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絶対泣かない 著者:山本文緒

今回は本の紹介をしていきます。

「絶対泣かない」という本ですが、おそらくこちらの本と初めて読んだのは約20年くらい前だと思います。

今回久々に手に取り読んだので感想とともに紹介します。

こちらはいくつかの短編小説で構成されており、主人公は様々な業界で働く女性達です。

自分自身も初めて読んだ時から今までの間働いてきた経験を経て以前とは共感するものや理解が異なっているように感じました。

それでは参りましょう

小説概要

いくつかの異なる業界で働く女性たちがテーマの物語です。

それぞれの葛藤や思い・価値観が繊細に綴られています。

誰しもが主人公と同じような境遇や立場になったかもしれなく、

どこか自分とリンクするところがあるかもしれないと思わせてくれる物語です。

印象に残った話

こちらは少々ネタバレ?になるかもしれませんのでこれから読むぞ!という方は飛ばしてください。

私が一番印象的だった話は「ものすごく見栄っ張り」という高校の体育教師の話です。

内容:

学生時代からスポーツをしてきた主人公は自分の容姿に自身がなく、生徒達からは「アケボノ」とあだ名をつけられていた。

学生時代一緒にスポーツをしていた化粧っ気がない女友達は皆気づけば結婚しており、

自分は一度も誰ともお付きあいをしたことがないことをコンプレックスに感じでいた。

そんな主人公はか弱くて線の細いかわいい女生徒のことが気に食わないでいる。

か弱い女性は黙っていても誰かが手を差し伸べてくれると思っており、

そんな考えが許せずついついキツくあたってしまうのだ。

そんな時突如主人公にお見合いの話が舞い込んでくる。

今まで写真だけで断られていた主人公にとってお見合いが出来るということだけでも大きな出来事だったからだ。

慣れない着物を身に着けそんな姿に泣きたい気持ちを抑えながらお見合いへと向かう。

最初は男性とご飯だけでもできたらいいと思っていた主人公だが、

意外にもその男性とは話がはずに気づいたら好意を寄せるようになっていった。

なんて自分はわがままなんだろう。と考える主人公に突然その男性が思いもよらないことを口にする。。。

という話です。最後のネタバレは伏せました。

ぜひ読んでいただければと思います。

私はこの話の体育教師の葛藤や勘違い・思い上がり、決めつけ等、気持ちの揺れ動く様が印象的でした。

まとめ

こちらの小説は様々な職種や人物が登場するので誰かしら自分と境遇が似ている人がいるのでないでしょうか。

実際自分自身も共感したり悩みが似ているというものがありました。

こちらの小説は1995年に発行されている本なので多少の内容の古さ

(仕事でワープロを使っていたり、看護婦というワードがあったり)はあるかもしれませんが、

人間の根本的な考えや悩みはあまり変わらないものがあると思います。

20年前は社会人経験がほとんどなく、こういう世界もあるんだなと思っていたと思うのですが、

社会人経験を経て色々な人に関わってきた今とでは感じ方が全く違う内容となっていたと思います。

女性だけではなく働く人すべてにお勧めする一冊です。

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