こどもとヨガがたのしくてたのしくて
今年の初めからブルックリンのアフタースクールでヨガを教えている。
いろいろ感じたことがあったので今日はその話。
アフタースクールとは日本でいえば学童みたいなものだろうか。
アフタースクールは高校まであって、大抵はその日なにをするか決まっている。サッカーだったり、映画を見たり、宿題をする日だったり、好きなプログラムを自分で選んで登録する。市立は大抵無料、私立は有料などさまざま。
私が行っているのは3歳からキンダー(日本で言う年長さんだと思う)までの日本語の幼稚園についているアフタースクールなので、生徒さんたちは3〜5歳ととても若い。若くてもみんなしっかりとマスクを付けている。小さなN 95マスクを付けている子も多い。他のクラスでは嫌がることもあると思うけど私のクラスでは誰もマスクを意味なく取ったりすることはない。小さいのに偉いなあ、そしてちょっとかわいそうだなあと思う。
私の担当は2時間のヨガ&自由遊びだけなので、こどもたちがマスクを取った顔を私は見たことがない。でもあるとき、お迎えの時間にこどもたちの着替えの手伝いをしていた時(親はクラスルームには入って来れないのでドアの外で待っている)、セーターを着ようとした子のマスクが取れて可愛いほっぺや口が見えた。
そのとき、あっと思った。
かわいい。
こんな顔や表情をしていたんだね。
アメリカのこどもにはいろんな人種や顔の子がいるけれど、目元は彫りが深くて大人っぽい顔の子も多い。マスクを付けていると目のあたりしか見えないんだけど、その下はふっくらしたほっぺや小さい歯がのぞいている口があって、こどもっぽい部分がつまっていた。みんなしっかりしていていろんなことが一人でできるからちょっぴり大人扱いしちゃっていたけど、まだまだ小さいのだ。
実は私、まだ自分のこどもが小さい時は途切れ途切れだけどずっとキッズヨガを教えてきた。いや、すっかり忘れていたけど、こどもが生まれるずっと前にもこどもたちにダンスを教えていた。財政的に恵まれないこどもたちが多く住む地域のプリキンダーやキンダーに行ってアートとダンスを教えるNPOで半ボランティアのアシスタントをしていたのだった。
今行っている幼稚園は、こう言っては何だけど「育ちの良い」エリアのこどもたちばかりなので、昔行った幼稚園や小学校のこどもたちと比較すると、はっきり言って全然違う。親が刑務所に入っててもうすぐ出所するからよかったね、などと言う会話は普通にあった。それでもこどもたちはかわいい。
そういうと私がこども好きだから、という風に思われるかもしれないけど、自分のこどもができるまで特にこどもに興味なんかなかった。こどもができて、そしてちょっと大きくなるまで、もっとこどもに接したいとか全く思わなかった。時々ベビーシッターに預けて仕事に行くだけで、無上の幸せを感じていたこともあった。笑 あの、ベビーシッターのお家のドアを閉めて道を歩いたとき(私はベビーシッターのお家まで預けに行っていた)、本当に肩に羽が生えたようにふわーっと飛び上がるような感覚が懐かしい。
私のこどもははっきり言って、小さい頃はちょっと変わっていて扱いがむずかしい子だった。もっと大変なお子さんたちに比べたら屁でもないとは思うが、初めての子育てだったし、助けてくれる人が夫以外いなくてつらかったのを憶えている。
そして息子が小さいなりにも経験した社会のちょっとした冷たさ、プレッシャーなど、近くにいるからとてもよくわかるようになった。まあ、本人はそんなこと忘れているかもしれないけど・・・今となっては。
それ以外にもちょっとした愉しみ、よろこび、なども何となく共感できるようなことが増えた。自分が小さい頃感じたことを思い出したり。ああ、これはこういうことだったのかな・・・なんて。
これは私だけなのかもしれないが、こどもと接していると自分の中の心にこどもの自分がぐーんと入ってきて一緒に野原を駆け出したくなる。体がついていかないけど。
この間は牛がヨガをしているカレンダーを見ながら牛ヨガをやったんだけど、それが自分の中ではすごく楽しくてこれでダンスを作りたいと思うほどだった。笑 ちょっとその日はこどもたちがすごくワイルドで、誰も全然言うこと聞いてくれなかったけど 笑。そんな人間が先生でいいのかはよくわからないがとにかくこどもとヨガをする時間が楽しい!いろんなアイデアもいっぱい沸いてくる。
はっきり言ってこどもたちはえらい。かしこい。才能がある。かわいい。美しい。頭の固まった大人なんかよりずっと可能性がある。
こどもの教育を中心にした社会を作るべきだと思う。
こどもたちは自分の体と心に向き合う時間をたくさん持つべきだ。
私の夢はいつかこどもたちの寺子屋みたいな居場所を作ること。仕方ないから大人も入れてやるけど(私はシニアヨガも好きである)、もちろんそこでヨガや身体を使う術も学ぶ。こどもたちから学ぶことはたくさんあるはずだ。