7BLADES【PS2 全タイトルレビュー】#109
発売日: 2000年12月21日
ジャンル: アクションアドベンチャー
発売機種: PlayStation 2
開発元: コナミ
発売元: コナミ
概要
『7BLADES(セブンブレイズ)』は、コナミから2000年12月21日に発売されたPlayStation 2用アクションゲームです。映画監督・林海象が手掛けた1990年の映画『ZIPANG』の続編にあたる作品で、江戸時代の架空の日本を舞台に、主人公「地獄極楽丸(じごくごくらくまる)」と「鉄砲お百合(てっぽうおゆり)」の2人が活躍するアクションゲームです。
プレイヤーは、刀や銃といった武器を使い分けて敵を倒し、幕府転覆を目論む宗教団体や忍者軍団との戦いに挑むことになります。シナリオは、それぞれ異なる展開を持つ2人の主人公をプレイすることで、物語の全貌が明らかになるように設計されています。
ストーリー
物語の舞台は1640年、長崎の外国人居留地である「出島」。突如として勃発した戦争と、同時期に近海で発見された金色の龍をめぐり、主人公たちは出島へ向かいます。主人公の「地獄極楽丸」と「鉄砲お百合」は、幕府転覆を企む宗教団体「黄金教」や、徳川幕府に仕える「服部半蔵」率いる忍者軍団と戦いを繰り広げます。2人の物語は絡み合い、プレイヤーが両方のキャラクターを操作することで、物語の全貌が明らかになります。
登場人物
地獄極楽丸(じごくごくらくまる)
声: 鈴木千尋
主人公の一人。7本の刀を操る賞金稼ぎ。恋人「お百合」とともに流浪の旅をしており、さまざまな敵と戦いながら物語を進めます。鉄砲お百合(てっぽうおゆり)
声: 吉田古奈美
もう一人の主人公。銃の扱いに長けた賞金稼ぎで、容姿に似合わない強気な性格です。極楽丸とともに出島の事件に巻き込まれ、敵と戦います。砥ぎ蔵(とぎぞう)
声: 斉藤瑞樹
極楽丸の子分で、7種類の刀を持ち運ぶ役目を担っています。戦闘中は極楽丸に刀を投げ渡すだけでなく、戦況判断も行うサポートキャラクターです。服部半蔵
声: 檜山修之
徳川幕府の忍者軍団を率いるリーダーで、極楽丸とはライバル的な存在。過去に極楽丸と争ったことがあり、再び対峙することになります。陰陽師
声: 戸部公爾
宗教団体「黄金教」の創設者で、日本を支配し、国民を皆殺しにしようと企む狂気の陰陽師です。ヒミカ
声: 幸田夏穂
出島の廃墟で囚われていた遊女。極楽丸に救われた後、彼に慕い、物語のカギを握る重要なキャラクターとして登場します。黄金王
黄金教で崇拝される甲冑で、物語に深く関わる存在です。
ゲームプレイの特徴
二人の主人公とシナリオ構成: プレイヤーはゲーム開始時に、刀を扱う「極楽丸」か、銃使いの「お百合」のどちらかを選んでプレイを進めます。同じ事件に巻き込まれますが、それぞれに異なるストーリー展開が用意されています。2人の物語をそれぞれプレイすることで、ゲーム全体の物語が明らかになる構成です。
7本の刀を駆使したアクション: 極楽丸は7本の刀を使用して戦います。それぞれの刀には特別な技や特性があり、戦況に応じて使い分けることが求められます。また、サポート役の砥ぎ蔵が戦闘中に刀を投げ渡してくれることで、戦闘にスピード感と戦略性が加わります。
江戸時代を舞台にしたリアルな世界観: 長崎・出島の風景がリアルに再現され、プレイヤーは町や城、廃墟などのさまざまなロケーションを探索できます。戦闘中には、江戸時代の雰囲気を活かした武器や敵が登場し、バラエティに富んだ戦いが楽しめます。
バトルと探索の融合: 敵との戦闘だけでなく、広大なフィールドを探索し、アイテムや隠し要素を見つけることもゲームの楽しみの一つです。物語の進行に合わせて新たなエリアが解放され、出島の秘密が徐々に明らかになります。
良い点
ダイナミックなアクションシーン: 刀や銃を駆使したアクションが非常に爽快で、複数の敵を一気に倒す戦闘シーンは迫力満点です。特に極楽丸の刀アクションはスピード感があり、スムーズな操作で爽快感を味わえます。
ユニークなキャラクター: 魅力的なキャラクターたちが織りなす物語が、ゲームの魅力を引き立てます。特に、極楽丸とお百合の関係性や、個性的な敵キャラクターが物語に深みを与えています。
映画的な演出とカットシーン: 映画監督・林海象による演出が冴えわたり、カットシーンや重要なイベントシーンが非常に印象的です。特にボス戦や物語の転換点での演出は、映画さながらの迫力があります。
悪い点
カメラワークの不安定さ: 戦闘中や移動時にカメラの視点が不安定になることがあり、視界が悪くなる場面が存在します。特に、狭いエリアや多くの敵が出現する場面では、カメラの操作が難しくなることが指摘されています。
難易度のバランス: 一部のボス戦や敵の攻撃パターンが非常に難しく、初見では苦戦することが多いです。特に、操作に慣れていないプレイヤーにとっては、難易度の高さがストレスとなる場面もあります。
ストーリーの展開がやや単調: 広大なマップを探索しながら戦闘を行うシステムは楽しいものの、進行がやや単調になることがあり、長時間プレイすると飽きが生じることもあります。
評価
専門レビュー: ダイナミックなアクションや、映画的な演出が評価されている一方、カメラワークの不安定さや難易度バランスに対する批判もありました。特に、アクション部分は高評価ですが、ゲーム全体のバランスに関しては賛否が分かれる部分も見られます。
ユーザーレビュー: プレイヤーからは、爽快なアクションと独特なキャラクターが好評です。ただし、カメラワークの不満やストーリー展開がやや単調との声もあり、全体的な評価は分かれています。
総評
『7BLADES』は、映画『ZIPANG』の続編として、刀や銃を駆使した爽快なアクションを楽しめる作品です。キャラクターごとの異なるプレイスタイルや、江戸時代を舞台にした壮大な物語が魅力で、特にアクション好きにはおすすめです。しかし、カメラワークや難易度のバランスには改善の余地があり、プレイヤーによってはストレスを感じることもあります。それでも、独自の世界観と映画的な演出がゲームの魅力を高め、コナミのアクションゲームの中でも異色の一作として印象に残るタイトルです。
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