心つづれおり〜35 リトルマーメイド〜
2018年12月から2020年3月まで、北海道四季劇場のファイナル公演として上演されました。この公演は、涙なしには語れません。本来は、2020年3月15日が公演及び北海道四季劇場の千秋楽のはずでした。しかし、この時期は、北海道でコロナウィルスの広がりが深刻だった頃。結局、2020年2月26日の公演を最後に再び幕が上がることはなく、また劇場もクローズとなりました。
こんな幕切れになるとは、やるせない気持ちでいましたが、劇団四季の公式サイトで、披露するはずだった特別カーテンコールの動画が公開され、心が救われました。何より、劇団の皆さんが心残りだったろうと思いますが、動画のメッセージから希望を受け取りました。
作品を語る前に長くなりました。リトルマーメイド(以下リトマ)は、これが初観劇で、物語の結末が印象深いです。子どもの頃、童話の『人魚姫』があまりにも辛い結末で子ども心に悲しい記憶しかありませんでした。(何度読んでも、王子にもどかしさを感じた記憶)しかし、リトマでは、エリック王子が賢くて頼もしくて本当、良かった・・・と。アリエルとトリトン王の娘と父の関係にもじーんとしました。
リトマは、キャラクターも様々で、アニメーションの世界が違和感なく再現されていました。私が観た回では、緒方隆成さんや常川藍里さんが演じたフランダーは、可愛らしくて一途で印象に残っています。また、アースラとフロットサム&ジェットサムのインパクトが強い!カーテンコールの最後までキャラクターを崩さなかった岸佳宏さんのジェットサムには、大爆笑しました。さらに、シェフ・ルイ役の岩城雄太さん。岩城さんは、LKでスカー役を観たときから母娘でファンです。岩城さんの振り切れたシェフ・ルイも忘れられません。
リトマは、明るく楽しい作品だった一方で、コロナ禍が影を落とし、私の中では様々な思いを起こさせる作品になりました。