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【スペシャルインタビュー #11】変革期を共に――完成して終わりではなく、リニューアル後の最も不安な時期までサポートいただきました_株式会社日本触媒/前田さん・熊谷さん
いま大きな変革期の中にあり、ここ数年で様々な施策を実行している株式会社日本触媒様。2023年5月、約30年使い続けたオフィスのリニューアルが完了しました。
約2年間、コロナ下で進行するオフィスリニューアルプロジェクトでは当グループのディー・サインがプロジェクトマネジメントを担当、生まれ変わった後の新オフィスにおける運用サポートをFaMilが6か月間にわたり携わらせていただきました。スタッフとしても、構築から運用までの期間で同社の様々な変化を目の当たりにし、知見を深める機会としても貴重なプロジェクトとなったようです。
カタチも中身も大きな変化を遂げ、とても濃い時間を過ごしたお二人に、当グループのメンバーも交えてインタビューさせていただきました。
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写真上から、
株式会社日本触媒
前田 裕也さん 東京総務部 課長代理
熊谷 朋子さん 東京総務部
https://www.shokubai.co.jp/ja/
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株式会社ディー・サイン/株式会社FaMil
高井 誠 プロジェクトディレクター/取締役
後藤 雄亮 プロジェクトマネジャー
――この度はオフィスリニューアルおめでとうございます!エントランスにオフィスのビフォーアフターのパネルが置かれていますが、とてもいいですね。
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前田さん ありがとうございます。運用サポートのフェーズで制作したものです。お客様も結構、立ち止まってじっくり見ていますよ。
熊谷さん 作っていただいてよかったです。ビフォーのほう、もっと書類の山とか段ボールを積んでいるような写真を使ってください、とお願いして、前オフィスの惨状が伝わるように作ってもらったんです(笑)。
――2021年8月、オフィスをリニューアルするにあたって、入居されているビルオーナー様が当グループを貴社にご紹介、そしてコンペに参加、という流れでしたね。
前田さん 初めてなもので何から始めたらいいかわからず困っていたときに、こういう会社もありますよ、と紹介してもらったのがディー・サインさんでした。ビルオーナーさんに感謝ですね。
熊谷さん 什器メーカーとはいくつか伝手(つて)があったのですが、それ以外でということで御社にコンペに入ってもらいました。上層部の話では、フィーリングというか会話した感じがよかったことが印象に残った、と聞いています。
前田さん 初めてのことだったので、明確なイメージを示してもらえたのも大きなポイントでした。
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――実際の進め方ではどんな点がお役に立てましたか?
熊谷さん 上層部に丁寧にヒアリングしていただいて、固めるべきところを先に固めてからご提案いただいたので、比較的スムーズに運んだのかなと思います。また、私たちには思い浮かばないような提案をしていただいたのはすごくよかったです。
なにしろ以前のオフィスではみんな我慢することに慣れてしまっていて。30年も使ったことで、もう電話機の汚れが取れなくても、椅子の昇降機能が壊れていても、カーペットには“けもの道”ができちゃったりしていましたが、皆、現状を受け入れて過ごしてしまっていました。
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後藤 プロジェクト期間が丸2年ずっとコロナ下で、最初はなかなか距離を詰められず。マスク越しで表情も見えない中でオンライン会議をやっていると、こちらの提案にも反応がなくシーンとしてしまったときもありました。
そんなことを乗り越えながら、大事にしたいものや方向性が見えてきて、他の社員さんや役員さんにも伝わっていき、良いモノを作ろうという雰囲気になっていったのを覚えています。
前田さん プロジェクトメンバーの自己満足になってはいけないな、という想いで取り組みました。上層部の要望と現場の意見が相違したときには、調整に悩まされることが多かったですが、うまくサポートしてくださったと思います。
高井 オフィスって、ボトムアップだけでもトップダウンだけでもできないものなんですよね。あまりそこを重視しない企業さんも多いのですが、貴社の場合はここが大事だということを理解してくれましたし、社長以下経営陣のみなさんがなかなか時間をおさえるのが大変ななかでも、きちんと対応してくださいました。上の意見を聞き、次は現場の意見を、と双方大事にしながら進めることができたと思います。
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熊谷さん 大きなところでは、0.5フロア減床させて2フロアにすべておさめるのか、それとも0.5フロアを残すのか、のところで迷いました。ここであえてチャレンジングな利用をする方向でご提案をいただけたので、私たちもやってみたい、と盛り上がってきて、大きく前進した感じがありますね。
動きの中で大変だったのは、移転と違って業務を続けつつ1フロアずつ移動しながら改装しないといけない点でした。会議室足りない、とかフロアがなくなる、どうしよう、とディー・サインさんにも結構無茶ぶりしたと思います。外部の会議室を借りましたが、結局あまり使わずに大きなトラブルもなく終わりました。
フリーアドレス導入やロッカーの設置など、新しいことに対応していくのは社員の協力あってこそでした。業務しながらの引っ越し作業は、大変といえば大変でしたが、言い方を変えれば、段階を踏みながら慣れていく、ということができたのは良かったとも思います。最後の方は社員のほうから「ナンバリングないですか?」とか「まだですか?」とか言われるくらいになっていましたね(笑)。
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――社員さんが協力的だったことも引っ越し成功の秘訣でしたね。経営計画でも「変革」を掲げていらっしゃいますが、リニューアルによって雰囲気など変わりましたか?
前田さん ここ数年でいろいろと施策を進めていますが、その一つとして、オフィス環境をリニューアルすることで柔軟な発想を生み出す一助になればと思っていました。プロジェクトが始まった頃にちょうど「服装の自由化」が決定して、少しずつスーツ以外の服装が増えてきていた感じですね。営業の者でも来客予定がないときはジーンズで来る社員もいます。
熊谷さん 初めのころちょっと不安だったのが、うちは社員もお客様もほとんどがスーツ着用というなかで、ディー・サインのお二人の服装が完全に私服で。パーカー&スニーカーという格好で社内を闊歩されてたので(笑)。
前田さん 正直お二人とも完全に浮いていました(笑)。
高井 視線が突き刺さっていましたね。
後藤 そんな格好した人間が執務エリアで写真バシバシ撮っていますしね(笑)。
熊谷さん でもまったくブレずに最後まで貫いていらしたので、逆に刺激になったと思います。
高井 たしかヒアリングの途中で部長さんから聞かれましたよ。「そういう服どこで買うんですか」「そのバッグどこで売っていますか」って(笑)。
――服装のコンサルティングまでやっていたとは(笑)。
高井 僕が感じたのは、プロジェクト中に明らかにご発言の内容が変わっていきましたよね。ちょっと偉そうな言い方になりますが“視座が上がった”というか。
熊谷さん プロジェクトメンバーが見るからに前のめりになっていった実感があります。もっと変えていかなきゃという想いがどんどん強まっていきました。
高井 特に驚いたのは、社長室です。化学メーカーという、業界的に固いイメージがあるから僕の中で勝手に、窓際できちんとしたお部屋を設えて、と思っていたんです。それが「ガラス張りにし、フロア中央に配置」となりました。このご判断は大きな変化だと感じましたね、みなさんが柔軟になっているんだなと。
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――そういったところにも変化があらわれたんですね。
熊谷さん 使用頻度のわりに広いエリアを占有していていつも電気が消されていた役員エリアも、もう少し従業員のためにスペースを有効に使わせてもらえないかと進言し、結果として、役員用のミーティング用個室やブースを執務エリアに点在させ、スペースを有効活用することができました。
高井 社員のために、という意識がすごく強かったですよね。プロジェクトメンバーのみなさんにとっては社内事なので、一番面倒というか、なかなか前向きになれないことも多かったと思うんですよ。それを僕らが一緒にやらせてもらうことでいかに楽しい場面を増やせるか、ミーティングの中で一つでも笑いが起きればいいし、そういう手助けができればいいなと。
――リニューアル完了後も【運用サポート】をご発注いただいたのはどのようなお考えからですか?
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前田さん 運用フェーズで定期的に知見ある方にご意見いただきたいという想いからです。特に来客エリアとして開放している5階がこれまでにない試みばかりで、完成後、急に全て自分たちで対応するというのはさすがに不安でした。特にトラブルが起きた際の対処の仕方と、どこまで対応すべきか、ということに対してサポートいただけたのは安心でした。
また、フロアの有効活用のための施策検討にもお知恵を借りました。コストをかけて作ったわりに全然利用されていないようでは社員も納得がいかないですから。
熊谷さん 例えばタウンホールは勉強会やイベント開催を目的に作りましたが、実際にやったことがないのでわからないんですよね。ディー・サインさんと一緒にFM会を開催したことで、利用申請書の作製や、ケータリングはどこがいいとか、アルコールのルール、ゴミ出しのルールなど、あらゆることでお手本を見せてもらいました。
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あと社員からちょっとクレームというか指摘が入ることもあって。今、コーヒーの飲み残しを捨てるところが使い勝手が悪いということで相談していて、自分たちでもファストフード店とか見にいこう、と話していたんですけど、すでに後藤さんが動いてくださっていて「こんな使い方になっていましたよ」って。
前田さん こんなことまで聞いていいのかな、と思うようなことでも、いつも親身になって教えてくださったのは、本当にありがたかったです。
後藤 僕らもやってみないとわからないので、勉強になるんです。社員の皆さんもオフィスへの関心度が高まったということですから、それもひとつの変化ですよね。
熊谷さん 今後は採用活動にもタウンホールを活用する予定がありますし、オフィス見学の受け入れなんかもやってみたいと思っています。
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――今後、当グループへの期待をこめて、コメントをお願いします。
前田さん 自分たちにない知見、引出しを出してもらうこと、今後も期待するところはそこにつきますね。最新のものや考え方、働き方などをより深めていただいて、頼りにできる存在でい続けて欲しいなと思います。
熊谷さん 今後も働き方がどんどん変わっていくと思うので、その中で起きる小さな改革にも相談に乗ってもらえればありがたいと思います。
――今後ますますタウンホールを活用されたお話を聞けそうで楽しみです!今回は構築から運用まで長きにわたり伴走させていただき、当方にも多くの学びがあったと思います。今後もどんなことでもご相談ください!今回はありがとうございました。