…とは言わん()
(まあ、地方局とはいえ日曜にそれをやった結果、リプ欄が騒がしくなったアニメもあるんですけどね…『SSSS.GRIDMAN』っていうんですけど())
それでまあ、アニメの話は色々出てくるわけだが、この間、私はある場面に遭遇した。
オンライン授業が始まって部活もできない状態になって2年が経過した今年の春のこと。その部活の仲間と2年ぶりに面と向かって再会した。
私の部活は演劇部で、とりわけ私の同期は「オタクの集まり」と言っても過言ではなかった。ファッションオタクにアニメオタク、ゲームオタクに特撮オタク…まあ色の濃い連中だった。その中でも今回再会した彼はアニメオタク。私に『ラブライブ!』を勧めてきた第一人者だ。
学校が全面的に閉鎖となっていた2020年春ごろ、YouTubeではそれはそれは多くのアニメが無料配信された。『ラブライブ!』シリーズも例外ではない。それを私は観、その年以降に制作された、いわゆる『アニガサキ』も『スーパースター!』もアニメだけはしっかり追っている(他媒体に関しては時間と金の都合で『にじよん』くらいしか追うことができていない…申し訳ない💦)。
その彼と再会した時のこと。アニメは追っているという趣旨の話をし、楽曲の話などもしたが、その時の彼の熱量ときたらそれはそれはすごかった。ラブライブレードをはじめとした物販を買ってライブにしっかり参加しているだけのことはある…正直、話をしながら多少は気圧された…これがオタクか…💦
まあ、言うたって私の方はと言えば好きなことになるとそれは饒舌になる可能性あるわな…とは思わざるを得ない。少なくとも仮面ライダーのOPの話(とりわけ平成以降)になればいろいろと語ることはできるのではないかな、というレベル。どこからどう語ればいいのかな、というのに困るけども。が、これこそオタクだろう、とも思うわけで。彼の『ラブライブ!』好きと私の仮面ライダーのOPオタクにはある共通点がある。「音楽」ではない、「鬼リピ」だ。
彼の収集がどれだけのものかは聞いたことがないが、再開した時の話を聞く限りでは楽曲もしっかり聴きこんでいるような感じを受けた。仮面ライダーのOPはというと、唐突な主題歌変更がかからない限り&録画等で飛ばさない限り、実に最低「50回近く」その楽曲を(TVサイズとはいえ)聴くことになるのだ。週1回でもそれだけ聴けば相当。それだけではなく、私は音源も購入してしっかりデバイスに落として歌詞も音も覚えるまで聴く(場合によっては耳コピ)。そして本編も観る。だからこそ語ることができることがある。
じゃあ「オタクになる=数をこなすことなのか」といえばそうではない。そうだな、端的な話をすれば九九の話をしようか。皆さんも最初のうちはこれを復唱することによって覚えたと思う。問題はここから。
そ の 文 字 列 を 愛 お し い と 思 い ま し た か ?
ここで「YES」と答えた方は完全な九九オタクだろう。
オタクになるためにはそれだけの「愛情」が必要になると思われる。その「愛情」を、倍速なんかで育むことができるのだろうか?というのが私見である。
とにかく、そのコンテンツを愛する人がいる以上は倍速視聴には気を付けたほうがいいと思う。「愛情」がある以上、軽く見てもらっても困るからだ。学会よろしく、コンテンツに関する熱い議論が巻き起こるならまだしも、ね…。
オタクとは、もはや「愛情の塊」なのだから、「なるべくしてなった」はまだしも「なろうとしてなった」はほぼあり得ないのではないだろうか。