心つづれおり〜15 オペラ座の怪人〜
2014年、初めて北海道四季劇場にて観劇しました。開幕して数ヶ月経った頃と千秋楽間近の僅か2回の観劇でしたが、念願の『オペラ座の怪人(以下、オペラ座)』を地元北海道の専用劇場で体験できたことが嬉しくてたまりませんでした。
私の中で鮮やかに記憶にあるのは、クリスティーヌ役の山本紗衣さん。確か、北海道公演でクリスデビューだったはずです。このご本人の状況が、物語の中で歌姫として引き上げられていくクリスティーヌの状況と重なり、ひしひしと心情が伝わりました。初々しい山本クリスを音楽の世界へ誘なう怪人役は、佐野正幸さん。情熱的でセクシー、そして哀しみを湛えた姿は、映画版のジェラルド・バトラーを感じさせる怪人でした。
オペラ座の中で特に好きなのが、第2幕。始まりのマスカレードでは迫力ある歌声とダンスから高揚感を、ポイントオブノーリターンから物語のラストへ向かうまでは、感情の激しいうねりと疾走感を味わう。これはオペラ座だからこその観劇体験だと思います。
オペラ座は、映画版では公開から何度も映画館へ通い、また当時、映画撮影で使用された衣装や怪人のマスクの展示を見たくて有楽町マリオンまで見に行く程ハマっていました。
映画版も舞台版も本当に心揺さぶられる大好きな作品です。