ルナティックドーン テンペスト【PS2 全タイトルレビュー】#130
発売日: 2001年2月8日
ジャンル: RPG
発売機種: PlayStation 2
概要
『ルナティックドーン テンペスト』は、アートディンクから2001年2月8日に発売されたRPGシリーズ「ルナティックドーン」の11作目にあたります。本作では、シリーズの自由度の高さを受け継ぎつつ、3Dグラフィックとストーリードリブンな展開が大きな特徴です。本作は、シリーズ初の3Dグラフィックを採用しており、よりリアルな世界で冒険が楽しめます。シェイクスピアの戯曲を原案に、壮大なストーリーが展開されます。プレイヤーは、アレグリア大陸を舞台に、主人公の少女ヒーローが冒険を通して成長する姿を描いた物語を進めます。ジョブシステムや依頼こなしなど、シリーズ特有の自由なプレイスタイルが引き継がれている一方、一本道のストーリーやボイス入りムービーが加わり、よりドラマチックな体験が楽しめます。
ストーリー
物語は、アレグリア大陸の辺境の国家デュナミスに住む17歳の少女ヒーロー(CV: 野田順子)が冒険者として成長していく過程を描いています。父に憧れるヒーローは、風の妖精フェステと出会い、各国を巡る冒険に身を投じます。物語は国家間の戦乱や、敵国ガナドールの王イヤーゴーとの戦いが軸となり、壮大な冒険を進める中で、ヒーローは成長し、最終的には大陸を巻き込む戦争を終結させる英雄となります。
特徴
ジョブシステム: 「ジョブシステム」が導入され、冒険の合間に演劇ジョブや坑夫など様々な職業を体験でき、これらのジョブで経験値やお金を稼ぐことが可能です。ジュリエット役を演じる「演劇ジョブ」などもあり、システムの自由度がさらに高まっています。
3Dグラフィック: ダンジョン探索や戦闘では、一人称視点の3Dグラフィックが使用され、より臨場感のある冒険が体験できます。
AIBS(アクティブ イニシアティブ バトル システム): 戦闘システムには、攻撃や防御の範囲を駆使したリアルタイムバトルが採用され、戦略性が求められます。
良い点
自由度の高さ: 冒険者としてのジョブ体験や、クエストの選択肢など、プレイヤーの自由度が高く、自分なりの冒険を楽しめます。
3Dグラフィックと戦闘システム: シリーズ初の3D視点によるダンジョン探索や、アクション性のあるリアルタイム戦闘が、より緊張感のあるゲーム体験を提供します。
悪い点
ストーリーの制約: 自由度の高いシリーズの中では、今作はストーリーが強調され、自由に冒険できる範囲が限定されているとの評価もあります。また、サブクエストが少なく、自由度を求めるファンにとっては物足りなさを感じることもあるかもしれません。
総評
『ルナティックドーン テンペスト』は、シェイクスピアの戯曲を基にした壮大な物語と、シリーズの特徴である自由な冒険を掛け合わせた作品です。新たに採用された3Dグラフィックや、リアルタイムバトルシステムが斬新であり、ジョブシステムによる多彩なプレイスタイルが楽しめる一方で、ストーリーが強化されているため、自由度が抑えられていると感じるプレイヤーもいます。それでも、ルナティックドーンシリーズの新たな試みとして、高い評価を得ています。