滅びてしまったあらゆる存在も、未だ存在しないあらゆる可能性も
言葉による世界の分節化、そして標準化・規格化。「取りこぼされたものは顧みない」という前提の共有。言葉に限らず、あらゆる表象が同等の機能を有する。遡れば、自分と世界の区別にたどり着く。しかしこれらの思考もまた、言葉によって行われている。無限後退。
これは、何故そのような作動様式の存在が生き残ったのか、という問題。つまり、進化論と競争原理の問題。この問題を考えるためには、この問題の外に出なければならない。しかし我々人間には無理なこと。とりわけ、生きている人間だけでは。なぜならば、「生」や「存在」を特別視する思考から逃れられないから。「死」や「非存在」も同等のものとして扱わなければならない。
要するに我々は、死者を召喚しなければならないのである。死者も、絶滅した生物も、滅びてしまったあらゆる存在も、未だ存在しないあらゆる可能性も、総動員する必要がある。