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チェーン居酒屋では…

先日、久しぶりに居酒屋に行きました。
私は基本的に居酒屋には滅多に行きません。
ましてや大手チェーンの店舗などには、行かないと決めてはいませんが自ら行くことはまずないです。
先日は、友人との成り行きで自宅最寄り駅のその居酒屋に行ってしまいました。

結果はもちろん案の定で、その手の店屋にサービスや料理の云々を求めてもしかたないですね。
およそ接客の基本もできていないアルバイトスタッフ数人と、おそらく唯一の社員である一人の店長でオペレーションするスタイルのこの類のチェーン居酒屋。
訪れたのが開店直後の時間であった為か、店頭には誰もいません。

しばし入り口に立つのですが、スタッフが出てくる様子もありません。
友人がセンサーに気付き、その前を横切るように身体で遮ると「いらっしゃいませ!」と馬鹿でかいコンピュータの音声が流れました。
その音にようやく反応したかのように、奥からスタッフが出てきました。
もう来たのか、という風情で席に案内もどきをするのです。
やれやれと思いますが、友人と一緒の手前もあり仕方なく着席しました。

友人が飲み放題プランに興味を示していたので、スタッフが説明するのですがその声がぼそぼそと小声で何を言ってるのかさっぱり分かりません。
歯痒い思いをしながらもオーダーをし、ドリンクが来たところでフードもオーダーします。
ホールには常に誰もいないのです。
用があるときはテーブルに備え付けのコールボタンを押す仕掛けです。
サービススタッフが客の視野の範囲で待機をするということは、この店のスタイルではないようですね。

そうこうしているうちに、隣のテーブルに新規客が入店してきました。
学生たちです。
このあたりは大学が数校あるので、この類の店の主力客層は学生ということです。
客も学生ならスタッフも学生アルバイト。
ようするにすべてがお遊びなのでしょう。
と、些か暗澹たる気持ちで飲んでいたのですが、やがて隣のテーブルの学生達がオーダーするのを見ていてあることに気がつきました。

彼らは、オーダーをするときに店のスタッフを見ないのです。
相手の顔を見ません。
そしてそのオーダーも、メニューの単語を発するだけ。
「生ビールふたつ、酎ハイひとつ、唐揚げとミックスピザ」などの注文の仕方。
商品名の単語と数量を言うだけ。

まあ、同じ学生のアルバイトスタッフに「 …お願いします」とまで言わなくてもいいのでしょうが、これほどまでにコミニュケーションがないのかと思ったのです。
コールボタンで係を呼び、オーダーを告げる。
そのオーダーの仕方も、タブレットのメニューをタッチするような調子。
単語を発するだけ。
そこには人間同士としての会話はありません。
機械にものを言ってるのではないのですから…

こんな客達を相手にしていては、サービスのレベルアップどころか士気も上がらないだろうと納得がいったものです。
店のスタッフもスタッフなら、客も客ということですね。
客なら客らしくマナーを弁えてなどは、こんな店屋では必要ないのです。

現代の若者のコミュニケーション不足というか、ネットなどでの顔の見えない相手との意思疎通を得意とする彼らには、生身の対人でも機械を相手にしているのと同じことらしいです。
人間同士としての顔を合わせてのコミュニケーションができないのでしょうか。
自分たちの仲間内ではその共通語(仲間言葉)でさかんに意思疎通するのですが、他人とは常識的な会話ができない。

ひとつ、居酒屋でヒューマン科学の勉強ができました!? 
あな恐ろしや、現代の若者…

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