リジェネラティブ農業が世界を変える!?
温室効果ガスの排出源として、化石燃料の利用以外にどんなものが思いつきますか!?
実は、農業や林業など地表の大部分を占める土地利用も大きな排出源となっています。また、
農業や林業が営まれる土地では温室効果ガスを吸収する大きな可能性を持っています。今回は、温室効果ガスを吸収するリジェネラティブ農業についてのお話です。
■温室効果ガスの排出
IPCC 第6次報告書 第3作業部会(IPCC AR6 WG3)によれば、世界の温室効果ガス排出量のうち20%程度は農林業とその他土地利用(Agriculture, Forestry and Other Land Uses (AFOLU))からなのだそうです。
ほとんどが化石燃料からだと思っていた著者はとても驚きました。でも、その内容を読んでみると納得。森林伐採、化成肥料からの一酸化二窒素、稲作や畜産からのメタンガスが世界中の広大な面積の農林業地から放出されているのです。
(https://www.ipcc.ch/report/ar6/wg3/resources/factsheets)
■近代的農業の行き詰まり
肥料・農薬・トラクターなどを使う近代農業により、安価で大量に食物が生産できるようになったと言われます。さらに、世界的な人口増が続く現代では生産量や生産性の向上が求められています。一方、我が国では農家の高齢化や農業人口の減少が進み、今後の食糧生産が危ぶまれています。長年、大規模効率化が進められてきましたが、資材の高騰や円安の影響で、大規模農家も経営が苦しくなっていると聞きます。さらに、地力の低下、高温障害、病害虫の増加など、農業はとても厳しい状況に置かれています。
■リジェネラティブ農業
そんな状況をなんとか変えようと農家さんが研究を始めているのがリジェネラティブ(環境再生型)農業です。土壌の微生物に活躍してもらうことで、肥料・農薬・トラクターの利用を減らし、気候変動にも左右されずに安定した作物栽培ができ、さらに二酸化炭素を土壌へ蓄積することができるのだそうです。まさに、持続的な農業のヒントと言えそうです。
植物は、光合成で二酸化炭素から糖を作ります。その糖が土壌へ放出され、土壌微生物の栄養となり、土壌炭素として蓄積します。糖をもらった土壌微生物は、微量栄養素やミネラルを植物へお返しします。そんな自然の生態系の再生させるのがリジェネラティブ(環境再生型)農業なのです。
弊社でも、家庭菜園ほどの小さな土地ではありますが、リジェネラティブ(環境再生型)農業の要素(カバークロップ、不耕起栽培、輪作など)を試しています。その結果は、また後日。