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レポートの設計について考えてみよう


こんにちは、けんです。今日はレポートを作る際の事前の設計について、自分の経験と知識をまとめてみました。

レポート設計の考え方

データ分析の成果を最大限に活かすためには、ただ得られた数字を並べるのではなく、 誰に何を伝えたいのか を明確にしたレポート作りが重要です。

以前、ある中小企業の担当者の方から、「頑張って作ったレポートが全然活用されない…」という悩みを相談されたことがあります。よくよく話を聞いてみると、経営層から現場社員まで、同じレポートを共有していたそうです。

思い当たる節はありませんか?

部署や役職によって、見るべきデータやその重要度は大きく異なります。

経営層は全体的な戦略判断のために、現場社員は日々の業務改善のために、それぞれ異なる視点でデータを見ているはずです。

そこで今回は、 見る人を意識したレポート設計 について、具体的に解説していきます。

レポート設計の考え方

ペルソナ設定のススメ

レポート作成の第一歩は、誰がそのレポートを見るのか を明確にすることです。レポートを見る人の立場になって考えてみましょう。
例えば、こんなイメージです。

経営層向けレポートのペルソナ:Y社長
・会社全体の売上や利益に関心がある
・各事業の進捗状況を把握し、今後の投資判断に役立てたい
・詳細なデータよりも、分かりやすいグラフやサマリーを重視する

管理者向けレポートのペルソナ:T課長
・各部門の目標達成度を把握し、課題を分析したい
・メンバーの業務状況を把握し、適切な指示や指導を行いたい
・部門間の連携状況や課題を把握し、改善策を検討したい

現場社員向けレポートのペルソナ:Sさん
・自分の業務実績を把握し、改善点を見つけたい
・チーム全体の目標達成度や進捗状況を把握したい
・日々の業務に役立つ具体的なデータを見たい

ペルソナイメージ

このように、誰が見るのかを具体的にイメージすることで、必要なKPIやデータの粒度、デザインなどが明確になってきます。

部署や階層ごとの設計

それぞれの「知りたい」に応える

それでは、それぞれのペルソナに合わせたレポートは、どのように設計すれば良いのでしょうか?

1. 経営層向けレポート:全体像の把握と戦略的意思決定

  • KPI:売上高、利益、顧客獲得数、市場シェアなど、会社全体の業績を測る指標

  • データの伝え方:トレンドが分かりやすいグラフ、重要なポイントをまとめたサマリー

デザイン:シンプルで見やすく、インパクトのあるビジュアル

例:売上目標達成率を前年同期比で表示したグラフ、主要事業のKPIダッシュボード

2. 管理者向けレポート:目標達成度の可視化と課題分析

  • KPI:部門目標達成率、チーム目標達成率、顧客満足度、業務効率など

  • データの伝え方:部門別・チーム別の比較グラフ、課題や改善点の分析コメント

  • デザイン:見やすさ重視で、詳細データも確認できるようなレイアウト

例:部門別売上目標達成率をグラフ化し、達成率が低い部門の原因分析、チーム別進捗状況を可視化し、遅延しているチームへのサポート

3. 現場社員向けレポート:日々の業務改善とモチベーション向上

  • KPI:個人目標達成率、業務処理件数、顧客対応件数、スキル習得状況など

  • データの伝え方:日々の行動に繋がる具体的なデータ、目標達成に向けた進捗状況

  • デザイン:シンプルで見やすく、モチベーションが上がるような工夫

例:個人別目標達成度をグラフ化し、達成状況を可視化、チーム全体の目標達成度をリアルタイムで表示

フィードバック:双方向コミュニケーションで進化するレポート

レポートは作って終わりではなく、むしろ 始まり だと思います。
作成したレポートを関係者に共有し、フィードバック をもらうことは非常に重要です。
「このデータは本当に必要?」「もっと見やすくならない?」といった意見をもらうことで、レポートの精度を高め、本当に役立つものへと進化させることができます。

フィードバックをもらう際のポイント

  • 部分的な意見を促す: 「全体的な感想」よりも、「このグラフは分かりにくい」「このデータがあると嬉しい」といった具体的な意見を引き出すように会話していくことが重要です。

  • 双方向の対話: 一方的に意見を聞くのではなく、レポートの意図や背景を伝え、意見交換を行う

ダッシュボードはビジネスと共に変化する!

常に進化し続けるためには?

ビジネス環境や目標は常に変化していくものです。
ダッシュボードも、一度作ったら終わりではなく、定期的な見直しと改善が必要です。
むしろ見直しを重ねていくことで、深掘りできる部分が増えてきたりします。

  • KPIの見直し:目標達成に繋がるKPIになっているか?

  • データソースの更新:最新データが反映されているか?

  • デザインの改善:見やすく、使いやすいか?

これらのポイントを踏まえ、フィードバックを反映しながら、常に進化し続けるダッシュボードを目指しましょう。
データ分析の効果を最大限に引き出すために、オーディエンスを意識したレポート制作を心がけてみてください!

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