アーマード・コア2 アナザーエイジ【PS2 全タイトルレビュー】#174
ジャンル: メカアクション(3Dアクション、メカカスタマイズ)
プレイモード: シングルプレイ、2人対戦(画面分割)
発売日: 2001年4月12日(廉価版は2002年11月7日発売)
対応機種: PlayStation 2
開発・販売元: フロム・ソフトウェア
通称: 『AA』(Another Ageから)
概要
本作は、『アーマード・コア2』の続編であり、ミッション攻略型に特化した内容になっています。プレイヤーは火星から地球へ舞台を移し、企業や地球政府、反抗組織などの勢力が絡む物語の中で、傭兵「レイヴン」として100以上のミッションに挑むこととなります。
アリーナモードが削除され、ストーリーを進めるミッション構成に集中したゲームデザインが特徴です。プレイヤーは地球の各地を巡りながら多様な戦場を体験します。
ストーリー
火星での騒乱から5年後、地球(地球暦228年)を舞台に物語が展開されます。
地球政府は火星での問題解決を経て、地球環境の復興に注力する一方、軍事力を強化する動きを見せます。一方、企業体は政府の拡大する影響力に対抗するため、武装強化を図り、互いに対立を深めていきます。
さらに、地下都市に住む貧困層を中心に「インディーズ」と呼ばれる反抗組織が出現し、政府や企業に対抗する新たな勢力として台頭します。
プレイヤーは「レイヴン」として、さまざまな依頼を受け、複雑に絡み合う勢力間で戦いを繰り広げていきます。
ゲームの特徴
1. 豊富なミッション
ミッション数はシリーズ最多の100以上(実質的な数は約88種類)。
地球の各地で異なる目的やシチュエーションを楽しめる。
4つの特別ミッションでは、PS1時代の過去作に登場した機体との対戦が可能。
2. データコンバート
前作『アーマード・コア2』のセーブデータをコンバート可能。
所持金、所持パーツ、エンブレム、強化人間データなどが引き継げる。
3. カスタマイズ要素
パーツの数はシリーズ内でも多く、14カテゴリ以上。
新パーツの追加や既存パーツの性能変更など、さらに多様なカスタマイズが可能。
4. 対戦モード
本作では画面分割による2人対戦が可能。
対戦では収支を元に勝敗を決定する「VSミッション」も追加。
5. モデム対戦
対応モデムを利用した遠隔地プレイヤーとの通信対戦が可能。
6. システム変更
ロックオンマーカーの仕様が変更され、障害物越しの敵が緑色のマーカーで表示。
オーバードブースト使用時に熱量が発生する仕様を追加。
機体速度の上限が上昇し、戦闘のスピード感が向上。
7. 強化人間の廃止
本作では強化人間要素が廃止されましたが、前作のデータを引き継ぐことでその能力を保持可能。
登場勢力とキャラクター
主要勢力
ジオ・マトリクス: 地球と火星を支配する最大規模の企業。
エムロード: 過去の地球No.1企業だが、現在は弱体化。
バレーナ: 政府寄りの企業で、軍事力強化に協力。
インディーズ: 地下世界を拠点とする反抗勢力。
地球政府: 火星から地球に戻り、軍事力強化に注力。
コンコード: 中立的な立場でレイヴンを仲介する企業。
キャラクター
コンコード・オペレーター: 主人公をサポートするオペレーター(声: 井上喜久子)。
ジオ・マトリクス幹部: 声 - 石井七央子。
エムロード幹部: 声 - 大塚芳忠。
バレーナ幹部: 声 - 芳野美樹。
インディーズ指導者: 声 - 土屋トシヒデ。
地球政府幹部: 声 - 藤本譲。
評価点
ミッションの豊富さ: プレイヤーを飽きさせない多彩なミッション構成。
カスタマイズ性: シリーズ伝統のカスタマイズ要素がさらに進化。
対戦モード: 2人プレイがシンプルで熱中できる。
PS2の性能: ハードの限界を活かした美麗なグラフィックと迫力ある戦闘演出。
問題点
高い難易度: 初心者には厳しい設計。
ストーリーの簡素化: ミッション中心のため、物語性が薄い。
通信対戦のハードル: モデムの普及率が低く、通信対戦を楽しめる環境が限られていた。
総評
『アーマード・コア2 アナザーエイジ』は、前作『アーマード・コア2』をベースに、さらにミッション要素を充実させた続編です。プレイヤーは圧倒的なボリュームのミッションに挑むことで、レイヴンとしての実力を試されます。ストーリー性よりもゲームプレイ重視の構成が特徴で、シリーズファンにとっては「やり応え」のある作品です。
初心者にはやや敷居が高いものの、ACファンにとってはやり込み要素満載のタイトルで、PS2時代のメカアクションゲームを代表する一作といえるでしょう。