データ管理のDX事例:LookerStudioを活用した業務効率化
中小企業が直面する課題
以前ご相談させていただいた、ある企業の「データ管理」に関する課題
複数拠点のデータを一元的に管理することができておらず、エクセルのシートがたくさん提出される状況でした。
そのような状況では、データの比較が難しく、見やすい形にするだけでも膨大な時間がかかってしまう。
そんな状況を変えたいという内容でした。
今回は、ある地方都市で営業している中古車販売会社の事例を通じて、こうした課題にどのように取り組んでいけばよいか、LookerStudioの効果的な解決策をご紹介します。この事例は、同様の課題を抱える多くの企業にとって、貴重な参考事例になると思います。
現状の課題:非効率なデータ管理
対象となる中古車販売会社は、以下のような典型的な中小企業の課題を抱えていました。
県内5ヶ所の営業所を展開、各所のデータが分散
全営業所を統括するマネージャーが数字の管理を担当するも、一元的な管理システムが不在
各営業担当者が作成した日報や営業成績をExcelファイルで個別に提出
データの集計と分析に膨大な時間を要し、戦略的思考の時間が確保できない
思いあたる節はありませんか?
他の企業でも同じような状況を経験したことがあります。
このような状況は、多くの中小企業に共通する課題です。日々の業務に追われ、本来注力すべき戦略的な思考や行動に時間を割くことができない。そんな漠然とした悩みを抱えている企業は少なくありません。
ただ、ここが解決できればより売上が上がる仕組みができるとマネージャーの方も仰っていました。
目指すべき理想の状態(To Be)
ヒアリングを通じて、以下のような理想の状態が明確になりました。
KPIの一元管理
全営業所のデータを統合し、リアルタイムで把握できる環境の構築
経営判断に必要な情報への即時アクセスの実現
常に最新の情報への迅速なアクセス
データ更新の自動化による、最新情報の即時反映
手動更新作業の排除による人的ミスの削減
データ受け取りに関するコミュニケーションコストの削減
データ提出・集計プロセスの自動化
部門間のデータ共有の円滑化
これらの目標を達成することで、マネージャーは数値管理に費やす時間を大幅に削減し、より戦略的な業務に注力できるようになります。
LookerStudioを活用した解決策
課題解決のため、以下の方法を提案しました。
データ管理プラットフォームの移行
ExcelからGoogle スプレッドシートへの移行
クラウドベースの共同編集機能を活用した、リアルタイムデータ更新の実現
LookerStudioによる可視化と分析
Google スプレッドシートと連携したダッシュボードの作成
データの自動更新と、直感的な分析ツールの提供
この解決策により、スプレッドシートが更新されると自動的にLookerStudioのページも更新される仕組みが構築されました。これにより、常に最新のデータに基づいた意思決定が可能となります。
導入プロセス
導入にあたっての主な実施ステップは以下の通りです。
現状の業務フローとデータ管理方法の詳細な分析
各部門のデータ入力プロセスの洗い出し
既存のExcelファイルの構造と内容の精査
Google スプレッドシートへのデータ移行
データ形式の標準化
データの整理
LookerStudioでのダッシュボード設計
カスタムダッシュボードの作成
データソースとの連携設定と、自動更新機能の実装
運用の開始
新システムの使用方法に関するトレーニング
移行期間中のサポート
今後の展望
本システムの導入を基盤として、今後は以下のような発展が期待されます
SFAツールとの統合による、さらなる業務効率化
顧客データとの連携による、よりパーソナライズされたマーケティング戦略の展開
まとめ
この事例は、LookerStudioの導入により、効果的なDXを実現できることを示しています。
データ管理の効率化は、単なる作業時間の削減だけでなく、戦略的思考力の向上にもつながります。
本記事を参考に、ぜひ自社のデータ管理プロセスを見直してみてください。効率化の可能性は、思っているよりも身近なところにあるかもしれません。
私が常々思っていることとして、DXの実現は、必ずしも大規模な投資や複雑なシステムを必要としません。LookerStudioのような使いやすいツールを活用することで、比較的小規模な投資から始めることができます。
もし具体的な導入方法やカスタマイズについてアドバイスが必要な場合、こんな場合はどうしたらよいかなどの質問があればお気軽にご連絡ください。
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