2.2 承:新しい村
前のセクションの流れを汲み、魔力が過剰になるまでを書いていきます。余剰魔力と村焼きについては【転】以降でやるのでできるだけ触れないようにします。それを踏まえてここで書くシーンは①引越準備(魔法の構築)、②新しい村へ(物語の発展)、③村人との生活(信頼関係の構築)、④弟子との生活(魔法についての理解を深める)を想定しています。【起】での宿題は①でほとんど片付けます。②は移動だけなのでそんなに時間はかからないはずです(でもそれだけだと面白くないので何かエピソードを一つ挟むかもしれません)。③では【転】以降の村焼きでより辛くなるように仲良くなっておきます。そして④の弟子との生活を通して魔法の細かな知識や【転】以降の村焼きに必要な情報を入れていきたいです。
村を焼くための余剰魔力は溜まるのに数年はかかるため、【承】→【転】の切り替えのタイミングで時間を進めましょう。なのでそれまでの話をここで書いていきます。
2.2.1
それでは続きを書いていきます。体力と魔力の回復には数日かかると思うので、それも踏まえて引越し準備を進めましょう。
ここで改めて補足ですが、魔導書は自分が使える魔法を書き記したものです。新しい魔法を構築したり学習したら書き留めて、自分だけの辞書を作っていきます。この厚さと密度が魔法使いの格を決めるのですが、[私]はあまりそこにこだわりはありません。自分が決めた紙さえあればいくらでもページ数は増やせるので、その分重たくなっていきます。どこかのタイミングで買いに行かないとですね。そういう資材が売ってるのは多分大きめの街じゃないとないと思うので、道すがら寄りますか。
中型〜大型のヒトが機械を担いで村を行き来するのは少し想像しづらかったので、持っていかない方向にしました。機械も設計図があればいつでも作れるので、新しいところで要望があれば再構築するようにしましょう。
これで宿題のうちレシピ探しは終わりました。次は人形の作成をしつつ、並行して防衛魔法の構築をします。せっかく調剤室にきたので昨日採取した無機魔力の確認もしておきます。
時間にまつわる魔力で周囲の時間の進行を速くするものでしたが、容器に入れておいても大丈夫だったのでしょうか。強酸のように容器を腐食したり、揮発性が高くて性状が変わっていたりしてもおかしくありません。ましてや専用の容器ではなかったのですから、状態はあまり良くないでしょう。具体的な変化については改めて考察するとして、ここで挙げた内容について思考を挟みます。
ガラのままよりはレンガ状に積み上げた方が効率は上がりそうですよね。これで煎じの機械については終わりなので、元々の人形作りへと戻ります。せっかく外に出たので、手押し車もありますし、砂を集めて準備をしておきましょう。その後に設計図を清書し、乾かしておいた植物や動物由来の素材を包んで核として魔法を実行します。
あまり引き伸ばすのも良くないとは思うのですが、実際魔法を使うにあたって必要な情報が何も手元にないので手詰まりです。無機魔法を使って反射機構を作ろうとは思っているので、どこかのタイミングでそれを入手できるように調整します。
それからもう一つ気になっていたのが、[私]以外の魔法使いについて。前のセクションで『魔法使いの総数は多くない』と書いているのですが、それだと物語を進めるにあたって制限がかなり強くなってしまうので解消したいです。[私]自身村焼きの原因は他の魔法使いによるものと考えていますけど(本当は自分自身が焼いていますけど)、魔法使い同士の交流が少なければその考えを成立させるのが難しくなってしまいそうで。いくら自給自足ができるとはいえ魔法に使う資材類は何かしらで調達しなくてはいけませんが、結局それも『どうやってるの?』って感じなので、魔法にかかわる人々との交流は欲しいところ。
その色々をまとめて片付ける策として、大きな街に寄ることにしました。あてもなく歩き回るわけにもいかないですし、この世界全体の雰囲気も提示しておいた方が説得力が増すでしょうし。その時に[私]が言っていたこと(魔法使いの総数や交流について)が古かったことを示せるように、しばらく村から出ていないことにしました。ただ、あまりにその期間が長いと次の余剰魔力の暴発までに時間がかかってしまうので、ほどほどの年数にしておきます。
作中でも振り返りができたので、お話をどんどん進めておきます。人形の作成くらいはちゃんと描写しますが、その後の積み込みや道中はある程度省略してしまってもいいでしょう。
ようやく人形が作れました。使い魔との違いはまた必要があれば語るとして、これで引越し準備は完了です。汚れた身体を綺麗にして、明日には出発しましょう。
これでこのセクションはおしまいです。4,000文字ちょっととだいぶボリュームがありましたね。【起】から数えても17,000文字と想定文字数の倍以上のペースです。どうなるか私にもわかりません。もしかしたらここまでが【起】なのかもしれないです。
次のセクションでは街に向けてこの村を出ます。やっと物語が動き始めますね。