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7〜モールモースの騎兵隊〜【PS2 全タイトルレビュー】#110

  • 発売日: 2000年12月21日

  • ジャンル: シミュレーションRPG

  • 発売機種: PlayStation 2

  • 開発元: ナムコ(後のバンダイナムコゲームス)

  • 発売元: ナムコ

概要

『7 〜モールモースの騎兵隊〜』は、独特の「ローテーションバトルシステム」を採用したシミュレーションRPGです。2000年にナムコから発売され、同じシステムをベースにした『ヴィーナス&ブレイブス 〜魔女と女神と滅びの予言〜』の前作にあたります。ゲームの舞台はアクラリンドという大陸で、プレイヤーは騎兵隊を率いて魔物と戦いながら、ストーリーを進行させます。クリア後には、より高い難易度を持つ「アルメセラ年代記」モードがプレイ可能となります。

ナレーションにはPIZZICATO FIVEのボーカル、野宮真貴が担当し、独特のファンタジー世界を彩っています。

ストーリー

はるか昔、アクラリンドの大地には魔物が蔓延り、人々は滅びの運命に瀕していました。そんな中、創造主の使いが現れ、7人の勇者に7つの武器を与え、魔物を討伐しました。それから1000年後、忘れ去られた災厄が再び姿を現し、世界は再び危機に直面します。プレイヤーは、再び立ち上がった7人の騎兵隊を指揮し、魔物と戦いながらアクラリンドを救う冒険に乗り出します。

システム

ローテーションバトルシステム
本作の特徴的な戦闘システムで、プレイヤーは7人のキャラクターを「前列」「中列」「後列」の3つの列に配置し、隊列をローテーションさせながら戦います。攻撃や回復は自動で行われ、プレイヤーは各ターンごとにローテーションを指示します。隊列の配置と回転を使って戦略的に戦い、敵を殲滅します。特に、前列で攻撃、中列で補助、後列で回復といった配置を考えた戦略が鍵となります。

  • 前列(攻撃列): 敵と最も近い列で、剣やナイフでの直接攻撃を行う。敵からの攻撃も集中するため、防御の重要性も高い。

  • 中列(補助列): 前列のキャラクターを補助する役割。攻撃力や防御力を強化し、前線の仲間を支えます。

  • 後列(回復列): 後方で回復やサポートを担当する隊員が配置され、1ターンごとにHPの回復が行われます。

キャラクターと陣形
キャラクターには騎士、戦士、幻術師、神官、剣闘士など多様な職業が存在し、それぞれの能力を活かして戦闘を進めます。陣形の編成やローテーションのタイミングが、戦闘の勝敗を左右します。各キャラクターのスキルや属性を考慮して戦略を立てる必要があります。

アルメセラ年代記
本作をクリアするとプレイできる「アルメセラ年代記」では、1000年にわたって戦い続けるストーリーが展開され、非常に高い難易度を誇ります。広大なアクラリンド全土を舞台にし、ストーリー重視の「モールモースの騎兵隊」編とは異なり、より長期的な戦略が求められます。

良い点

  • 独特のバトルシステム: ローテーションバトルシステムは、従来のRPGとは一線を画す戦略的なシステムであり、隊列やキャラクターのスキルをうまく活用することで、プレイヤーに戦略的な考察が求められます。

  • キャラクターの個性と成長: 各キャラクターの成長がストーリーと共に進み、彼らの絆や成長がゲームの魅力を高めています。職業ごとに異なる戦い方やスキルが存在するため、プレイヤーは自分のプレイスタイルに合ったチームを構築することができます。

  • 美しいビジュアルと音楽: ナムコの手がける美しいグラフィックと、野宮真貴によるナレーションが、独自のファンタジー世界をさらに引き立てています。

悪い点

  • 難易度の高さ: 特に「アルメセラ年代記」編では、難易度が非常に高く、ゲームに慣れていないプレイヤーにとっては敷居が高いです。1人でもHPが0になるとやり直しになるペナルティも厳しく、緻密な戦略が必要とされます。

  • 戦闘のテンポの遅さ: ローテーションバトルは戦略的ですが、テンポが遅いと感じることもあり、長時間プレイするとやや単調さを感じるプレイヤーもいます。

キャラクターと職業

本作には多様なキャラクターが登場し、職業やスキルがそれぞれ異なります。以下は、代表的な職業の一部です。

  • 騎士: 前列では剣での攻撃、中列では防御補助、後列では回復が可能。

  • 戦士: 高い攻撃力を持つ前衛キャラクター。回復能力は持たないが、前列で強力な攻撃を行います。

  • 神官: 回復系のキャラクターで、後列で仲間のHPを回復する。

  • 幻術師: 攻撃力と素早さに優れ、前列での攻撃が得意なキャラクター。自回復能力も持つ。

  • アーチャー: 中列から弓での間接攻撃が可能。前列では短剣での攻撃が行える。

  • 魔騎士: 前列で斧を使った攻撃、中列で補助、後列で回復もこなせる万能型のキャラクター。

評価

専門レビューでは、独自の戦闘システムと緻密な戦略が高く評価されていますが、難易度の高さやテンポの遅さについても指摘されています。特に、ストーリー重視のプレイヤーにとっては、その難易度に苦労することもあります。

ユーザーレビューでは、キャラクターの個性や美しいビジュアルが好評で、戦略性の高いバトルに魅力を感じるプレイヤーから高評価を得ています。ただし、一部のプレイヤーからは、長期戦になる戦闘や難易度に対する不満も見られます。

総評

『7 〜モールモースの騎兵隊〜』は、戦略性とキャラクター成長が楽しめるシミュレーションRPGです。独特のローテーションバトルシステムにより、従来のRPGとは異なる新しい戦闘スタイルを体験でき、戦略的なプレイが求められる点が大きな魅力です。難易度の高さや戦闘のテンポに改善の余地があるものの、深く考えるプレイスタイルが好きなプレイヤーにとっては楽しめる作品です。

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