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#118_そろそろ今年はオンライン株主総会を検討すべきか
コロナの影響もあり、去年の株主総会から、オンラインでの参加を認める会社が増えました。経産省でも、そもそもコロナ前から議論してきたものですが、去年の2月に「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」を策定・公表しています。
ちなみに、「バーチャル株主総会」とは、要するにオンラインで「参加」(傍聴するだけ)や「出席」(会社法上も出席と扱われ、質問などもできる)ができる株主総会のことです。これはおそらく、英語圏での、「Virtual shareholder meeting」からきていると思いますが、ちょっとわかりづらいですね(ちなみに実際に開催する普通の株主総会の英語は「Physical shareholder meeting」)。
日本語の「バーチャル」って、「仮想の」とか、実際には存在しない、行っていないという語感がありますので。日本だけのカタカナ語かもしれませんが、「オンライン株主総会」とかでよい気がします。
この点、(改正の議論はありますが)今の会社法では、オンラインだけで株主総会を開催するのはダメといわれています。会社法は、株主総会の招集の際には「日時及び場所」を決めるべしといっているので(第298条第1項第1号)、フィジカルな「場所」を決めないといけないということです。
そこで、オンライン株主総会ですが、「理論」と「技術」という2つの大きな視点があるように思います。
「理論」は、要するに、「オンラインであっても法の求める適正手続(憲法的にいうとデュープロセス)が守られている必要があり、それが守られていないと決議取消しのリスクがある」ということです。
一方「技術」は、要するに「やる以上ちゃんとできますか」ということで、これはもうシステムのベンダーの選定がすごく大事になる気がします。まだまだ業界全体の経験値が十分でない中で、ノウハウのバラつきがあるでしょうから。
今年の6月総会時に、対面に何の不安もなくなることはないだろう現状からすれば、来月あたりから、ぼちぼちタスクの洗い出しをした方がいいのかもしれません。