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メイキング|村焼き(仮題) #1 はじめに

第1章 はじめに

1.1 ご挨拶

 こんにちは。今回は診断メーカーの「村を焼くなら」から出されたお題を元にお話を作っていきます。アンソロジーへの参加を想定していたのですが、今回はご縁がなかったので単体でお話を書いていきます。

1.2 事前情報

 魔法を使える生物を魔法使いといい、特に女性の魔法使いを魔女という。魔法を使うためには特定の魔力(後述)が必要であり、魔法使いごとに得意とする魔法は異なる。
 魔法は魔力と呼ばれる粒子によって成り立っており、自身によって生成された魔力と大気中に存在する魔力が反応することで魔法は発生する。魔法を作る素となる基本の成分は魔素と呼ばれ、魔力はこの魔素の組み合わせによって性質を変える。魔法のうち、1種類の魔法からできているものを純魔法、複数の魔法が混じり合ったものを混合魔法という。また、純魔法のうち1種類の魔素から構成されるものを単体、複数の魔素から構成されるものを魔法物と呼ぶ。小規模なものは低魔力魔法物、規則正しく並び大規模になったものを高魔力魔法物という。動植物が生成する魔法物を有機魔法物といい、魔法使いが魔法を使うために必要な魔力を補ったり魔法を使うための材料として使用している。魂が宿るものであれば、非生物(例:岩石、書物、遺跡など)から生成されたものも有機魔法物となる。自然の法則に従う魔法は有機魔法物を元に発生する。逆に、世界からもたらされる魔法物を無機魔法物という。これは時間や空間といった自分が存在している世界の仕組みに関わることであり、専門とする魔法使いは多くはない。
 これらの単語は化学領域で使用されている以下のものと読み替えることができる。

表1 対応表

 熱力学第一法則にあるように、内部のエネルギー変化は加えられた熱と仕事量に等しい(ΔU=Q+W)という関係がある。魔法使いによって過剰に生成された魔力・魔法物が系(=村を含めた外部環境)に熱を加えた(もしくは仕事をした)場合、内部のエネルギーは増え、余剰分は系の外へ仕事をする(もしくは熱を与える)。もし系の外が飽和していてΔUほとんど無視できる(0に近い)場合は、加えられた熱と与えた仕事が等しくなると考えられる。今回考えている条件では、熱と仕事の両方が系にかかる(どちらも系に対して正の反応をする)もの(=開放系)ではないので、どちらかが正の反応を、どちらかが負の反応をするだろう。ただ一般的にはその内部エネルギー変化量ΔUもそれに伴う熱や仕事の移動も微々たるものなので、日常生活においては影響することがない。

1.3 作品の構成

1.3.1 診断結果

「Teは村を焼いたようでした。朝起きると、村は焼け野原に変わっていました。そう、あなたは魔法使いだったのです。」

診断結果:Teは村を焼いたようでした。朝起きると、村は焼け野原に変わっていました。そう、あなたは魔法使いだったのです。
診断結果

1.3.2 目的

上手に村を焼く。
魔法に関する理解を深める。

1.3.3 事前考察/プロット/主人公

「ああ、またやられてしまった」
他の魔法使いからの嫌がらせ、自分が住む村が焼かれている。大気中に残っている素因→魔力から科学によるものではなく魔法によるものだということはわかる。


 ここ数日間の記憶が曖昧。
「根詰めすぎたかな?」
 そういえばいつも朝に来る(老人)がまだ来ない。薬がなくなる頃なのに。
 外に出ると村がすっかり焼け野原になっていた。
「どうして?」
(2024.05.23)


仲良くなった住人の墓を建て、土地を整理してその村を去る。魔法を研究する傍ら薬草を売って生計を立てているので、人がいる場所でないと生きていけない。

新たな村で新生活が始まる。
これまでいた村は小さいからそういう噂が流れていくこともなかった(行商も多くなく流布されるようなこともなかった)。
その村に住む子供が懐いてくる。どうやら魔法使いの素質もあるらしい。弟子を取るつもりはないけど、友好のために簡単なものを教える。

日が経つにつれて上達する子供。
ある日、その子から言われる「先生は、どうして◯◯なの?」(周期的なもの? 魔法使いの素質がある人でないと気付けないようなもの、本人も認識していなかったこと)→「どうして先生の周りは魔力が多いの?」(自分で生成する魔力や魔法物が多いことに気づいていなかった、土地柄のものと認識していた→多すぎる魔力が周囲の環境に悪い影響を及ぼすことによって村焼きの原因になった? 2024.05.23)
自分で気づいていない側面があり、それが村焼きの原因だったとわかる
ただ、それは自分で抑えることができないものだった。

期限(自分の魔法で村を焼いてしまう日)が迫る中でなんとか抑えようとするけどダメ。
村から去ろうとするけど、それも出来ない(何か理由を作る、村に危害が及ぶことは変わらないたとか、自分がその土地に根ざしてしまっているとか)。
もうダメだと思った時に、子供に助けられる。
村は焼かれず、魔法使いも落ち着き、そこに定住することになった。
(魔法使いは歳を取らないのでその子供を看取ることになる?)
2024.05.20

 ざっくりとした輪郭から起承転結を作るなら以下のようになる。

  • 【起】1回目の村焼き。生活のために新しい村へ(魔法についてのおおまかな知識とと魔法使いの間違った認識について書く)

  • 【承】新生活が始まり、その村の子供に魔法を教える(魔法についての細かな知識と魔法使いの特異性について書く。

  • 【転】子供から指摘される「魔力の多さ」→過去の村焼きも自分が引き起こしていたことを悟る(魔法使いの過ちとそれが再現されることについての精神的負荷について書く)

  • 【結】対策を練ろうにもどうにもダメ……かと思いきや、子供のアイデアで魔力の暴走は防がれ村は焼かれずに済んだ(or 対策虚しく自らの手で友好関係を築いた村人を殺して周り、村を焼く)

 想定される文字数は30,000文字程度。各セクションは7,000〜7,500文字となる。「魔女シリーズ」と一緒にまとめるなら妥当な文量かと。

 魔法使いについても簡単にまとめておく。

  • 元々魔法は得意だった(その理由についてはあまり考えたことがなく「向いているのかもしれない」程度だった)
     →魔力の生成量が他の魔法使いよりも格段に多かった。
     →これは普通の人間でも特定の酵素の活性が高いことで体質が変わるのと同じ(アルコールの代謝能力とか)

  • 魔法を使うことによって体内の魔力は消費されるので、全てが余剰分として暴発することはない。
     →それでも[私]は少しずつ余る分があるので、それが蓄積されて系(村)に影響を与えるようになる。
     →今まではそれを指摘できる人がいなかった。

  • 大気中の魔力が多くなると魔力中毒になる。
     →本来は代謝する能力があるので過剰に摂取した魔力は分解されて無毒化されるけど、それが追いつかなくなると中毒症状が出る。
     →魔力中毒は眩暈や頭痛、吐き気などが出ることが多いが、重症化すると錯乱や意識障害が起こることもある。代償的に魔力を消費しようとするので制御不能な形で魔法を行使したり、大気中の魔力と反応して環境を大きく変化させたりすることもある。

主人公の名前はアリシア(Alicia)で愛称はアリス(Alice)。「高貴」を意味するドイツ語adelに由来する女性名のラテン語表記。(2024.06.02)


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