精神科入院してた時を振り返る
今日もエアロバイクを漕いでいる。どうでしょう、なかなかパンチの効いたタイトルでしょう。
2023年11月〜12月、ついに精神科で入院という、未知の世界に突入しました。結論から申し上げますと、さいっっこうに楽しかった。人生の中で宝物みたいな時間でした。
スタッフや他の患者さんのちょっとした言動で激しく落ち込んでいたりと入院当初はとても不安定でした。
入院から1週間後くらいの夜の消灯前にままならない気持ちになってしまいました。そこで誰でも、たむろできる広場の様な場所が病棟にあったので、「誰か居てくれ!」と願いつつ広場に向かいました。消灯前だったので居たのは1人だけ。しかもちょっと怖そうなご老人。病棟でモメてるのもよく目にしてたので怖いなあと思いつつ話しかけてみました。お話ししてみるとその人はおそらく認知症なんだとすぐ察しました。私が昭和歌謡好きだったことで話が盛り上がり、あだ名を教えてもらいました。トメちゃん(仮)です。
一緒に歌ってなんだか楽しくなって、その日は結局無事消灯時間に安らかな気持ちで眠ることができました。
翌日、私の名前も覚えていないはずのトメちゃんが私の部屋を尋ねてきました。看護師さんに叱られていたので「トメちゃんは良いんだもんねー」と言ったらとても喜んでいました。突然、トメちゃんは私に言いました。「あなた、1週間もすればすっかり良くなるよ」と。それだけ言い残して私の部屋を去っていきました。不思議を見た気がしてトメちゃんがその日から大好きになって、毎日何時間もトメちゃんと話す様になりました。
トメちゃんには仲良しのおばあちゃんがいました、チーちゃん(仮)です。
トメちゃんと関わっているうちに病棟内で色んな人と関わる様になっていきました。
夜はよくトメちゃんとチーちゃんと3人でただただどうでも良い話を沢山しました。私がお話しすると2人はとても喜んでくれました。ジョークもたくさん言いました。大学では何を勉強してたか聞かれたので、哲学だよと答えました。すると「そんな難しそうなの勉強してたら頭おかしくなっちゃいそうだね」とトメちゃんが言うので「だからここに来た」と言うと2人とも大爆笑してくれました。
3人で過ごす時間があたたかくて安全で安心で楽しくて、3人で川の字になって寝たいね、私は真ん中ねと2人に何度も言っていました。
その他にも絵を描いたり、病棟の患者さんとトランプをしたり、色々なことをしました。
そうこうしている内に私の退院が決まりました。最後の晩は3人で消灯までお喋りして、夢でもお喋りしようねと言ってそれぞれの病室に戻りました。
退院の日、トメちゃんが私の名前を呼んでくれました。毎日何度も名前を伝えても覚えていなかったのに、その日だけ覚えてたんです。また不思議に触れた様でした。
主治医による治療の力ももちろん大きかったのですが、トメちゃんやチーちゃんを含む色々な人との関わりの中で私の心は癒えて行った様に思う。
退院から1年ちょっと経ちました。この1年色々なことをして不安定になる時期もありました。そんな時に、トメちゃんやチーちゃんのことを思い出すのでした。2人に会いたいと涙する日が何度もありました。
精神科の病棟での生活は私の人生の中で一番人のあたたかさに触れられた時間だったと思う。人生の宝物みたいな時間だった。
その後も細々と文通をしてるのですが、今年は年賀状出したのに返ってこなかったよ笑
まあまた手紙を書こうと思います笑笑