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三重県宮川ダム上流大和谷 フライフィッシング釣行

 シーズン最終釣行は、三重県宮川ダム上流の「大和谷」を目指すことにしました。


ダム下の本流

ダム下の流れ

 鮎釣りの人が一人もいません・・・。
 これは私の気のせいではないと思いますが、昔はシーズン初期から終期まで、友釣りの竿が林立していました。マイナー河川でもあちこちに友鮎屋さんがありましたし、鮎を引っ掛けている子供たちも大勢泳いでいました。川釣りをする人の人数が、急激に減ってきている気がします。

大和谷へのルート

 大和谷へのルートは、2023年夏まで工事が行われていたため通行止めでした。魚の放流もされていません。
 この吊り橋(大和谷橋)が工事中だったようですが、毎度、車で走るのは心配になります。
ちなみに足元は↓こんな感じ。無茶な運転は禁物です。

車で走るときも歩く時も、キン●マがキュッとなる

 ちなみに、別の有望ポイントでもある「父が谷」へのルートにも同じ吊り橋がありますが、高さがあるので、あちらはもっと怖いです。現在、父が谷は林道が荒れており、橋を渡って少し進んだ地点から、普通車での侵入は困難です。徒歩でポイント目指しましょう。

 大和谷からの水が流れ込むダムのインレットには、大量の流木。しかし、少し上流から宮川らしい透明の水が見えてきます。

ルアーで大物狙いなら、この辺の方がいいかも

 岩が点在するゴツゴツした流れですが、宮川ダム上流の谷の中では、かなりマシな方です。登山で訪れる人が多いためか、林道もそれ程荒れていません。
 皆さんが入渓していると思われる、赤い橋の駐車スペースに到着。

凉石岩屋への案内板

案内板はあるけど、登山道は崩落などで荒れていて通行止め(?)なお「涼」ではなく「凉」

 よく見るとやばいことが書いてある。
 禁殺生の石塔がある場所から突き落とされるって、三郎四郎、どんだけ恨まれとったんや・・・。

Fly High Fisherこぼれ話「おさきと三郎四郎と与作(仮名)の物語」

若い衆「よお、最近、紀州藩のお侍様がこの辺りをウロウロしてるって話、聞いたか?」
与作「あぁ。なんでも、藩主様の命令で、開墾する際の下見と人手を探しているようだな。こんな田舎までご苦労なこった。」
若い衆「そうなんだけどよ、なんか、茶屋のおさきちゃんに言い寄ってるらしいぜ」
与作「なに!? ・・・都会のお侍様が、ちょっと調子に乗っているようだな。ヤキ入れてやるか・・・。」

--- 涼石岩屋にやって来た三郎四郎。しかし、そこで待ち構えていたのは、村の若い衆だった!

三郎四郎「おや? おさき殿に呼ばれて来たのに、皆様、お揃いでどうされました?」
与作「おさきは昨日から町へ買い出しに行っている。そんなことも知らねえのか。」
三郎四郎「ほう・・・とすると、あの手紙は偽物だったのですね。私は皆様には特に用がないので、失礼させていただきますよ。」
与作「待ちな! お前さん、最近おさきにちょっかい出してねーか?あいつ、迷惑してるみてーだからよ、金輪際、おさきに近付くんじゃねぇ!」
三郎四郎「なにを訳の分からないことを。和歌山城の様子を教えてほしいとか、私が使っている京の扇子を見せてほしいとか、最初に声を掛けてきたのは、おさき殿の方ですよ。少し多めに茶代を渡したら、その日から私の宿場まで来て、身の回りの世話をしてくれてね・・。一人でゆっくりしたいときもあるので、少し困っているのですよ。(遠い目)」
与作「嘘つくんじゃねぇっ!おさきは、皆に優しいだけだ!侍から金を貰っちまったから、突き返すわけにもいかず、嫌々掃除しに来てるだけだろ!」
三郎四郎「ほう。・・・おさき殿、言ってましたよ。村の若い衆は、粗暴で酒癖が悪く、さらに稼ぎも少なく、ろくな人がいないと。」
若い衆「なんだと!」
三郎四郎「与作殿。あなた、鍬で仕留めたイノシシを見せてやると、先日、おさき殿をこの近くまで連れてきましたよね?その前は、大きな熊の足跡と爪痕があるから見せてやると。おさき殿、困っていましたよ。獣なんて見たくない、行きたくもないのに無理やり誘われると。」
与作「・・・」
三郎四郎「それと、皆さんに収めていただいている年貢は大体把握していますが、ここにいる全員の年貢でも、私の一月分の俸禄にもなりませんね。皆さん、もう少し働いてもらわないと困りますねー。」
若い衆「ぐぬぅぅ!」
三郎四郎「ついでに、おさき殿、顔はまぁまぁですが、田舎娘ゆえにあっちの方はイマイチでして」
与作「てめぇっ!許さねぇ!!」
三郎四郎「な・・なにをする! ああああぁぁぁぁぁーーーーーーー!」

与作「やってしまった・・。しかも、よりによって禁殺生の石塔がある場所で。俺は、これからどうすればいいんだ!
 おさき・・・。あなたが一人前になったら、嫁に貰ってねと言っていたあの笑顔は、全部嘘だったのか・・・。」

民明書房刊「凉石岩屋で語り合った愛は嘘だったのか/世捨て人与作自叙伝」より

みたいな。
※ちなみに、突き落とされたのはおさきの方だとする説もあり、それだと村の若い衆のクズっぷりが倍増します。定説では、三郎四郎が突き落とされた後、おさきは、その後を追って宮川の淵に身投げしたとされています。

で、何の話でしたっけ??(←釣りだよ)


大和谷での釣り

 釣り開始です。
 渓相は素晴らしく、水も綺麗。先行者の形跡もなし。が、魚の姿は見えません。

 大台山地に広がる川は、いずれも岩の特性からウェーディングシューズのグリップが効きづらいので、遡行は難儀します。

 あまりにも魚が少なそうなので、水中撮影をしてみます。

いかにもいそうだが・・・

 水は綺麗なのですが、アマゴは見当たりません。富山の川はウヨウヨいたのに、この差は何なのでしょうか。水量も水質も周囲の環境も、全く劣っていない気がするのですが。
 10分ぐらい釣り続けてなんとかヒットしました。なんか、全体的に色白で、ちょっと元気がないようにも見えます。

 少しずつ反応が出てきましたが、渋い状況が続きます。はるか上流には滝。そして、登るのがしんどくなってきました。
 クライマーの人達は、こんな岩山をガンガン登っていくようなので、本当に恐れ入る。

 再び少し大きいのがヒットしました。

 ちなみに、フライは#14のフォームビートル。フライを変えたりしましたが特に反応は変わらず、そもそも魚の数が少ないようです。
 やっぱり、どことなく元気がありません。大量の小石が川を埋め尽くしているので、もしかすると春~夏の間に大水が出て、川が荒れたのかもしれません。

クモの足?ガガンボのラーバ?

 ストマックを見てみましたが、なんだかよくわからないものを食べています。

 一級ポイント。
 さすがにここでは何匹もの反応がありましたが、林業関係者が設置したと思われる、鉄製の足場があり、ここまでショートカットで来れる関係か、多くの釣り人が入っているようで、異様に魚が擦れていました。(普通に空食いとかフライを見切ったりする)

10m進むのもシンドイ
空が飛べたらいいのにと本気で思う。はいっ!タケコp(略)

 もう岩を登ったり降りたりが、かなりしんどいです。
 大岩に腰かけて、岩の上からニンフを沈めてみる。フライは、某雑誌編集長が、釣れる釣れると推しまくるクロスオーストリッチ。

全く反応がなかったので撤収。あのフライ、実際に釣れてる動画を全く見ないけど、本当に釣れるの??

ダム下の「唐櫃谷からとたに」へ移動。

唐櫃谷での釣り

 見ての通り釣りやすい流れです。春先は小型が群れていましたが、どうなったでしょうか。

 打って変わって、反応が多数。
 魚が付いていそうな場所からは、ほぼ100%反応があります。

 大物は出ませんでしたが、ちょっとサイズアップして、多数のアマゴが健在のようです。
 このまま禁漁を迎え、順調に成長すれば来シーズンも期待できそうですが、この谷は本流と堰堤で寸断されていることだけが残念です。
 しかし、昔は禁漁の前に、これほど魚が残っていることはなかった気がします。前記のアユ釣り師の件と言い、渓流釣りの人口が減っているのでしょうか。

 さらに上流に進むと、やや渓相が厳しくなりますが、全体的に釣りやすい流れです。川の横に林道が通っており、川へアクセスしやすいのもありがたい。宮川は、ダムより下の方が、おすすめかもしれません。


 今回使用したフォームビートルのマテリアルは、TMCストレッチフォームの2mm厚でした。
 これ、伸縮性があってめちゃ巻きやすい上に、耐久性も高い。黒以外も発売してくれんかな。 

通常のフォーム(右)に比べてフニャフニャ、ビロンビロン
極小サイズは無理だけど、アントの大量生産も可能


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