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【FLOWERレター】夏のイブピアッチェをあきらめない

こんにちは。フローリストの小室です。ブーケの企画、品質改善を担当しています。
今回は人気の産直企画「石川バラ園のイブピアッチェ」誕生の裏側について。ロスレスブーケの仕組みがあって本当によかった!そんなエピソードです。

石川さんのバラ「イブピアッチェ」に出会ったのは2年前。初めてその香りを知ったとき、しばらく嗅ぐのをやめられませんでした(笑)甘さの中にフルーティさと絶妙なさわやかさもある、本当にいい香り。
バラの香りは大きく8種に分類されています。イブピアッチェの香りは「ダマスクモダン」と呼ばれ、バラの中でも特に濃厚なのが特徴です。ハイブランドの香水などに使われることも多く、世界中にファンが多いそう。

「この香りをみなさんにも楽しんでほしい!」そんな思いから、さっそくFLOWERでも販売をはじめました。

しかし、去年は夏場の配送に苦戦しました。
香りの強い花は芳香にエネルギーを使うため、もともと楽しめる期間は短め。特に暖かい時期は市場から仕入れたあと、配送前に水揚げを行うと一気に花が開いてしまいます。さらに配送中にも開花が進み、お届けする頃には満開に...という課題も。
「夏もイブピアッチェを楽しむにはどうしたらいいんだろう」と悩んでいたとき、ご縁があり産地直送が実現することに!

石川バラ園の石川さんと情報交換をしていく中で、イブピアッチェが持つ長年の課題が見えてきました。
この花は本当に人気者。もちろん旬の時期はありますが、ハウスの中でほぼ一年中育てることができるので、通年楽しめるバラです。
しかし、結婚式での需要が多いため冬と春は適正価格で取引されますが、夏になると二束三文での取引になってしまうことも。それは品質が悪いからではなく、すぐ満開になってしまい、店舗で取り扱うことが難しいのが主な理由。

でもロスレスブーケの産地直送なら、つぼみの状態のまま直接お届けすることができます。だから、季節にかかわらず適正価格での取引が実現しました。また、そのとき収穫を見込める数量だけ、都度出荷できるのも嬉しいところだそう。

「夏場のイブピアッチェを諦めなくていいなんて...」と、石川さんも思わず笑顔に。市場担当者が涙ぐむ姿を見て、私自身が知らなかった、生産者と市場担当者の長年の苦労を垣間見たような気がしました。

生産者のみなさんが大切に育てた立派な花たち。季節や流通の仕組みが理由で、適正価格で取引できないなんて悲しい。そんな状況を解決するひとつの手段として、FLOWERがお役に立てたことが嬉しいです。

「開花しやすい花でも、産地直送ならフレッシュなままお届けできる」そんな体験は、花業界が長年追い求めていたものだったのかもしれません。

数量限定ですが、イブピアッチェは毎週月・水・金曜日の午前中に販売しています。ぜひ、あの香りをお楽しみください!


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