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アスペクト比とセル数の相関図を作ってみた|パラグライダー

パラグライダーの性能と安全性の目安の1番は、安全規格による認証クラス分けです。
「飛行特性」と「パイロットに求めるスキル」によって、A、B、C、Dの4段階に分けられています。

パラグライダーはいまだに技術や素材の発展によって、安全性・滑空性能・耐久性のある軽量などあらゆる方面に進歩し続けている。
それらの特性の組み合わせでパイロットの楽しみ方も多様化し、「スピードレース」「ハイク&フライ」「ファンフライト」などそれぞれに特化したモデルが開発されています。

そのため近年では、各認証クラス内での幅が広くなり、1つのクラスとして分けることが出来ない(分けることがふさわしくない)ほどです。

Aクラスの中でも、「より安全性の高いモデル」「Bクラスに匹敵する高性能なモデル」「超軽量モデル」など。

そんな多様化したグライダーのスペックの判断基準としてもっとも分かりやすいのが「アスペクト比(AR)」と「セル数」です。

アスペクト比

アスペクト比 = Aspect Ratio = AR

翼の細長さを表す数値。
パラグライダーの翼は形も様々なので、通常のアスペクト比(縦横比)とは違い、「翼幅(スパン)2乗/翼面積」で計算されます。
(公表されているスペックを上記式にあてはめて計算しても多少誤差があるので、そのへんはきっと安全規格で定義されてるのかな?)

セル

リブ(翼の上面と下面を接続する壁)で仕切られた1ブロックが「セル」。

アスペクト比が高く、セル数が多くなればなるほど高性能機となります。
けど、操縦がシビアになったり、乱気流に弱くなったり、製造コストが高くなったりもします。

ようするに、この2つのスペックのバランスが大切。
なので、どのメーカーもターゲット層やコンセプトが近ければ似たような数値になります。

職業柄、各モデルのバランスを把握しておきたかったけど数字が並んでいる表を見比べるのが苦手なので、「アスペクト比」と「セル数」の相関図を作ってみたら、これがなんとも感覚的に分かりやすい!!

ここからやっとこの記事の本題!!

2024年5月現在、当社で主に扱っている5メーカー(NOVA、Gin Gliders、NIVIUK、PHI、ADVANCE)の主要モデルです。
(細かいこと言うと、ZOOMの1機種も入ってます)

アスペクト比とセル数の相関図

Aクラスグライダー

Aクラスグライダーの太字モデルは当社で入門機として使っているミドルAグライダーたち。
アスペクト比4.7~4.9、セル数35~40

先日発売されたばかりのPRION6(アスペクト比:4.9、セル数:35)は前作PRION5(アスペクト比:4.42、セル数:33)から一気にスペックを上げてきました。
個人的にはPRIONの良さ(ちょうどよい性能と高い安全性)が無くなってしまったんじゃないか心配です。まだ確認できてない。

スーパーAクラスとも表現される2機種はスペックも飛び抜けてます。

Aクラスグライダー

Bクラスグライダー

ターゲット層もコンセプトも様々なBクラスはスペックもバラバラ。
けど、「ハイエンドBクラス」に分けられるモデルは両スペックとも平均して他のモデルよりも高い。
「AVID」「EXPLORER2」はアスペクト比で性能を上げ、「MAESTRO2」はセル数で性能を上げてきたってことかな。
アスペクト比5.5~6.1、セル数59~76

明確にミドルBクラスと言われている「BEAT」「THETA ULS」はまさにど真ん中。

Bクラスグライダー

Cクラスグライダー

Cクラスは各メーカーのラインナップも少なく、ターゲットもシンプルになってきました。
2ライナーかそうでないか。
コンペ志向かそうでないか。

間も無くCクラスは2ライナーだけになってしまうのか。
SIGMA、ALLEGROの次モデルはどうなるのか。

Cクラスグライダー

Dクラスグライダー

このクラスまでくると基本的にはコンペティション用。
軽量でハイク&フライか、レースで戦うための翼か。

セル数が増えると当然パーツが増えて重くなるので、軽量モデルはセル数65程度。
レースモデルとは大きくコンセプトが違うことがはっきり分かる。

Dクラスグライダー


数字で比較するよりも断然直感的に分かりやすかった。
やっぱりグラフって有用だよね。

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