CAMERA REVIEW: PENTAX *ist DS
一眼レフという価値
2020年1月に、メインシステムをCanon EFのフルサイズ一眼レフから、SONY E フルサイズミラーレスに変更してまもなく3年が経ちます。"写真を撮ること"は、サイズファクターや重量といったフィジカル面でも、オートフォーカスシステムの優秀さやカメラシステムとしての画質の良さへの信頼からくるメンタル面の両面から圧倒的に楽になり、(職場の都合に合わせた半ば無理やりだった)乗り換えも、しておいて良かったなあと思うことが多くなりました。しかしながら、一眼レフ特有の「レンズを経由して、ファインダーに結像した光を見つめる」「そこにある世界に、絞り、シャッタースピード、露出といった演出意図がどう影響するか予想して撮る」と言った体験を失っていることに対して、ずっとネガティブな気持ちがあったこともまた事実でした。その気持ちへの回答として、ハイブリッドビューファインダー機のFUJIFILM X-Pro2を所有してみたり、PENTAX KPに手を出してみたり…といろいろと彷徨いつつ、期待と異なった部分や、金銭的理由なんかも…(悲)あり、「たのしい担当レンズ交換式」枠が空席となっていたところに、愛するハードオフで出会い迎え入れたのがこの*ist DSでした。
一芸入試、のみならず
いくらハードオフ中古で価格が安く、後腐れなく使えそうとはいえ、価値を感じないカメラを買うのは写真道に反する(?)ので、どんな価値がこの子にはあるかなーと考えたときに、思いついた事項を挙げていきます。
CCDセンサー
細かいスペックトークはお詳しい方にお任せするとして、*ist DSが採用しているCCDセンサーは、現在主流となっているCMOSセンサーとは仕組みが違うもの。それ故の独特の画、がある気がします。具体的な良さを挙げるなら、原色系、青赤黄色の鮮やかさ、あとは諧調のつながりの自然さ、でしょうか。
運用性の高さ
究極のサブ機、都合のいいカメラでいてもらうためには、ふっと思い立った時持ち出せる運用性の高さが必要です。*ist DSは、その点先代まで使用されていたコンパクトフラッシュを廃し、SDカードに記録します。ウチの子はファームアップでSDHCまでは対応するようになったので、今やメインシステムには力不足でいくらでも転がっているカードを差し込んで記録メディアは準備完了。そしてバッテリーは、単三4本で駆動。これなら最悪、目的地へ向かいながらコンビニへ駆け込んだとしても準備完了。ズボラな私には本当にこれ以上ない有り難さ。もちろん普段はエネループ充電して使ってますけどね。
ペンタックスのレンズ哲学
何よりサブ機に適していたのはここかな…ペンタックスのレンズ哲学ってとても好きで、「数値で測れない美しさを求めて」いたり、「手に触れるところにこだわって、カメラマンの欲求に応え」たりしてくれていると思います。特にLimitedレンズ群。それ以外のレンズも、無理やり大きくするのではなく、小型軽量なボディに合った設計のレンズが高質感に製品化されている気がします。今回は本気でお供してもらうにあたってDA 35mm F2.8 Macro Limitedをお迎えしました。いいレンズ。以前はFA31, 77をごく短期間持っていましたが、DAでもLimited系は本当にいい。書いていてレンズは別項にしたくなってきたので、また今度。
作例
今回はRAW画像をLightroomの標準プリセットでなるべくストレート現像で。少しコントラスト等弄っているものも。NRはかけてません。
まとめ
昨今オールドデジカメもノスタルジー写真の流れに乗って?プチ流行で、いろんな方が手を出していて、レビューや作例もありふれてますね。いい時代です。こんなに使えるカメラがまだまだご近所のリサイクルショップや、はたまたご自宅のタンスにひっそりと見つけてくれるのを待っていると思うとワクワクしますね(なんかオールドデジカメ連載の締めみたいになっちゃったな…反省)とりあえず*ist DSはあまり持病持ちだとも聞かないので、なんでもないところにどんどん連れ出して楽しみたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?