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貸切営業の疑問

飲食店に社会的使命などあるのかというと、一旦ひとつの店として営業を開始した以上、告知営業日には店を開けるということが最低限ひとつの使命なのではないかと思うのです。
なにを当たり前のことをではなく、実際むやみに臨時休業する店があるから閉口します。

もちろん、オーナーシェフが一人でやっているような零細な店舗では、シェフだって生身の人間でありますからたまには体調を崩すこともあるでしょう。
風邪も引けば、熱を出すことだってあるでしょう。
 
ここでいうのは、そういう止むに止まれぬ事情で店を閉めるのではなく、例えば極端な場合として自分たちのレクリエーションや余暇のために臨時休業するなどのことなのです。
その他、何らかの理由をつけてやたら休業すること。

ひとつ店舗の営業を趣味でやってもらっては困るのであって、場合によっては怒りさえ催すこともあります。
やりたいときだけ営業をする、そんな気楽なスタンスで長続きするはずもないでしょう。
告知している定休日以外は常に営業している。
この当たり前を最低限維持して欲しいだけのことです。

もうひとつは、貸し切り営業。
中小の店舗では、この貸しきり営業は短時間で大きな収入の上がる魅力的な商売でありますからつい受注してしまうようです。
団体を入れるということだけでなく、その店舗に当日は一般客をまったく入店できない状態にすることでなのですから、レストランとしての使命をそれこそ果たしていないと言われてもしかたあるまいと思います。

ある日に偶然満席で入店できないのとは、まったく意味が違うからです。
店舗がその日のスタート時点から、一般客の入店を自ら制限してしまうのです。

飲食店は非常にリスキーな商売です。
日々変動する売り上げの中で一定の利益を確保しなければなりません。
そのなかで、数日分の売り上げがわずか数時間で確保できるこの貸切営業は、魅力的なものであることは理解できます。
しかし、これも度々に繰り返されてはやがて顧客は離れてゆくのではないでしょうか。

これらのことはいずれも予約をして出向けばなんら問題はないのでしょう。
しかし、デイリーユースのお気に入り店へ行くときその都度予約をするのものでしょうか。
ふらりと訪れるのが一般的だと思います。
そこで店舗の前まで来ていわば入店拒否される格好になるのは非常に気分が悪いものです。

高級店や非日常を演出するお店には、多くの場合予約をしてから出かけるでしょうが、日常使いのお店でふらりと訪れたい場合、このむやみな臨時休業と貸し切りはとても気分を害するものです。
このどちらかに出くわした場合、私はその店には二度と行かないことにしています。

顧客のリピートを期待するのが各店舗の願いなのであれば、その顧客の方にもいつ行っても受け入れてもらえるのだという期待があります。
その期待を裏切るのが貸切営業です。

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