我が家の家宝と化しているチェスセットと息子の対面
「ねー、お母さんこれなんで買ってきたのー?」
「だって素敵だったから。
ほら、やり方なんて後からいくらでも調べられるでしょ。」
今思うと軽くショッパーホリックだったのではないか?
と思われる母が買ってきたチェスセット
駒の並べ方はもちろん
ルールも全くわからないのに
ある日、百貨店のバーゲンで買ってきた
(あえて当時のワードを使ってみたよ)
あの時の様子は今でも覚えている
私は小学生低学年
きっと今の息子と同じくらいの歳のころだったと思う
私と兄、そして父と
「困ったなぁ、これどうやって遊ぶんだ?」
と悪戦苦闘している姿を
良い物を買ったと言う満足感で私たちを見ている母
「お母さんもやり方調べてよー」
「え〜わかんないわよ。
3人で頑張って調べて〜」
当時はインターネットははもちろん
パソコン自体がなかったから
今みたいにGoogleさんに頼るなんてことはできない
果たしてどうやって調べたのか思い出せない
でも推測するに
きっと本を買って覚えたのだろう
ルールを覚えてからは
割と頻繁に遊んだのを覚えている
ま、言ってみれば将棋と似てるわね
それからと言うもの
幾度と繰り返した引っ越しにも
このチェスセットはついてきた
なんだかいつの間にか
我が家の家宝にでもなったのかのように
そしてなぜか私が実家を出て
一人暮らしをする時にも
このチェスはついてきた
そしてどれだけライフステージが変わっても
このチェスセットは捨てられることがなく
2023年の今でも私と共にある
どれだけこのチェスセットと人生を共にしているんだ…
そんなチェスセット
遂に我が息子が遊ぶ時がやってきた!
それまでは息子にはあえて隠してきたのです
なぜなら小さい子供にとって
チェスの駒ってとても魅力的に映るもの
まだルールをしっかり理解できないから
どうしたって駒は違う遊び道具になってしまう
投げたり無くしたり
場合によっては折ってしまったり…
それだけはどうしても避けたかった
なぜならこのチェス駒は
今では貴重な象牙で出来ているから
きっと母もこの象牙製に惹かれて買ったんだろうな…
そんなこんなで時は経ち息子も8歳
流石にルールは覚えられる
そして扱い方も分別が付く
ひとたびルールを覚えたら
チェスの楽しさに目覚めたらしい
「ママ!チェスやろー!」
「何時になったらチェスできるー?」
寝ても覚めてもチェスのことばかり
でもそれには一つ大きな理由がある
それは超絶負けず嫌いの息子が
私に一度も勝てていないから
そりゃそうだ
私はどれだけチェスで遊んだと思っているんだ
まだまだ8歳児には負けないぞ
な〜んて言いながら
今日にでも負けそうなほど力を付けてきた息子
なんにせよチェスが出来る男っていいよね
なんて思いながら
今日も一緒にチェスに耽る