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#13 今年も祭りが終わった…

#12でも書いたが僕は小学校1年の頃から獅子舞をやっている。
今年も無事に地元の祭りで近所の大宮八幡宮に獅子舞奉納を見届けてきた。

30代前半で幼馴染と2人で獅子組の若頭(トップ、リーダー的存在)になってから今年で8年目が終了。
コロナ禍で獅子舞が全くない時期が約3年あったが何かある度に2人で相談して、それでも分からない事は周りの人に相談しながら何とかやって来た。

8年前に先代からこの若頭というポジションを与えられた時は正直あまり嬉しくなかった。
獅子の遣い手としてもまだまだやれる自信はあったしそのつもりだった。同級生も同じ大宮八幡宮の違う獅子組で獅子舞をやっていて切磋琢磨しながらまだまだ上を目指していくつもりだった…
うちの獅子組では頭になると基本的には第一線からは身を引き、裏方に回って

・次の世代の育成
・練習中の食べ物や飲み物などの準備
・家遣いのアポ取り、準備
・祭りに向けての準備
などの業務が主になっている。

自分が獅子を遣うのではなく、若手に獅子を教えてその人達が祭り本番でも組の代表として獅子を遣うのを応援する立場
物足りないし最初数年間は不思議な感覚だったのをはっきりと覚えている。

ましてや8年前のうちの獅子組は
昔ながらの名残で集まってる獅子好きな20名ほどの集団で家遣いに行くのもやっとなほどの小さな獅子組だった。
それこそ僕が太鼓打ちとして迎えてくれた当時の獅子組は、小学、中学、高校、社会人どの世代の人もたくさんいて良い意味でみんなが好き勝手にやっている集合。
時代の流れか、こうゆう地域行事は人離れが進んでいるみたいで、気の知れたメンバーばかりだったので頭としてやりやすかったのはあったが、僕と幼馴染はとりあえず人数を増やして家遣いをもっとたくさん行けるようにして自分らが子供の頃にあった獅子組を夢みた!!

幼馴染は20代で結婚して2人の男の子がいる。
とりあえず自分らが頭になった年に長男を太鼓打ちとして獅子組に迎え入れ、太鼓打ちの相方に近所の長男の同級生の男の子、そのお父さんお母さん、義理のお兄さん、次の年には長男の同級生の女の子とそのお父さんお母さん…とどんどんと新しい人を獅子組に勧誘してくれた!!これは凄い事でなかなかできる事ではないし、次第に獅子組全体にも良い効果をもたらし、みんなが自分の嫁や子供を獅子に連れて来てくれるようになっていった。
そんな中で僕は結婚もしていなくて子供も居ないので、なかなか新しい人を獅子組に呼んで来る事ができなくて同じ若頭として幼馴染に申し訳ない気持ちで一杯だった。
だから僕は新しい人を呼んでは来れないけど今来てくれてる人、新しく来てくれるようになった人を大事にして人数が減らないようにしようと思うようになっていた。

そう思っていてもなかなかうまくはいかず、
自分自身の都合、家族の都合、仕事の都合などで獅子組から離れていく人が続いた時期があってそれが僕はすごく辛かった。思うように行かず、僕は頭をやっている意味はあるのか、幼馴染が1人でやった方が色んな事が上手く回るのではないかと本気で悩んで獅子が嫌いになった事もあった。

複数人で話している時にそれとなくこの気持ちを伝えた事があった。
そこで僕のこんな気持ちを救ってくれたのも幼馴染の一言だった!!

「やっぱり頭って2人おったら意見も合わん事も多いし◯◯が1人の方がええんちゃん」

「なに言いよん!!オレはあっくんと2人やけん頭やってくれって頼まれたんもOKしたんやで、2人でやろうで」

「ほんまに2人はええコンビやで。上手くバランスが取れとる、羨ましいわ」

この一言がなかったら僕は頭から身を引いてたかも知れない。本当にこの一言に救われた。この一言で自分の中で気持ちの整理がついてもっと頑張ろって思えるようになった。
ずっと自分が子供の頃にあった獅子組と今の獅子組は何が違うのか、そればかりを考えていたが問題的はそこではなく、
自分自身が子供の頃に思っていた

『獅子は楽しいもの、獅子って楽しい所』

この気持ちを今来てくれている子供達、お父さんお母さんにも伝えていきたいと強く思うようになった!!
子供の頃から当たり前のように思っていたこの気持ちを見失って、頭だからちゃんとしなくちゃとか、しっかりしなくちゃとばっかり思っていたんだと気付かされた。

この気持ちに気付けた事は大きくて、それ以降はまた獅子が大好きになって、今年はこんな事してみんな喜んでくれたから来年はあんな事してみようとかプラスの発想が浮かぶようになったきた。それがみんなにも伝わったのか子供達やお父さんお母さん方の笑顔が見れる事が増え、自分のやっている事も間違ってないのかなとも思えるようになったきた。
8年前は20人弱の小さな獅子組が今は人数は倍以上になり大宮八幡宮では断トツの人数と平均年齢の若さを持つ獅子組に様変わりしていた。
今ではこんな獅子組の若頭であるという事を誇りに思うし、なんの文句も言わずに僕と幼馴染の2人に付いてきてくれる組員全員にありがとうございますと伝えたい!!
うちの獅子組はまだまだ大きくなりそうだし、人数が多くなれば他の人獅子組には真似できないような新しい事にも挑戦できたりもする。
そんな夢な向かってみんなで協力して大好きな獅子を後世にも残して行けたらと思っている。

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