"相応しい"作品への向き合い方 【上書き/うわがきを経て】
人生急行定期
まえがき
うわがきに関連する概念として一つ、前々から言われてたことが挙げられると思うんです。
単に考察をするのではなく、
「なぜいよわさんがそれを描いたのか」の追求。
一般的にボカロ界隈で使われる「考察」とはまるっきり別の領域、というか本来必要ないどころか、もし作者がそれを前提として曲を書いたら『自我出しすぎ』と批判されてもおかしくない分野です。
しかしいよわ界隈では、それが重視されているように感じます。棲み分けはされているようですが…
やっぱり「詮索」と呼ぶしかないんでしょうか?
例えば上書きに出てくる「技術」。宝くじの結果も災害の予言も全てなかったことにされてしまうと描写されていますが、詳しい仕組みがどうとか、何時を境にリセットされるのかとかは視聴者の解釈に委ねられています。しかしそこには作者の思い描く正解があるはずです。そこで役立つのが、"詮索"という訳です。
考察をする上でそうした詮索による知識が必要であり、目的自体も詮索である。いよわ界隈の特殊性というか、キモさがここに詰まっているのかもしれないと、私は推測しました。合ってるかは知らん今回の議題は、「なぜYoutube Music Weekendという大きなイベントに上書き/うわがきを提出したのか」です。
考察パート1
じゃあ考察しましょうか!!!
とりあえず上書きの文面とうわがきの歌詞を載せておきます。
あっそうだ(唐突)一応ですが本noteでは
こっち↓の方を『上書き』、
こっち↓の方を『♪うわがき』と呼びます。
まず上書き
次に♪うわがき
まず、今回は上書きで顛末が書かれているので大意を捉えるだけなら難しくはないです。というかそれすら難しい地球の裏とかの方が異常なのでは
自分は考察苦手なのでたすかる〜〜〜〜〜〜
上書きの大まかなストーリーは
過去を少しだけ変えられる技術を使い、女性が『過去の自分の脳内を今の自分に置き換える』ことで、別れの挨拶も言えないままおそらく交通事故で死別(一周目)してしまった男性に会いに行く(二周目)。
しかし感極まって、男性が事故の原因であるバスに乗るのを止めようとしてしまう。が、結局男性を乗せたバスは行ってしまった。
こんな感じでしょうか?
タイムリープものによくある矛盾の解消、もしくは"制限"の中で物語を描くこと、これを見事なまでに成功させているんですよね。やっぱバケモンだよこの人……………
これさえあれば♪うわがきの歌詞は自ずと理解できてくるはずです。
ここの処理ですが、単純に韻を踏んでるだけなので全てに意味を求める必要はないと思います。押韻のうち片方は純度が高い、片方は低いってだけの事です。
それは考察を楽にするわけではなく、もちろんどちらの方が純度の高い歌詞かを見極める必要があります。全体の文脈をふまえて吟味しなければならないため、すこし困難です。
例えば今回の場合、私には脳・記憶より今日・昨日の方が物語上大きな意味を持つように感じました。脳の話はすでに上書きでされているので…
差異⇔愛は…迷いますが差異の方ですかね?差異をsighとかsightって捉えるなら変わってくるかもしれませんが。でも形が綺麗なのはこっちなんだよなあ…
残りの1組に関しては押韻がされていないので、両方を考える必要があります。
結果的にここは後半部分だけ考えれば良いわけです。
「〜して」に『!』が付くか『、』が付くかでもだいぶ変わってくるとは思いますが、まあ『、』としてこの結果をまとめると、
これは上書き技術を使う瞬間および使っている最中を描いています。まず前半2行はただ上書き技術により消されたものを羅列しているだけです(「後悔」もこれに含みます)。
後述しますが、私は上書き/♪うわがきについてただのタイムリープではなく、それどころか登場人物の女性は一度も時空の移動を経験していないと思っています。つまり女性の想像なんですね。
それを踏まえると「今日」は今のこと、「昨日」は過去……上書きにおける『きみ』を亡くしたあの日、そして「差異」はこれら2つの間というわけです。それらを全てうわがきするんです。
ここどうしましょう????
火傷の後(痕)の水膨れのように、むやみに触ると膿んでしまうつらい過去の記憶に針を刺す、つまり慰めにもならない夢に縋っているそんなラストジャーニー もしくは自傷行為
ここまではまあいいとしても最後の3行………なにこれ????
開くのに厚すぎることある???億劫になったのか…
加水分解はまだいいですよ、塩とエステルと二糖類の3つあるらしいけど実際は「劣化した」って認識でいいんでしょうから
理科の教科書の裏表紙って何???????周期表のこと?いやあれ表紙裏とか裏表紙裏か そもそも化学でも物理でもなく「理科」だし
マジでなんなんだ 誰かーーーーーーー!!!!!
いよわさんの思考の話
ここをちゃんと話しておいた方が後々わかりやすいと思ったので…
数々の福音……インタビューやら、過去のツイートやら、ツイキャスやら。あれらから察せることのうちの一つとして、いよわさんは好きなものを好きなタイミングで制作・投下していることがあります。
ある意味適当に。よって脚そ考は確かに存在し得ます。
例えば1000年生きてるやさよならジャックポットにはいよわさん自身の考え・向き合い方がかなり込められていますし、
キャラデザは割と感覚で決めてますし(大女優さん)
誤字もそこそこありますし
(人間だから仕方ないとはいえさすがに多くね?)
それがあの人の理想であるから、今も受け入れられているのだと思います。
ところで、私の好きなとあるソシャゲはノベルゲームの側面を持っているせいで「もっと細部までこだわって、読みやすい文章とか齟齬がないストーリーになるよう突き詰めるべき」と批判されていたのに対し、音楽やMVは細部を描かないままで正解なのです。それは蛇足に過ぎません。
ストーリーが鮮明に感じられたとしても、それはそもそもの描ける上限が低く相対的に鮮明に見えているだけ、もっと言うと考察者が勝手に自分なりの言葉を付け加えているだけで、実際の音楽・MVは曖昧なままです。
まとめると、MVで描かれる(=考察される)ストーリーは往々にして不鮮明であり、いよわさんも例外でなく、さらにひとつの作品にこだわりすぎる(細部まて鮮明に描く)ことはなく、且つ遺すことだけを指針に曲を出し続けている。そして、
いよわさんが描いた曖昧なストーリーを批評するよりも、裏に潜む人間性を追求した方が面白い…
…場合がほとんどである、ということです。
考察パート2
冒頭で言った通り私の目的は"詮索"であるため、ストーリーの解明自体は曖昧なままでいいのです。細部までこだわるような考察はほかの人たちがもうやってるでしょう(ほんとにすごい)
(今は便宜上"詮索"と呼んでいますが、そのうちちゃんとした名前が付いたらいいね じゃあもっと見られるような文章を書くべきだった)
(「作家論」とか「ネトスト的考察」とか…「概観」みたいな方向性でも良いですね)
そういや上書きで流れてる4曲の話をしていませんでした。水死体にもどらないで・IMAWANOKIWA・きゅうくらりん・熱異常……………
ここまで自我を出しているのであれば、確実にいよわさん自身の考えも考察する必要があります。
じゃなきゃ他3曲はまだしも熱異常は出しません。足立レイ(熱異常)ですよ????
あと花隈千冬 ≒ 大女優さんってのもあります。
大まかなストーリーは先ほど書いた通りです。再掲しておきます。
で、上書き技術の元ネタってなんだと思いますか?
いよわさんの作品では時おりファンタジーが描かれますが、その殆どは所与の概念から生み出された解釈を描いているに過ぎません。
形見(ギター)を遺して死別した友人、イマジナリーフレンドとの別れ、ゾンビに支配された世界、無限ループ……思えばいよわさんの作品で描かれる世界はよくあるものばかりです。
では上書き/♪うわがきはどうか?
「タイムリープ」という点ではこれもありきたりな設定ですが、この作品の特殊性は『過去に戻れる方法』そのものにあります。
過去に戻るために、過去の自分の思考をうわがきするなんて設定他作品で見ましたか?探せば存在しそうではありますが…………
よって上書き技術とはいよわさんが必死こいて考えた完全オリジナルの設定……ではない。
私の解釈では、上書き技術は現実で再現することがそこそこ可能であり、実のところ元になっているのはやはり既製の概念です。それに伴い、上書き/♪うわがきもフィクションなどではありません。
その既製の概念=元ネタとは何か?
あって欲しかった世界線を創作(想像 / 幻覚)として描くことにより、視聴者(本人も含む)が追体験できるようにする手法のことです。
(ただこの解釈には問題があり、それは上書きで書かれてる内容が詳しすぎることです。ピアノの話とか、「涼しいね。」とか。)
苦悩のアーカイブ
「何が起こったか」より「そこから何を学ぶか」の方が大事ってのは今後も言い続けていきたい概念ですが、
誰かの創造物でそれをやるなら"寓意"を理解したいんですよね。そしてそのためには詮索が重要。
NIGHT HIKE京都のセトリや、何より花蟷螂からもいよわさんにおけるブルーアーカイブの存在が大きいのは自明ですが、最近対策委員会編3章が更新されましたね…ふた月前だけど
あれって、どういう話でした????
ネタバレだし対策委員会編3章はちゃんと読んで欲しいのでここでは書きません いよわのためにブルアカを始めた人だけが石を投げなさい(いよわ教思想)
詮索パート
⚠️注意⚠️ 必読!!!!!!!!
・ここから先は、いよわさんの行動理由の推測が主な内容になります。
・あくまで推測です。これらが事実として存在することは未来永劫無いでしょう。それどころかかなり信憑性に欠けるものです。くれぐれも、鵜呑みにはしないでください。
・考察ではありません。これは考察とは分けられるべきです。
・なぜ書くのかと言うと、それがたとえ虚偽であっても、ある種の美しさを持つことに変わりは無いからです。
よろしくお願いします。
なぜ上書き/♪うわがきはYoutube Music Weekendに相応しいとされたのか?
火傷の後の水膨れ
単刀直入に言うと、昔からさながら陰謀論のように「いよわさんは大切な人・物を亡くしている」というとんでもない説が蔓延していました。(発案者私じゃないです、信じたくないよこんなもの)
それは友人や家族、案外ペットとかかもしれませんし、大切な宝物とか、イマジナリーフレンドの可能性もあります…と言っておきます。
原因および死因も、水難事故だったり、遭難だったり、他殺だったり。単純に忘れられたとか、決別したとか、色々考えられます。
あと、交通事故。
実はこれで遥かに簡単に説明がつく曲や概念も多く、さらにいよわさんの人柄や考え方(1000年生きてるに象徴される)が素晴らしかったことも相まって、いよわさんの人生…生き様は一つの美しい物語として浸透してきました。
ただし根拠になっているものがあの悪名高い落涙読みであり、正直信じたくありません(個人の感想)。でもなあ………それを証明するかのようにいよわ曲は死ネタがかなり多めですから
上書き/♪うわがき、この系列な気がしてなりません。嫌いな人には本っっっ当に申し訳ない!!でもこれしかないとは思いませんか…
詳しく言うと
上書き/♪うわがきに出てくる女性(以降Aと呼称)
→いよわさん
上書きで音楽を聴いている男性(以降Bと呼称)
→亡くした人(同上)
という投影の仕方をしています。
あなたの温もりと暫しの幻よ
「水死体にもどらないで」を例に挙げましょう。
登場人物は男性と"君"。何らかのきっかけで"君"が溺死、親しい間柄にあった男性はその死を悔やむあまり"君"が人魚になって現れる幻覚を見る。
しかし男性自身もそれが幻覚とは分かっているようで、「もういないんだ」と自らを説得する。精神的に参っていた男性が選んだ道は、自らも海に飛び込んで後追い自殺するというものだった……………
これ実話が元になってたらどうします?????
……そういう考え方もできちゃうんです、なぜならいよわさんは有名Pというよりはとてつもない信頼の置かれ方をしている超絶人気ボカロPですから。かつ多忙でもあります。
美しい物語をいよわさんに投影したところで結局美しいままだから受け入れられちゃいますし、いよわさんはわざわざ否定するほど暇ではないんです。
(この考え方……ここではよくある呼ばれ方をもじって仮に「Side」と呼びますが、これの最大の欠点は
死ネタ曲全部がSideになってしまうため、考察者の思考力が低下していくということなんですね。)
(ラスジャニゼルケアゆるかのIMAWAあだぽしゃ禁忌などなど…)
(逆にきゅうくらりんとか熱異常みたいにわかりやすく違うものはSideの見方されてない気がします。)
上書き/♪うわがきの話に戻ります。
(絶句)
視聴者が追体験できるように、とは言いましたが、視聴者にはSideの話なんて知る術もありませんし、そんな非現実的な説を信じる人の方が少数派です。
先ほどの水死体のように、いよわさんのこれまでの作品(の一部、Sideで無理なく解釈できるもの)は「上書き技術の元ネタ」と見なすことができます。且つそれは作者だけのための作品(ヘリテージ)です。
問題は、そんな大事なテーマを使った理由、そして結局何を描こうとしていたのか?という2点です。
針を刺して
先述の2点、まず前者に関しては「Youtube Music Weekendだから」で説明がつきます。
それで後者ですが…
♪うわがきで「さようなら」の対象になったものをまとめてみました。
最初の3種はそのままBのことを指していますが…
残り4種はBとの記憶の中での思い出とか、未練とかそういった類のものです。
それに「さようなら」と言っているんです。
上書き/♪うわがきで描かれているのは、Bとの決別に他なりません。衝動で作品を描いてきたいよわさんにとってBの喪失とは一生苦しむ呪いでもあり原動力でもありました。
どれだけ苦しんで、幻覚を創作にしてももう時間切れですし、それに頼らずに作品を描けるようにもなりました(初期の頃は死ネタ曲が多かったが、最近はSideで解釈できる死ネタはかなり減っており、あってもBの役割は補助的なものである:チキューラ)。
いよわさんの作品は、苦しみから生まれているとも言い換えることができます。喪失の苦しみはもちろん、創作やネタ切れの苦しみを描いた地球の裏、おそらくIMAWANOKIWAとTiktokとの騒動などが関わっているあだぽしゃ…………
数々の悲しみを経験し、喪失に頼らなくても自走できるようになったのではないでしょうか。そうして決別…………卒業と言った方が良いかもしれませんが、その場を設けたいと思いました。
仮にここまでの荒唐無稽な言動がちょっとでも当たっていたら………………
それはYoutube Music Weekendに相応しい曲と言えるのではないでしょうか?
あとがき
ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜なんとか間に合った
9月27日発売!電子書籍もあるからみんな買おう!
予約分無くなるの早すぎない??????
やばすぎる 優勝
いよわさんの特殊性はあるいみ「いよわ界隈」の存在そのものと言うことができ、しかしそこに着目されることはあまり多くありませんでした。
お堅い文章でそこが語られるってのがもう楽しみですね。「いよわ化」もだいぶクリティカルだし。
Q.いよわさんの目に入ったらどうするの?
A.そんなわけねーだろ!!!!!!!!!!!!
客観的にどう見えてるかは分かりませんが私はこれをあくまで二次創作として書いています、それを本人に見られる前提でするのは失礼極まりないことではないですか?
なのでこれで提出します