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50歳超えで外資IT転職

はじめに


 最近、50歳超えでも中途採用実績が増えているという新聞記事があった(このnote記述は2023年1月)中高年転職を考えている人は、私の実例が参考になればと思うのでまとめてみた。なお、私は転職時51歳で高度専門職(ITアーキテクト)に相当する。

50歳超えに需要は存在するか?


  結論から先に言えば、高度専門職には一定の需要がある(あった。後述)実際にオファーは複数社から得ており待遇は上昇している。ここで留意が必要なのは、ありとあらゆる点で文句なしの転職にはならないという点だ。

  日系企業は、組織がピラミッド型でポジションが高い人員は少なく、かつポジションが給料と比例する。よって「高給取りの非管理職(高度専門職だが人員管理を行わない)」は存在しえない。すると、職歴マッチは良いがポジションの空きが無いため希望する給料を出せないという回答になり易い。
  一方、外資系、ベンチャー系コンサルは組織がフラット型、ドライ、人不足なので、「高給取りの非管理職(名刺にはマネージャと書いてあるが、人員管理はしない)」が成立するし、実際にオファーはそちらから複数得た。

2023年1月現在、2021年以降に見られていた外資系ITの求人がぱたりと止まっている。常に求人していたMS,AWSも完全に止めており業界の激変が感じられる。

転職斡旋会社を使うべきか?


 使うべきだが、それに頼ってはいけない。先ずはLinkedin,OpenWorkに自身の職歴を細かく入力して求人を探して求人需要と提供される待遇の相場といった土地勘を養うべきである。
 それをせずに転職斡旋会社に依存すると、転職斡旋会社に都合の良い(あなたに合うかは別だ)転職先ばかり紹介される恐れがある。
 ちなみに転職斡旋会社はMS,AWSを紹介しない。(超exectiveは別なのかも?)MS,AWSは自身でリクルータを維持しておりLinkedinやOpenWorksで声を掛けてくる。その後こちらからMS,AWSの採用サイトへ応募するという方式をとる。無論、リクルータを飛ばして採用サイトへ応募も可能。

転職期間はどの程度か?

 私の場合では3ヶ月程度で転職先を決定した。各種サイトへの登録や大量に飛んでくる転職斡旋会社の取捨選択、ここまでで1ヶ月くらい。1社あたりの選考プロセスは初回面接後1ヶ月程度と考えておくと良い。1社あたり2-3回は1時間程度の面接が発生する。

 外資系例だと以下の流れ。各プロセスの間隔は1週間以下なので、複数社を志望、比較検討したいのであれば週3回面接をする時間が必要。コロナ禍のため全ての面接はweb面接であった。youtuberの様な設備は不要だが、外付けwebカメラとミニ三脚(3000円もしない)を購入するべき。note pc内蔵のカメラでも可能だが前述の設備があると顔の写りが非常に良くなる。Web時代の身だしなみである。

人事部リクルータとのカジュアル面接
リクルータから会社紹介、応募する部署、職種の紹介がある。リクルータは採用計画目標があるので応募者を篩い落とすよりも適切な部署へ応募させて入社者数を増やす様に動いている。よって、「こんな部署、求人もありますよ」と言った話もあった。

部門長との面接
 ここからが本番。営業活動と同様に先方からの値踏みもあれば、こちらも転職先として良いかブラックかの見極めを行う。この時の面接者が入社後の上司(評価者)になる場合が多い。
 私は提示されたJob Descriptionと自身の経歴がマッチしているので応募したものが大半であったため、実績と仕事に対する考え方を中心に話した。
 ストレートに年収の話が出るが、up希望であれば根拠と共に伝えた方が良い。
 この後、そのさらに上位者との面接が組まれる時もある。


人事部との面接
 ここまで到着すると実質内定である。入社後の細かい雇用条件、福利厚生の説明がある。私は60歳以降の定年延長制度について知りたかったのだが、「現場では判らないので人事へ」と面接で言われ、この時に質問した。また、この面接で雇用条件や福利厚生はしっかり質問するべきである。企業合併や分割が頻繁な外資では部門長自身が前述の様な事を本当に知らないので、ここでしか確認できない。
(評価制度を除いて。評価制度は人事評価を行う部門長が詳しいが、人事部は意外と無頓着であったりする)
  外資だと日本国籍保有者以外が入社する事も多く、ビザ関連の問題を処理するためにも、この面接がある様だ。

(オプション)再度の部門長面接
 この面接は合否判定のものではない。欲しい人材と判定されると、「入社する意思は高いか 」「他社に取られる可能性はあるか」をカジュアルに確認するためのもの。私の場合は、一緒に仕事をしそうな他部門の方の紹介や何故入社して欲しいか、といった話が出た。


オファーレター提示
 オファーレターは人事部から提示される。日本語で言えば雇用条件である。年収は入社ボーナス(入社後一定期間在籍すると支給される)で調整する例もあった。
 なお、入社日はオファーレター発行の前に協議しておく。私は早期退職制度を利用したのだが、退職日の縛りが存在した。それに対応した入社日にして頂けるか?という折衝をした。この点は各社柔軟に対応頂けた。

オファーレターへの回答
 オファーレター受領後の回答期限は2-3週間が限度。1社以外は当然辞退する必要がある。私はオファーを頂けた会社は転職支援会社経由で紹介されたので転職支援会社経由で辞退の連絡をした。

テストはあるのか?

 会社によってはある。口頭試問型以外は実質的には大きく評価に影響しない模様。

面接官による口頭試問型
 技術的な質問を投げられ知識や説明能力を測定している様だ。

Webテスト型
 所謂SPI風の演算、日本語解釈、記憶能力等を測定するもの。数社で同形式のものがあった。(当然設問は異なる)足切り程度の参考?
 
性格テスト。
 これは合否に直接関係しないという説明があった。

その会社オリジナルのwebテスト。
 珍しいが1社あった。設問に回答者のPC環境の優劣が点数に影響するものがあった。テストが縦長で、設問に答えるため提示された資料を見るのにスクロールを何度も必要とするのだが、これはモニタの領域が広ければ確認が容易で回答時間を大幅に短縮可能であった。


どんな書類が必要か?


 会社によって異なるが、以下の書類が要求された。全てが要求されるのではなく、会社によって要不要が異なった。
 年収を証明するものはオファーレターの参考にするためか急ぎでの提出が必要であった。それ以外は発行時間の関係もあり比較的柔軟に対応頂けた。印刷した原本を要求される事は殆どなくpdf提出が可能であった。

  • 大学の卒業証明書(経歴を偽っていないか)

  • 複数年の年収を証明するもの(希望年収の参考?)

  • 在籍会社の雇用証明書(経歴を偽っていないか)

  • リファレンスチェック(後述)

 最後のリファレンスチェックが日本企業在籍者には重荷である。これは複数の現職の同僚、上司に「転職者の〜は、こういう人ですよ」と記述してもらい、それを転職先がチェックする。
 これは日頃、仕事上の徳を積んでおく必要がある。私は同僚からはプロジェクトで一緒に仕事をした自部門外のお互いに頼り頼れる人にお願いした。直属の上司とは相互理解があったので依頼可能であった。直属の上司と折り合いが悪い人はさらに上の上司や、以前所属した組織の上司等を頼る方法が考えられる。

おわりに

 noteは初めてなのでリクエストがあれば追記等します。

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