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聖地と聖地のある街を見よう〜金沢ぶらり街歩き〜【蓮ノ空舞台巡礼】

 本記事は2024年3月中旬に訪れた金沢聖地巡礼、そして2023年11月上旬の金沢旅行を合わせた総合的な観光レポートになります。正直半分以上聖地以外の話をしているのでレギュレーション違反気味ですが、多くの方に知ってもらいたいので、公式のタグは着けさせていただきます。

:能登半島地震についての話題を取り扱うので、その点をご留意下さい。




まえがき

 蓮ノ空のこと好き好きクラブの皆さん、Chabo飛魚と申します。
 今回は『ラブライブと重なる観光地・金沢の魅力』と題しまして、聖地巡礼の一辺倒ではなく、純粋な観光地としてであったり、金沢の街そのものにも着目して行きたいと思います。

聖地巡礼との出会い

 私の場合、聖地巡礼との出会いはラブライブとの出会いでした。遡ること2021年の秋頃、暫く会っていなかった友人から突如こんな連絡がありました。
 
友人「コロナも落ち着いてきたし沼津に旅行行こうと思うんだけど、一緒にどう?」

私「(沼津…静岡だっけ?なんもわからんが)行く!」

友人「おK。じゃあラブライブ!サンシャイン!!のアニメ全話見てきてね」

私「は?🐱」

友人「2クールで26話だから。後映画もあるよ。主要なも聴いてきて。ついでに面白い二次創作あるから読め」

私「🙀」

 これが私のラブライブとのファーストコンタクトです。

 勿論有名なコンテンツなので存在自体は知っていましたが、アニメも曲も触れたことはありませんでした。私は早速U-NEXTの無料期間を使い、三夜漬でアニメを履修した上で沼津に連行され、友人の指揮の元かなり沢山の聖地を巡ることになりました。この時は聖地巡礼そのものも余り理解しておらず、取り敢えずモデルの場所があるんだな〜、程度に思っていましたね。

 さてそんな聖地巡礼強行軍ですが、特に観光地でもない内浦を歩き回って辟易したかと言えばそんなことはなく、

「聖地巡礼、楽しいじゃん!」

と、それなりに楽しく沼津と内浦を回ることができました。
 けれどもこれはどちらかと言えば『旅行』そのものに対してであって、久々の友人との時間や元来旅行好きな質から来るものに近かった気がします。

 そうして聖地巡礼を終え暫く経った後、ラブライブ公式がこんな書籍を発売しました。


ラブライブ!サンシャイン!! Find Our 沼津〜Aqoursのいる風景〜

これは……“買い”だ!!!!!

 風景写真や風景画が好きな上、火照ちげ先生のタッチがドンピシャに好みだった私は早速書籍版を購入し、どデカいページをペラペラと捲っていた時……私の脳に電撃が走ったのです。

あれ…?

ここって…………

この場所は…………!!!!!

聖地巡礼で行ったところだ!(進研ゼミ)


 私はこの時初めて、ラブライブ!の物語世界と現実世界のリンクを実体験したのです。

 何やら見たことのある風景……例えば何気ない海沿いの道やバス停、信号機に海でさえ、猛烈な既視感として聖地巡礼の記憶が蘇って来るという体験をしました。
 試しにアニメを見てみると、どこがどの場所か理解る、実感る、想起る!
 千歌の実家、果南のダイビングショップ、梨子が海の音を聞こうとしたあの砂浜!


春の海はクソ冷たいので生身で飛び込むのは絶対ダメ。
(2021くらい)

 ここまでくればもう話は早いですね。現実世界→物語世界→現実世界→……と無限ループを構築することこそが聖地巡礼なのだと、私ははっきりと“理解らせ”られました。
 生憎予定が合わずこれ以降沼津には足を運べていないのですが、最近も虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の舞台であるお台場近辺等を歩いたりと、聖地巡礼自体は何度か行っております。

しかしながら、何故『今』金沢なのか?

 当然リリース当初からドハマリした蓮ノ空の舞台である金沢にも興味が沸かないわけがなく、私が金沢を訪れるのは極自然だったと言えるでしょう。

 けれども実は私、既に一度蓮ノ空の聖地巡礼には訪れていました。2023年11月に和倉温泉〜金沢を合わせて二泊三日とそこそこしっかり巡っていたのです。その時は聖地と呼ばれる場所、金沢駅や卯辰山、近江町市場に金沢城兼六園は勿論、レンタカーを借りてアピナ野々市バッティングセンターや県民スポレクプラザ、果ては徳光海岸まで足を運んでいました。

秋葉原にも金沢ゲーマーズにもアクスタ売って無かった…
徳光海岸(2023/11)

 
 では何故たった四ヶ月という短いスパンで再び金沢を訪れようと思っていたのか……それは他でもなく、能登半島地震の存在がありました。
 正月は関東の実家で親戚と集まっていたのですが、突然かなりの揺れが食卓を襲いテレビをつけると、そこに映っていたのは輪島辺りの海岸に津波が押し寄せる光景でした。
 金槌で殴られたような衝撃でした。つい先々月行ったばかりの石川県が、余りにも唐突な地震で破壊されていくのです。最初の金沢聖地巡礼にて、同行していた友人が七尾の史跡や寺社を巡りたいと言うことで和倉温泉に一泊していたのも拍車をかけていました。一体私が訪れて、歩き、寝たあの場所はどうなっているのだろう……本当に不安で仕方ありませんでした。
 そうして金沢はどうなっているのか?震災とは、果たしてどこまで我々の平和を脅かす存在なのか?それを我が身で体感すべく、私は再びの金沢訪問を決めることとなりました。

和倉温泉近辺について


 前述のとおり、和倉温泉にも一泊しており周辺の様々なスポットを観光させていただいた記憶は、私の中でも貴重なものとなっています。
 けれども、能登半島地震の影響は皆さんご存知の通り。現状能登半島は壊滅的な被害を負い、観光地としての回復は当分先になってしまうと思われます。地元の方も温かくて、観光地として純粋にまた訪れたいと思っていたので残念な気持でいっぱいです。
 私のPCにしまっておくのはもったいないので、これを期に七尾や和倉温泉の写真を少しだけ挙げさせていただきます。ラブライバーの皆さんにも能登半島に興味を持っていただけると、一観光客としてとても嬉しいです。
 一日でも早い復興をお祈りしています。

 なお、下記の殆どが現在休業中です。いつか復興したら、是非行ってみて下さい。

眩輝夜行バスの疲労を癒やしてくれた和倉温泉・総湯
これと全く同じ画角でアスファルトが完全に壊れた写真をXで見て背筋が凍りました。
最近営業再開したみたいで良かったです。
温泉卵が作れる湯元の広場。和倉の源泉は海から湧いているので結構しょっぱく、温泉水の塩気で温泉卵を食べられるのは和倉特有ではないでしょうか。めちゃめちゃ旨かったです。
酒が呑める呑めるぞ〜酒が呑めるぞ〜
田鶴浜近くの踏切。ラブライブかと思ったら花咲くいろはだと思ったら
君は放課後インソムニアでした。
こっちが花咲くいろは。聖地も近く、
たまたま寄った和菓子屋の店主に話を聞いたところ住民の方も聖地巡礼オタクを認識しているようで、お陰で活気ついていると教えてくださいました。
マンマル!?りんかるくん!?
七尾にある東嶺寺さん。
とてつもなく貴重な文化財で、
能登の歴史を知るに重要な、厳かで趣のあるお寺です。
中を見せていただけないかとお願いしたところ快く許可してくださっただけでなく、ご住職にとても丁寧に解説していただきました。歴史に疎い私でも楽しく拝観できました。
和倉温泉の超絶映えスポット、青林寺さん。
机の反射により幻想的なショットが撮れます。
大正天皇が2時間休むためだけに作られた超豪華客殿です。今造ったら炎上しそう……
案内してくれたお母さんが話し上手で、なんと1時間弱も話し込んでました。曹洞宗トークで大盛り上がりでした。
和倉の「なまこや 海ごちそう」さんのいしる鍋。激ウマ。
海鼠の刺身やくちこ等、珍味が沢山で美味しかったです。
日本酒「奥能登」がメッチャ旨かった。ちなみに酒蔵の名前は「内浦酒造」さんらしいです。サンシャイン!?
早朝の和倉温泉駅
ソシャゲの背景スチルっぽく撮れたのでお気に入りです。


 「お前ラブライブのタイトルで釣っておいて、蓮ノ空要素ねぇじゃねぇか!」

 と思うかもしれませんが、(震災を抜きにしても)私はこのような「聖地以外の場所や人との出会い」もまた聖地巡礼の楽しみの一つだと考えています。特に金沢は元々一大観光地であり、蓮ノ空に登場しない観光地も沢山あります。わざわざ遠くから来ているのにそこを素通りしてしまうのは些か勿体無いのではないか、そこからどんどん金沢の街、石川の地を知っていく総合的な視点こそ、逆説的にラブライブ!世界を深く理解する道なのではないか?と言うのが私の主張であり、これが翻って本記事のタイトル「聖地と聖地のある街を見よう」に帰って来るのです。
 蓮ノ空というコンテンツが始まってまだ一年余りですが、非常に多くの聖地が開拓されたと感じております。しかし同時に未だラブライブ世界に登場していない、けれども見るべき名所は沢山あるはずです。

 というわけで今回はゆるゆる聖地巡礼者の私の視点から、聖地の隣にある、聖地じゃないけど聖地になるかもしれない素敵な場所も含めて金沢旅行の一案をお伝えできればと考えております。
 記事の構成的に震災前の11月に訪れた場所と今年3月に訪れた場所が混じる上時系列・地形列ともにバラバラにはなりますことをご了承ください。
 基本的に記載がない写真は2024/3のもので、記事内では2023/11を『去年』『前回』2024/3を『今回』と略称します。

金沢

卯辰山見晴台

 皆大好きキービジュアルの舞台。行かなきゃ始まらん場所とも言えます。行くと必ずオタクと接敵するのが面白い。
 ベンチや解説板を軸として山裾の木々と金沢の街並み、遠くには山と大きな空が見える非常に印象的ですね。
 少し離れた場所なので移動にも時間がかかる都合も相まり、季節や天気、時刻によって様々な様相を見せる飽きることのない景色です。良く同人誌の表紙や有志イベントのフライヤーでは見晴台の写真が使われていますが、その時々によって変わる景色を比較してみるのも面白いと思います。

2023/11の卯辰山。夕刻の曇天模様なので少し暗め。
2024/3の卯辰山。3時頃なので結構明るめ、雲の影が綺麗。
オタクは必ず花帆のポーズをとる(断言)

卯辰山の山中

 少し遠い卯辰山ですが、移動手段によってまた違った楽しみがあります。去年はレンタカーでうねる山路を登りましたが、今回はひがし茶屋街から歩いて登頂しました。道中には芭蕉園や卯辰山三神社、泉鏡花の句碑眺望台など見所もあるので是非ゆっくりと楽しんでみて下さい。
 また、レンタサイクルでイニシャルDの如く爆速でダウンヒルをするオタクを発見したので、次回は自転車を使っても良いかもしれません。金沢市内は「まちのり」をはじめとしてレンタサイクルサービスが充実していて移動に困りにくいのが良いですね。


卯辰山公園案内図。
結構そこらへんに駐車場とトイレがあるのは有り難い。
蓮ノ空女学院はどこ…?
山中にある芭蕉園。4月は桜、5月は芭蕉、
6月には道沿いの紫陽花が咲きそうなので、
春辺りは観光チャンスかもしれません。(3月下旬に再び訪れると、芭蕉の苗が植えてありました。)
卯辰山を開拓するに辺り建立された愛宕神社、豊国神社、卯辰山天満宮の三社(二枚目中央が卯辰山天満宮)。厳かな雰囲気があるので、もしかしたらカード背景とかになりそう…?
眺望の丘。見晴台とは反対に金沢駅や近江町市場等
日本海方面を見晴るかす、見所のあり一望です。
卯辰山公園バス停(見晴台最寄り)
地味に最近ダイヤさんが変わったみたいなので、乗る際はご注意を。


ひがし茶屋街 

 ひがし茶屋街も度々聖地になっていますね。ジェネリック京都の街並みはやはり映えるのでしょう。
 ただ、心做しか去年よりも観光客が減っているような気がしました。特に日本人観光客がかなり少なく、ひがし茶屋街だけでなく金沢城や兼六園等も含め、外国人観光客の割合が多かったような気がします。 
 個人的に本通りよりも浅野川側にある織物屋さんの店主が親切で良かったですし、金沢を代表する作家・徳田秋聲記念館は見所十分なのでおすすめです。

小泉屋だよ……もえか……
(2023/11)

  小泉屋は三船栞子役・小泉萌香さんの1st写真集「きみやすみ」の聖地です。超かわいい。お店はベルや風鈴といった音の出る金属鋳造加工工芸品を扱っており、非常に素敵なお店です。ただ、芸術品のように緻密な品のためかなり高価で、オタクには手が届きませんでした……

 金沢は京都等の都市とも交流の歴史があり、文化や技術が行き来することや加賀藩前田家が芸術文化を推奨していたことからこういった芸術文化、工芸技術が非常に発展しています。金箔や加賀友禅は勿論、九谷に水引、加賀繍etc……泉鏡花の小説「義血侠血」にも登場する水芸等の見世物商売や、管叶和さん十八番のお茶文化なども有名ですね。
 更には海路がある点や、加賀百万石なので金があり、技術を育てるのに十分な環境があったのも要因に思われます(素人考察)。

大正浪漫喫茶 金魚庵

 かなり混む上ランチは限りがあるのでお早めに。

 厳密には聖地ではないけど何故かほぼ聖地扱いされている謎の喫茶店。大正浪漫の名を冠しているだけあって、店内は絨毯や卓上洋燈、蓄音機があり、店員の方もモダンな和洋服?を着ているので非常に雰囲気があります。更には黒電話を現役で使っていたのはびっくりしました。私も子供の頃に祖父母の家で使った記憶があるのですが、現代の、しかも観光客に向けた店で使われているのは驚きです。大変そう…
 私は今回昼食をグリルオーツカで食べた上で3時頃の珈琲をこちらでいただこうかな、と思っていたのですが、グリルオーツカがまさかの休店。急遽ひがし茶屋街に急行し飛び込んだのですが、ランチが売り切れるギリギリで入ることができました。

 今回私が頼んだのはハントンライスと冷コーのセット、デザートに自家製プティングです。昔ならではのライスカレーもあるのですが、生憎売り切れていました。
 ハントンライスは半熟卵に白身魚のフライとタルタルソースが絡み、とても美味でした。同じくハントンライスが有名なグリルオーツカと比較すると、こちらのほうが味や量が軽めだった気がします。食の細い方や女性の方にもおすすめです。
 プティングは昔ながらの卵濃いめ、食感硬め、カラメル苦め。上に乗ったサクランボが甘さとちょっぴり酸っぱさと、良いアクセントになっているのもポイント。

フライの油も軽め。後ポテサラがドチャクソに旨い
四捨五入してハクチューアラモード


浅野川〜泉鏡花記念館

 この辺りは金沢三文豪の一人、泉鏡花の聖地でもあります。ひがし茶屋街から浅野川の対岸、下新街には泉鏡花記念館があり、鏡花の解説や家の模型、活弁付きの作品のジオラマ等もある非常に見応えのある資料館となっております。泉鏡花の作品はどれも素晴らしく、人間の心理と悲哀をこれでもかと描いた「義血侠血」や生々しい表現の光る怪奇譚「高野聖」当時の世情に相対する愛を描いた「外科室」等は本当におすすめです。
 青空文庫で無料で読める!……のですが、泉鏡花は文語体(昔のクッソ読みにくい表現)なので初見はかなり厳しいです。
 そこで現代語訳した文章を載せているサイトもありますし、「義血侠血」は映画(「瀧の白糸」と改題しています)、「高野聖」は子供向けのアニメやドラマ等の映像になっているのでそこから見てみると良いかもしれません。高野聖のアニメは子供向け昔話のタッチなのですが、大量の蛭が降ってくるシーンや不気味な雰囲気等、生々しさはそのままなので大人が見てもかなり面白いと思います。

 泉鏡花記念館から浅野川にかけて、作品の聖地である梅ノ橋や「義血侠血」の主人公・瀧の白糸像等見所はたくさん。小説という媒体ではありますが、蓮ノ空と同様現実世界とのリンクを感じますね。

「義血侠血」にて主人公の水芸太夫・瀧の白糸と車夫の村越欣也が再会した聖地。
私は映画「滝の白糸」で欣さんが野宿していたポーズや瀧の白糸が手摺によりかかるポーズを
真似て一人で撮影していました。何のオタクもやることは同じ
浅野川大橋の向こうにある中の橋は「化鳥」や「照葉狂言」の舞台でもあります。(2023/11)

金沢蓄音機館

 比較的新しい聖地です。シャッフルユニット「蓮ノ休日」の楽曲カード、[Pleasure Feather]乙宗梢に登場する蓄音機がずらりと並んだ場所はここです。
 蓄音機館では毎日11時/14時/16時に蓄音機の演奏会を行っています。筆者は今回それを知らなかったのですが、たまたま13:58に入館したので丁度機会に恵まれました。
 エジソンが最初に発明した蓄音機からラップ部分に電話帳を使った超巨大なものまで様々で、構造によってかなり音が変わるのも面白かったです。
 館長さんに質問したところとても丁寧に対応していただいただけでなく、更に詳しく解説しながらご一緒に回ってくださいました。雰囲気や聖地感を楽しむのも良いですが、純粋に蓄音機の教養を得るのも素敵な体験です。家に何故かレコードだけ大量にあるのでプレーヤーが欲しい

 補足)私が訪れた後ですが、蓄音機館さんが蓮を認知してくださっていたようですね。公式をチェック!

こずさやデート好き。OLっぽい
実はここでずらりと並んだ蓄音機を演奏してくれます。
どれがお気に入りか聴き比べてみてください。
梢センパイのアイコンそのまま。


加賀の薫香 香屋

 せーので、はすのそら!#31にて、スリーズブーケのキャストのお二人が香道体験をしたお店がこちらになります。
 入るとすぐに会うリーズブーケのスペースが!匂袋ワークショップは2名からなのですが、(匂いは違いますが)同じ柄の既製品があるのでソロオタクにも優しい。簡単に花宮初奈になれます。

 売り場の隣のスペースにはキャストのサインとそれぞれの制作した匂袋と同デザインのものがあります。上記の蓮スペースやサイン、ワークショップの部屋などの撮影も快く了承してくださいました。

左手前のは私制作の匂袋です。

 白檀、茴香(八角)、丁子(クローブ)、桂皮(シナモン)、基本香(龍脳樹)をまぜまぜして自分好みの香りに仕上げます。私はスーツの胸ポケットに忍ばせて、手帳やペン等を取り出すときにふわりと香って落ち着いたらいいなと思い甘めな雰囲気にすることにしました。桂皮を軸に茴香の甘さと若干丁子の苦みをブレンド。防虫や補助のために白檀と基本香をほんの少し、といった感じです。
 作業していると鼻がマヒしてきますが、先生にアドバイスをもらったり細かく解説してくれたりと至れり尽くせりなので、お香初心者でも困ることはありません。

茴様…!

 体験を担当している先生は蓮にも詳しく、せーはすの時の話金沢観光の予定も交えて楽しくお話しできました。その中でも地震の影響のせいで大変な思いをし、観光客の減少など打撃を受けていたので、蓮ノ空のファンには感謝しているということや、(震災含め)話を聞いてくれるのはとても嬉しい、ということをお伺いできました。

 そして、合わせて一時間以上話し込んでしまったお詫びと感謝も含め、ひとつお線香を購入。微煙香なので煙臭さがなく、落ち着いた雰囲気でした。試食ならぬ試香ということで二種類ほど焚いていただいた上で選んだこともあり、非常に気に入っています。
 写真の香立は元々家にあったものなので汚ったないですが、金沢は九谷を扱うお店がたくさんありますし、勿論香屋さんにも香立や香皿は売っているので、セットで購入するのをおすすめします。

後日自宅撮影。落ち着きます

補足)その後再びこちらを尋ねたところ、なんと売り場担当の女将さんが私のことを覚えていてくださいました!体験の先生はあいにくお昼休憩だったので会えませんでしたが、覚えてくださっていたようで非常にうれしかったです。巡礼オタクのツボを突いてくる…!

二度目来店時購入した沈香・夢鏡花。
小さいボトルに入っていて値段も安いので初購入にお勧めです。
因みに同じ沈でもブランドによって全く匂いが違うのだとか。

番外編・金沢駅西口~健民海浜公園

 旅行最終日の予定を全く立てておらず、聖地は一通り行きつくしたのでどうしようか迷った私は唐突にが見たくなり、西口方面から海岸へ行くことを思いつきました。どうせ今後も何回か訪れるので、たまには自由に時間をつぶすのも良いかな、と思い立ったが吉日、特に何があるのかも知らぬまま私は最終目的地を「金沢の上の方の海岸」に決めたのです。

 しかし、ここで私は致命的なミスを犯しました。

「グーグルマップ見た感じ30分くらいでいけそうだし、せっかくだからチャリで行ってみよう!」

 海無し街に住んでいる私は完璧に海風の存在を忘れていたのです。国道60号をそのまま上がっていこうとする私に、とんでもなく強い向かい風が襲い掛かりました。加えて「まちのり」のレンタサイクルは小型化のため車輪が小さく、絶対徒歩の方が速度出てるだろと何度も思いながら、返却場所やコンビニを経由し、そこからさらに徒歩で合計1時間半ほどかけて大野港らへんにたどり着きました。

見えているのがおおの大橋……だと思います。多分

 昔から海の人間だったので単純に漁港風景も大好きなのですが、どうせならもう少し海に近づきたいな~、海沿いつたえば行けるだろ~と考えた私は楽観的に金石海岸に沿って歩き始めます。

こんな感じの道を一時間くらい
ジェネリック聖地

 結局金石海岸は工事中で、そのまま普正寺橋を渡って健民海浜公園へ。プールやBBQ広場もあるらしく、夏場は金沢市民で賑わう様子が想像できますね。徳光海岸(遠すぎ)ではないですが、夏場にはスクールアイドルクラブの面々も来てるのかな、なんて妄想も膨らみます(申し訳程度の蓮ノ空要素)。

テトラポットのおかげで波は小さいですが風は強く、海の音が聞こえます。
美味過ぎる

 実はこの時点で迷ったり砂浜を歩いたりと、金沢駅からチャリと徒歩合計で5時間ほど移動し続けています。私は壮大に広がる日本海と雪を冠して聳え立つ医王山や両白山地に挟まれながら、すべてを包み込む自然の偉大さと、ここから同駅に帰るべきかを逡巡していました。
 当時刻がだいたい15時。ここから帰るにしてもだいぶ時間を食いますし、周りにバス停もない。更に私の体力は限界に達しています。途方に暮れてグーグルマップを見ていると……


「テルメ金沢、あるやん!!!!!(徒歩50分)」


疲労困憊銭湯サウナビール飯日本酒〆蕎麦最高~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~😁😁😁😁😁😁😁👍👍👍👍👍👍



 駅に戻ったのが八時半だったので、最後に寄ろうと思っていたゲーマーズも駅中の土産屋もほぼ閉まってました。泣き


あとがき


 大げさな表題の上でいろいろと自由に書かせていただきましたが、つまるところ本記事で紹介した場所はすべて、私が楽しかった場所です。金沢の風景や街並みは素晴らしいですし、金魚庵に泉鏡花記念館、蓄音機館、香屋など寄らせていただいたお店の方々全てが優しく接してくださいました。他にも金沢城や兼六園に近江町に、今回はいけませんでしたが健民スポレクプラザなども非常に素敵な場所です。(先日のアメトークでもやってましたが、金沢の人は何故かめちゃくちゃに優しいので涙腺に来ます)
 そして、七尾や和倉温泉での体験もまた、半年経った今でも私の中で褪せることなく大切な記憶であり続けています。蓮ノ空をきっかけにこうした出会いに恵まれたことは大変嬉しく感じていますし、だからこそ蓮ノ空のことが更に好き好きになっているとも感じています。
 皆さんも蓮ノ空スクールアイドルクラブの軌跡を追いながら、時に旅行雑誌に委ねたり、時に自分の自由に、金沢を巡っていただけると幸いです。
 行ったことあるよ報告やその他おすすめなどもお待ちしています。

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