心つづれおり〜22 ライオンキング〜
ライオンキング(以下LK)は、2017年3月から2018年5月まで、北海道四季劇場で上演された頃、定期的に通った作品です。自分でも、観劇するまではこんなにハマるとは思いませんでした。
オープニング、動物たちが客席から登場する場面。初めて観たとき、舞台と客席の境目が消え、動物たちの生命力に抱かれるような感覚になり涙が溢れました。ディズニーミュージカル=子ども向けファンタジーという先入観が取り払われて、最後までLKの世界に釘付けとなりました。
LKは、楽曲はじめ衣装も小道具も舞台装置も演出も全てが魅力的で、一度では見きれないところがたくさんありました。劇場に通おうと決めて、毎回前回に気になったポイントを確認しながらの観劇。また、同じ作品でも、公演期間中に演出変更があったり、様々なキャストで観劇できたりということは、長期間上演してくれたおかげです。本当に貴重な観劇体験でした。
さらに、バックステージ見学会にも初めて参加し、その充実の内容に感激しました。このときの話を。
見学会は、終演後、出演していた俳優たちを交え、質問(事前に提出)をしたり、実際に舞台袖に入ってスタッフさんから話を聞くことのできる機会でした。この日は、ティモン役の岩崎晋也さんとプンバァ役の川辺将大さん、そして舞台監督さんが質問に答えてくれました。10名ずつくらいに班分けされ、岩崎さん川辺さんは、「すごい近いですね」と照れながらも丁寧に話をしてくれました。いくつかの質問のうち、「(私)新演出で苦労されたところはありますか?」と「(母)舞台上でのアクシデントはどう対応していますか?」が採用され、岩崎さんからは、「新演出では、ティモンはマイナーチェンジがあり大変で、例えば2幕の愛を感じての歌い出しを少し怒ったように歌うようになったのは、ティモンの焼きもちを表現するため」という話や、舞台監督さんからは、「舞台中は、常に上手下手の袖からモニターチェックをして、アクシデントに備えている」との話を聞けました。
次に、舞台袖へ。各担当のスタッフさんが説明しながら案内してくれました。特に興味深かったのは、小道具やセットの収納方法。想像よりも狭い空間に、工夫が凝らされていました。動物の中でも一番大きい象やヌーの大群のセット(スタッフさんはヌーローラーと呼んでいるそう)、草原の草は、天井から吊るされていました。そして、多くのロープが壁一面に配置されていました。(映画版オペラ座の怪人で見た舞台裏のような)これらのロープを使い、人力でセットを動かすとのこと。機械では出せない味のある動きに拘りがあるそうです。(日が昇る場面の太陽のセット等)また、モニターの傍にはマイクもあり、俳優たちが毎回生で影コーラスをしていることも知りました。(アンサンブルの皆さんには個々のマイクはないということが驚きでした)
舞台裏を知り、観劇の感動もひとしおで、LKはとても愛着のある作品となりました。また、LKは子役の皆さんの活躍も眩しいです。子シンバや子ナラがその後成長して活躍しています。(例えば、海宝直人さんは、子シンバと大人シンバを演じた世界で唯一の存在!)
LKにハマったことをきっかけに、ディズニー作品を見直すようになりました。次回綴る『アラジン』もそのひとつです。