夏の渓谷に潜む危険!瞬く間に激濁り…待てば海路の日和あり
#36|フライフィッシング/FlyFishing
2020年8月1日/新潟県上越地方
週間天気予報に連なる雨マークがやっと消えた。あすは曇り、その翌日からはずっと晴れマーク。前日までの雨による増水と濁りが気にはなるものの、イチかバチか。仮眠をとって家を飛び出したのは午前2時30分。
車を走らせてしばらくすると、フロントガラスに雨つぶ。ワイパーが慌ただしく動きはじめた。何度も引き返そうかと考えてみたものの「すぐに止む」、「もう少しと…」と悪魔のささやき。結局私欲に勝てずアクセルを踏み込んでしまった。
今年はコロナ自粛や長雨と、不順続きでいまいち心と体の歯車が噛み合わない。ここらでビシッとロッドを曲げて、どうにかスカッと晴らしたい思惑。そんな妄想や独り言を巡らせながら約1時間半のドライブ。
釣り場に着くころには雨もやみ、俄然やる気に満ちていた。いくつになっても入渓時のドキドキは変わらない。
気になる水位は予想に反して大きな変化はなし。目につく限り、どこもかしこもほどよい増水加減。しめしめ。魚も浮ついているに違いない。
怪しい天気のおかげで、先行者も皆無。魚も気が緩んでいたのでしょう。すぐに元気なイワナがロッドを曲げてくれた。しかもいいサイズが連釣。いつ尺サイズが出てもおかしくない雰囲気に。でも調子に乗るとすぐ発症するのがバラシ病。 強気のランディングはNG。
気を取り直して釣り上がると、切り立つ岩盤のくぼみにできた小さなよどみ。見逃しませんでした。フライをひったくったイワナは、一気に下流へ。グイグイとファストアクションのロッドが曲がる曲がる。アドレナリン全開も、しばし慎重なやり取りを続け、なんとかランディングに成功。
ネットに収まったのは極太の32.5㎝。きょうも山渓に雄たけびが響き渡りました。超気持ちいい。
さてさて、次なる大物を目指して本命ポイントへと釣り上がります。がしかし、ここで再び雨。天気予報は曇りのはず。小雨なら大丈夫と余裕をかまして釣り上がるも、雨足が強まり、気が付けば全身水浸し。これは致し方がないと、しぶしぶ撤収を決めた。
渓流を下る最中、支流から勢いを増して流れ落ちる濁り水。危険、恐怖心にかられた瞬間でした。本流筋も瞬く間に濁りが強まり、水の勢い増し増し。不安にかられながらも体にムチ打って急ぎ足で渓流を下ったのでした。
何が怖いって?透明度ゼロ、激濁りの流れです。水深が浅いのか、深いのか検討がつかず、川を横切れません。幸いにも、増水を想定して装備していたウェ―ディングスタッフに助けられ、なんとか渓流域を脱出。無事に帰還できました。
車に戻るころには晴れ模様。 それにしても、ウェ―ディングスタッフが無ければ、川を渡れずビバーク確定でした。自然は本当に怖い。判断をひとつ間違えれば事故につながりかねない……。
帰路途中、のぞく川のいずれも激濁り。話を聞けば、局地的にゲリラ豪雨が降ったそうだ。待てば回路の日和あり。猛省です。
FF.BUM(エフエフドットバム)
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Profile
1979年生まれ。2007年に新潟県上越地方に移住。自由と孤独を愛する西洋式毛鉤釣師(フライフィッシング)。いかにして豊かな人生を歩むか、模索の日々を邁進中。
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