デブサミ登壇後記:楽しく学び続けるコミュニティをリモートワークの世界で0から作って育ててきた話
本記事は、2021年2月18日(木)にDevelopers Summit 2021で発表した内容のまとめです。当日いただいた質問にも、改めて返信しています。
当日いただいた質問
Q: これは講師側にインセンティブなどがあるんでしょうか?
A: いまのところ、金銭などの直接的なインセンティブは特に用意していないです。(正確に言うと、とある社内コンペで優勝したので、その副賞を獲得するためのくじ引きに参加できる権利はあります笑)
基本的には、自主的に手を挙げた人が、自分が知っている(または、自分が学ぶきっかけとして教えたい)ことを教えています。
Q: 教える側も教わる側も、就業時間外なのでしょうか?
A: 部署として就業時間を使ってよい、というコンセンサスは事前に取れています。弊社の場合、これは、朝稽古に限った話ではなく、その他の勉強会やテックブログの執筆なども含めた話です。
朝稽古は1日あたり30分程度ですし、特に業務時間を圧迫しているというような話は聞かないです。
Q: とりあげたテーマは業務に直結する内容が多いですか?部署によって使っている技術が違ったりすると、なかなか人が集まらないということもありそうなので。
A: どちらかといえば多いかな、と思います。ただ、いまは使っていなかったとしても、「楽しく手を動かせる」のであれば好奇心をもちやすいと思っています。個人的には、その技術の背景にある思想を学べますし、食わず嫌いせずに参加してほしいと思っています。
Q: こういったハンズオン形式の勉強会をやると、参加者の開発環境のセットアップに時間がかかってしまうようなケースがあります。そのあたり何か対策されていますか?
A: できるだけセットアップの負荷が低くなるように課題を作っています。ただし、それでもトラブルが予想される場合は、地道にREADMEを整備したり、事前告知での対策をしています。ただ、限界はあるので、当日うまくいかなかった場合は、チームの復習会などでカバーしてもらっているところもあると思います。
Q: 会社の社員には、受け身の人のほうが多いですか?
A: どの程度を「受け身」とするかにもよりますが、個人的には、正直なところ、受け身の社員が過半数だと思っています。
ただ、それは所属しているコミュニティが大きいことが原因だと思います。たとえば、5人のコミュニティで過半数の3人に主体性があるというのは普通のことだと思いますが、100人のコミュニティで50人以上に主体性がある、というのはなかなか難しいですよね。
コミュニティの人数が多いということは、裾野が広いということであり、それだけ多くのものに影響を与えることができているということなので、良いことです。主体性をもつ人の比率が低いことは、それほど問題ではありません。または、もっと主体性を発揮させたいのであれば、コミュニティを分化して小さくすることで、それを発揮せざるを得ない環境を用意するのが良いと思います。
また、「受け身」は必ずしも悪いことではないです。まずは受け身でもいいからコミュニティに参加して、その次に主体性を発揮する、というステップを踏めばいいので。
あと、Developer dojoでは「手を動かす」必要があるので、少なくとも「見るだけ」「聞くだけ」という状態にはなりづらい環境になっています。
登壇を終えて
はじめて社外で登壇する経験がデブサミという大舞台になったのですが、私は昔から喋りに自信がありませんでした。このため、事前に動画を収録して提出することにしたのですが、そのおかげで楽しく余裕をもって当日に臨むことができました。
講演の内容にはとても満足しており、チャットも思った以上に盛り上がりました。
最後に、Developer dojoをこれからどのようにしていくかについてですが、私もまだ予測ができていません。しかし、参加者のニーズや期待により、自ずとコミュニティの方向性が決まっていくことでしょう。計画された偶発性理論のように、好奇心をもって新しいコミュニティの形を探っていきたいなと思っています。
登壇以前に書いた記事ですが、こちらもあわせてどうぞ。
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