
シャドウハーツ【PS2 全タイトルレビュー】#208
『シャドウハーツ』(SHADOW HEARTS)
『シャドウハーツ』は、2001年6月28日にアルゼから発売されたPlayStation 2用のRPGです。
本作はホラーとファンタジー要素を融合させた独特の雰囲気を持ち、ダークで重厚なストーリーが特徴です。
また、前作である『クーデルカ』の15年後の世界を舞台にしており、世界観やキャラクターも一部関連しています。
概要
ジャンル: ロールプレイングゲーム(RPG)
発売日: 2001年6月28日
対応機種: PlayStation 2
開発・販売: アルゼ / サクノス
テーマ: 「希望」
キャッチコピー:
「運命の輪「ジャッジメントリング」が回る時、闇に葬られたもうひとつの歴史が動き出す。」
ストーリー
物語は1913年〜1914年の第一次世界大戦直前の中華民国およびヨーロッパ各地を舞台に展開します。
若き青年ウルは「フュージョン能力」という悪魔と融合する力を持つ存在で、謎の声に導かれながら、
旅の途中で出会ったアリスという少女を守り、彼女を狙う謎の魔術師アルバートとの戦いに巻き込まれていきます。
また、実在の地名や歴史的背景を取り入れ、ロジャー・ベーコンや川島芳子など、
実在の人物をモデルとしたキャラクターも登場しますが、史実とは異なるフィクションとして描かれています。
特徴
ジャッジメントリング
戦闘やイベント中のアクション成功判定には「ジャッジメントリング」という独自システムが採用されています。
タイミングよくボタンを押すことで攻撃や魔法の効果が決まり、失敗すると行動が無効になることも。
緊張感のあるシステムで、プレイヤーの反応速度と正確さが求められます。フュージョンシステム
主人公ウルは、倒したモンスターの魂を取り込むことで**「フュージョンモンスター」**に変身し、
強力な技や魔法を使用できます。このシステムは物語のキー要素としても機能します。ダークで重厚な世界観
ホラー要素を随所に取り入れた暗い雰囲気と、リアリティを意識した歴史背景が融合しています。
物語の合間にはコミカルなシーンも挿入され、重苦しいだけではなく、適度な息抜きも用意されています。シリアスとユーモアの共存
ダークなストーリーの中にも「お笑い要素」が組み込まれており、重いテーマをバランスよく和らげます。実在の地名・歴史要素
物語は中国、プラハ、ロンドン、トランシルヴァニアなどを舞台に、
歴史的な要素や都市名が登場し、プレイヤーに旅の感覚を味わわせてくれます。
ゲームシステム
移動: ワールドマップから目的地を選び、町やダンジョンを探索します。
戦闘: AGI(敏捷性)に基づくターン制戦闘。ジャッジメントリングで攻撃の成否が決まります。
属性: 火・水・風・地・光・闇・無の7つの属性が存在し、敵味方の相性が影響します。
SP(サニティポイント): 戦闘中のキャラクターの正気度を示す数値。行動するごとに減少し、0になると暴走状態になります。
グレイヴヤード: ウルの精神世界。フュージョンモンスターを手に入れたり、戦闘でマリスを浄化したりできます。
音楽
音楽は弘田佳孝がメインで担当し、ゲストとして光田康典も参加しています。
主題歌は笠原弘子が歌う「SHADOW HEARTS」。
美しいメロディと物語に合わせたBGMが、ダークな世界観をさらに引き立てます。
評価
『シャドウハーツ』はその独自の世界観とシステムから、コアなファン層を獲得しました。
グラフィック面ではやや粗さが残るものの、シナリオや音楽、ジャッジメントリングを中心とした戦闘が好評です。
ユーザー評価の一例:
「ストーリーの引き込みがすごい!」
「ジャッジメントリングの緊張感が楽しい。」
「ダークな雰囲気の中に笑いがあるのが良い。」
一方で、テンポの悪さやグラフィックの粗さについては賛否が分かれました。
続編と影響
『シャドウハーツ』はその後、以下の続編が発売されました。
『シャドウハーツII』: 物語の直接的な続編で、舞台は1915年のヨーロッパ。
『シャドウハーツ フロム・ザ・ニューワールド』: 主人公を一新し、1929年のアメリカを描く。
また、2022年にはシリーズ開発陣による精神的続編『ペニーブラッド』が発表され、話題となりました。
総評
『シャドウハーツ』は、ホラーとファンタジーが融合した独特のRPGとして、多くのファンの記憶に残る作品です。
シリアスな物語とユーモア、斬新なシステムが見事に組み合わさり、続編へとつながるシリーズの礎を築きました。
今なお多くのプレイヤーから「隠れた名作」として愛されているタイトルです。