ファイナルファンタジーX【PS2 全タイトルレビュー】#217
基本情報
タイトル: ファイナルファンタジーX
ジャンル: RPG
発売日:
初版:2001年7月19日(PS2版)
リマスター版:2013年12月26日(PS3/PS Vita版)、2014年5月15日(PS4版)、2019年4月16日(Nintendo Switch/Xbox One版)
発売機種: PlayStation 2(オリジナル版)、PS3/PS4/PS Vita、Switch、Xbox One、PC(リマスター版)
開発会社: スクウェア(現スクウェア・エニックス)
ストーリー
舞台:
スピラという幻想的な世界。美しい自然と海に囲まれたこの地は、巨大な破壊者『シン』に脅かされています。
あらすじ:
主人公のティーダは、ブリッツボールという水中スポーツの選手。彼の故郷ザナルカンドが突如『シン』の襲撃を受け、彼自身も未知の世界「スピラ」へと飛ばされます。
スピラで出会う召喚士ユウナは、『シン』を倒すために「究極召喚」を目指す旅に出ており、ティーダは彼女のガード(護衛)として同行します。しかし、旅を進める中でスピラの矛盾や『シン』の正体に迫り、ティーダ自身の運命も明らかになります。
テーマ:
自己犠牲: 究極召喚に必要な大きな犠牲の意味。
希望と再生: 世界を呪縛する悲劇からの解放。
愛と別れ: ティーダとユウナの儚い関係。
システム
1. バトルシステム
CTB(Conditional Turn-Based Battle):
従来のアクティブタイムバトル(ATB)とは異なり、ターン制でキャラクターごとに行動順が変動。戦略性が高く、プレイヤーがじっくりと次の行動を考えられます。召喚獣バトル:
ユウナが召喚するエオンズ(召喚獣)は、戦闘中に直接操作可能。従来のFFシリーズとは異なる新要素です。
2. スフィア盤システム
特徴:
キャラクターの成長を自由にカスタマイズできる盤状のシステム。各ステータスやアビリティを取得することで、自分好みの育成が可能です。
3. グラフィック・音声
PS2初のフル3D&フルボイス対応。表情豊かなキャラクター描写や美しい風景が、物語の没入感を高めます。
評価・影響
発売当時、PlayStation 2の性能をフルに活かした美しいグラフィックや感動的なストーリーが高く評価されました。
リマスター版の発売により、新世代のプレイヤーにも支持され、長く愛されるタイトルとなっています。
主な登場キャラクター
ティーダ:
本作の主人公で、明るく快活なブリッツボール選手。父親である伝説の選手ジェクトとの確執を抱えつつも、旅を通して成長していきます。彼の「自分の物語」が物語全体のテーマに深く関わっています。ユウナ:
スピラを救うため『シン』を倒す使命を負う召喚士。控えめで献身的な性格ですが、内には強い意志を秘めています。彼女の純粋な使命感とティーダとの絆が物語の軸となります。アーロン:
かつてジェクトとともに旅をしたベテランガード。渋く無口ながらも仲間を陰から支える頼もしい存在で、スピラの真実を知る重要人物。ワッカ:
ブリッツボールチーム「ビサイド・オーラカ」のキャプテン。ユウナの親しい幼なじみであり、宗教に深い信仰を持つ人物。ルールー:
魔法を操る黒魔道士。冷静でクールな性格ながら、時折仲間を思いやる一面も見せます。リュック:
アルベド族の快活な少女。機械に強く、トラップや錬金術を駆使するサポートキャラ。旅の中でユウナとは従姉妹の関係であることが判明します。キマリ=ロンゾ:
獣人族ロンゾ族の一員で、ユウナを幼少期から守る忠実なガード。寡黙ながらも誠実な性格。
特徴
1. 息をのむ美しい世界観
スピラの風景は、南国風の島々や神秘的な古代遺跡が特徴。特に『幻光河』や『ザナルカンド遺跡』のシーンは多くのプレイヤーの心に残る名場面です。
2. 感動的な音楽
植松伸夫を中心とした作曲陣が生み出した楽曲が物語を彩ります。特に「ザナルカンドにて」や「素敵だね」は高い評価を受けています。
3. ミニゲーム: ブリッツボール
水中で行うスポーツをシミュレートしたミニゲーム。やりこみ要素として、チームを編成し大会を勝ち進むことも可能です。
総評
『ファイナルファンタジーX』は、シリーズ初のフルボイス対応や、革新的なシステムを導入した記念碑的な作品です。主人公ティーダが「これが俺の物語だ」と語る通り、個人の成長や自己犠牲、愛と別れといった感動的なテーマが心に響きます。ストーリーの練りこみが非常に優れており、多くのプレイヤーが涙を流したラストは今なお語り草です。
また、リマスター版の登場により、現代の高画質グラフィックで再びスピラの世界を旅することができる点も魅力です。グラフィックや音楽、システムのすべてが高水準でまとまった本作は、RPG好きなら一度は体験すべき名作です!