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遅ばせながら、イワナの春

#54|フライフィッシング/FlyFishing 
2023年5月4日/新潟県上越地方/水温12度

竿良し、リール良し、フライBOX良し…釣り場に向かう途中、頭の中でタックルをセッティングしながら持ち物最終チェック。2023年は5月4日がシーズン初釣行となった。

昨シーズンとは真逆で、この冬は少雪だったこともあり、季節の進行はかなり早いよう。桜の開花は観測史上最速、雪解けは特段早く、山菜の芽吹きは一斉に。であるのであれば、渓流の盛期も前倒しであってほしい。例年であれば上越後の渓流は6月上旬がシーズンインなのであるが……期待を胸にアクセルを踏む足に力を入れた。

昼時からの遅い川入り。5月の大型連休ということもあり、山奥のホームグラウンドにも人(釣り)、人(山菜採り)、人(キャンプ)。

見渡す限り目に優しい新緑
雪代混じりの厚い流れ

予想通りというべきか、雪代混りの流れではあるものの、例年に比べると水量は少なめ。2、3週間前倒しで季節が進行しているよう。水温は12度と、ドライフライでも十二分に釣れるポテンシャルを感じた。

シーズン初のイワナ

前日タイイングしたアントフライがさっそく大活躍。比較的緩やかな流れの浅場で飛びついてきた元気なイワナ。シーズン最初の1匹に、この上ない喜びと安堵。

TMC206 BL #10
ブラックウール
ブラックコックハックル
エアロドライウイング
泣き尺 29㎝のイワナも

午後からの釣行で雪代混じりの流れは覚悟していたものの、ここぞというポイントでは良型もヒット。ロッドが気持ちよく弧を描くも、ここでハッとした。ランディングネットがない……。持ち物チェックの段階で、魚をすくいあげるまでイメージができていなかったよう。冷や汗かきながらもなんとか魚を手繰り寄せ、泣き尺イワナの顔を拝むことが出来た。滋味深く凛々しい。喜びもひとしお。

雪塊もちらほら
ウツギの花は咲き始め

見渡せば水辺周りの春も急ぎ足の様相。あと数週間もすればホームは盛りとなるに違いない。シーズンインにワクワクが止まらない。


FF.BUM(エフエフドットバム)
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Profile
1979年生まれ。2007年に新潟県上越地方に移住。自由と孤独を愛する西洋式毛鉤(フライフィッシング)釣師。いかにして豊かな人生を歩むか、模索の日々を邁進中。

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