すべて忘れてしまうから
終わってしまった。
悲しい。ぽっかり穴が空いてしまった。
あの絶妙な空気感。世界観。大好きだった。
派手な演出も無く、怒涛の展開も無く、特に何も無いあのドラマが大好きだった。
自分にとって影響が大きかったのは、あのドラマのお陰で、外に出る事が少し、本当に少しだけだけど好きになった。
歳を重ねるごとに外に出るのが大嫌いになっていた。特にコロナで「外出は悪」という風潮も重なり、より一層嫌いになっていた。
でも、このドラマを観ていると、なんだか外の世界も楽しそうに、私の目には映った。
灯台でだらだら皆んなで楽しそうに呑んでいるシーン、夜中の街を歩いているシーン、喫茶店、怪談バー、お酒を呑みながら1人で食事するシーン、夜中のファミレス、マイペースで歩いて立ち止まりスマホを確認するシーン。
どれも何気無いシーンだけど、どれも家の中では実現しない。なんだか、少しだけ外に出るのも悪くない気がした。
なので、相変わらず必要以外はほとんど自宅を出ないけれど、仕事で外に出る時の気持ちは少し前向きになった気がする。
最終回が突然やってきて、みんなそれぞれの道を歩んでいってしまって、本当に悲しかった。
何もないドラマだと思っていたのに、いつの間にか一人一人のキャラクターにどっぷり浸かっていたんだなぁっと実感した。
どこかですれ違っているかもしれないと思えるぐらい近い距離を感じる魅力的なキャラクター達。
冒頭にも書いた通り、派手な演出も展開も無い分、あの微妙で繊細で絶妙な空気、アーティスティックな演出など細かいところ全てで、完璧な世界観を作り上げた、素晴らしい俳優さん達、スタッフの方、関係者の方々に御礼申し上げたい。
楽しい時間を、有難うございました。