Excel から LookerStudio へ 行ベース(横持ち)のデータを効率的に可視化する方法
最近の事例からLookerStudioのレポート作成をご紹介します!
今回は行ベースのExcelシートをLookerStudioでレポート化していきます。
少しデータの整形に時間はかかりますが、問題なくLookerStudioでレポート化できます。
一連の流れとしては、Excelからスプレッドシートにインポートし、GASで転記していきます。
今回は元のデータも必要でしたので、LookerStudio用のシートに転記する仕様としました。
一応なぜBIツールは列データを束ねて、可視化していくかについても解説しておきます。
行データと列データの違い
行データは、各行が独立したレコードを表す形式で、人間が読みやすい反面、分析ツールには扱いにくいという課題があります。
一方、列データは各列が特定の属性や指標を表し、データ分析や可視化に適しています。
PLデータを例に挙げると、行データでは各行が特定の項目の財務状況を示しますが、これは時系列分析や複数指標の比較が難しくなります。
列データでは「売上」「原価」「利益」などの指標が各列に配置され、行は時間軸となるため、傾向分析や指標間の関係把握が容易になります。
列で束ねることの重要性は、データの一貫性と分析の容易さにあります。
例えば、「売上」という指標を一つの列にまとめることで、その推移や他の指標との関係を直感的に把握できます。
また、多くの分析ツールやBIツールは、列データ構造を前提としているため、データの前処理が簡略化されます。
スプレッドシートとGASを活用
Excelファイルをスプレッドシートに直接インポートしたら、拡張機能から行データをGASを使用して列データに変換できます。
簡素なシートの場合は関数でも対応可能な場合もあります。
が、今回はかなり複雑に構成されているシートだったので、GASを使用するという選択になりました。
GASを使用した基本的な行列変換は、以下のようなステップで行います
スプレッドシートのデータを二次元配列として取得
配列の行と列を入れ替える関数を作成
変換後のデータを新しいシートに書き込む
この過程を自動化することで、大量のデータでも迅速に処理できます。
参考コード例
function TransposeData() {
// スプレッドシートを取得
const spreadsheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
const sourceSheetName = 'YOUR SHEET'; // ソースデータがあるシート名を指定してください
const sourceSheet = spreadsheet.getSheetByName(sourceSheetName);
// 1. 指定した範囲のデータを二次元配列として取得
const sourceRange = sourceSheet.getRange("B:M"); // B列からM列までを指定
const data = sourceRange.getValues();
// 空の行をフィルタリング
const filteredData = data.filter(row => row.some(cell => cell !== ""));
// 2. 配列の行と列を入れ替える
const transposedData = filteredData[0].map((_, colIndex) => filteredData.map(row => row[colIndex]));
// 3. 変換後のデータを新しいシートに書き込む
const newSheet = spreadsheet.insertSheet();
newSheet.getRange(1, 1, transposedData.length, transposedData[0].length).setValues(transposedData);
// 処理完了のログを出力
Logger.log("データの転置が完了しました");
}
※コードは適宜生成AIなどで調整してください!完璧なコードではなく動くコードで問題はないと思います。
LookerStudio でのデータ可視化
ここまでできると転記されたシートができるので、あとはLookerStudioで接続して可視化するだけです。
計算フィールドも複数の指標も使えるようになり、比較や深掘りした数値も出せるようになるでしょう!
行データが来てもこれで安心です。
少し手間はかかりますが、GASで入れ替えて可視化しましょう。
補足と追加作業
また、定期的なデータ更新の自動化も重要です。
GASを使用してデータの取り込みと変換を自動化し、スケジュールされたトリガーで実行することで、常に最新のデータを維持できます。
PowerAutomateなどのRPAを使えばExcelをGoogleDriveに自動転記なども可能です。
振り返り
行から列へのデータ変換は、データ分析と可視化の基本となります。
効果的なデータ分析と可視化のステップは↓
データの構造を理解し、目的に適した形式を決定する
スプレッドシートにデータをインポートし、GASを使用して変換する
データクレンジングを行う
LookerStudioと連携し、ダッシュボードを作成する
定期的なデータ更新を自動化し、常に最新の情報を維持する
これらのステップを踏むことで、行ベースのExcelシートから始まったデータが、意思決定に直接貢献する洞察豊かなレポートへと変貌を遂げます。
今回のご依頼でも見やすいとの報告を受けました!
どんなデータが来ても可視化できる人材を目指していきましょう。
ありがとうございました。
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