
【座談会】エモ消費、〇〇界隈、AI就活…Z世代メンバーが語る2024年トレンド&2025年のトレンド予測
僕と私と株式会社(以下、ぼくわた)は、Z世代を代表する企画・マーケティング会社です。これまでもZ世代の心を掴む企画やプロモーションを多数生み出してきました。
そんなぼくわたで2024年に立ち上がったのが、Z世代の本音やインサイトを調査するサービス「Zview」。「Zview」では、クライアントのニーズに合わせて、定量・定性調査を実施し、ペルソナ策定から企画立案までをサポートしています。
Zviewを支えるのは、ぼくわたでZ世代の調査を進めるインサイト事業部のメンバーたちです。今回はインサイト事業部のプランナーを集め、「Z世代トレンド座談会」を実施。
今回は、2024年の調査でわかったZ世代トレンドの振り返りと、2025年の予測について語ってもらいました!
大手メーカー、調査歴15年のベテラン、広告代理店勤務まで。個性豊かなインサイト事業部のメンバーをご紹介!
ーーまずは簡単に、自己紹介からお願いします!
みお:
私は大手メーカーで働きながら、ぼくわたのインサイトプランナーとして、Z世代に関する自社調査とクライアントワークを担当しています。
もともと人と話したり、情報収集をするのが好きで、大学ではサービスデザインを学んでいました。現在は仕事で海外に行く機会も多いため、日本のZ世代と海外のZ世代の違いに興味があり、もっと調査してみたいと思っているところです!
すあま:
僕もリサーチャーとして、インサイト事業部でインサイトプランナーを担当しながら、さまざまなプロジェクトのマーケティングリサーチに携わっています。ぼくわた以外にも複数のクライアントのもとでリサーチに携わってきており、リサーチャー歴は15年を超えます。

林:
私は副業メンバーとしてぼくわたのインサイト事業部やプロモーション提案に携わりながら、本業の広告代理店でもZ世代向けのプロモーションを担当しています。趣味はネットサーフィンで、SNSなどを使って日常的にZ世代トレンドについて調べるのが習慣になっていますね。
ーーぼくわたのインサイト事業部の特徴はなんですか?
すあま:
やっぱり、調査する側も調査される側もZ世代だというのが大きな特徴ですね。Z世代ならではのリアルな視点でリサーチを進めながら、先入観を持たず一人ひとりの声に耳を傾けることを重視しています。
「Z世代は◯◯」というように、一括りにされてしまいがちな世代だからこそ、生活者のことを深く理解して、見えないインサイトを翻訳することを大事にしているんです。
みお:
私たち自身がZ世代だからこそ見えてくるものがたくさんありますよね。特にSNSの使い方や恋愛、就活のトレンドなど、同世代ならではの視点を活かした調査ができているんじゃないかと思います。
「SNS」がZ世代の消費行動に大きな影響を与えた2024年
ーー2024年もたくさんの調査を実施されたインサイトプランナーの皆さんですが、今年特に印象に残った発見はありますか?
すあま:
私は今年8月に実施した「エモ消費」に関する意識調査が印象的でした。Z世代を中心に、次の消費トレンドとされる「エモ消費」ですが、実際にどのくらいのZ世代が“エモ”を軸として消費活動を行っているのかを調べたんです。
※エモ消費とは、商品を通じて得られる世界観や共感を重視する新しい消費トレンドです。Z世代はモノの価値や体験だけでなく、商品が自身の周りの世界を豊かにすることを求めているという特徴があります。「エモ」とは「ハッピーな共感」を指し、効果的なエモマーケティングには、消費者の記憶や感情に訴えるストーリー設計が重要です。
すると、Z世代の購買行動には、まずは商品やサービスに「共感」できることが重要だとわかりました。自分ごととして、共感できる気持ちがエモに繋がるわけです。
そして、その商品への「驚き・感動」が「シェア」に繋がることもわかりました。「共感→驚き→感動」の3つの要素が、Z世代の購買行動に強く影響しているという興味深い結果でした。
みお:
私もこの調査結果は印象的でした! 特に「シェア」の部分に注目したいですね。単に商品を購入するだけでなく、その体験を共有することで価値が高まるという考え方は、まさにZ世代らしいと思いました。
すあま:
Z世代の全員が全員「エモ」を重視して消費をしているわけではないものの、他の世代と比較しても、Z世代は「エモ消費」をしている傾向が顕著でしたよね。
林:
SNSの発達で、消費行動自体がコンテンツ化しているんだと思います。私自身、広告業界で働いていると、「映える」とか「バズる」とか、シェアされることを前提とした商品企画も増えている感覚があって。
すあま:
SNSでシェアする内容も、以前は「派手さ」や「話題性」が重視されていましたが、最近は「共感できる」「わかる」といった要素が重要になっているのだと調査結果を通じて、改めて実感しました。
SNSの影響で、Z世代の就活が「安心・安定」重視に?
みお:
SNSといえば、私は「就活」に関する意識調査に注目していました。この調査では、Z世代は就活において、"安心・安定重視"な傾向があることがわかったんです。
実際に、会社選びの基準のトップが「福利厚生や補助が充実している」で、「企業の安定性が高い」も20%以上の人が重視しているという結果が出たんですよ。
林:
調査結果を見ると、Z世代は安定を求めながらも「自分らしさ」を大切にできることを重視する傾向もありますよね。「好きなことができる」「事業内容に興味がある」みたいな回答も多かったです。
みお:
そうなんです! これもSNSの影響が大きいと思っていて。私が就活してたころは企業の公式情報くらいしか参考にできませんでしたが、今はSNSで実際に社員さんの働き方や職場の雰囲気まで見られて、ある意味「職場の疑似体験」ができるようになったと思うんです。
林:
たしかに、周囲でも企業の公式アカウントよりも、実際に働いている社員の投稿を重視する就活生も増えている印象です。
SNSを通じて「この会社で働いたら、こんな生活になるんだな」と具体的にイメージできるようになったのは大きな変化だったと思います。
みお:
意識調査では、"安定重視"な傾向だということがわかりましたが、単なる安定というよりも、SNSのおかげで、より賢い選択ができるようになったんだと思います。
昔みたいに年収だけで選ぶのではなく、働き方や社風まで細かく見て、自分に合った会社を見つけられるようになってる。自分の就活を振り返ると、本当にうらやましいくらい(笑)。
アルゴリズムで起こった分断が「界隈」文化に繋がった
ーーZ世代は「SNSネイティブ世代」と言われているくらい、SNSとの関係性が強いですよね。2024年におけるZ世代とSNSについて、もう少し詳しく教えてもらいたいです。
すあま:
SNSの影響によって「コミュニケーション」のあり方は大きく変わりましたよね。僕の時代ではSNSを通じて人と会うのは怖いという印象でしたが、今は当たり前にSNS上で繋がって友だちや恋人になる人も多いと知って驚きました。
みお:
Z世代はSNSのアルゴリズムによって界隈が分断されたことによって、それぞれの趣味や興味が「狭く・深く」なっていることが影響していると思うんです。
普段の生活で、深いレベルで趣味が合う人を見つけるのが難しいから、ネットで探すほうが気軽という人は多いんじゃないかな。
林:
まさに生活のなかに「界隈」が生まれていますよね。しかも、それぞれの界隈に別の界隈の話題を持ち込まないよう、SNSアカウントを使い分ける傾向も強いと思います。
例えば、「推し活」専用アカウントを持ってて、その内容は日常的に使うアカウントではシェアしなかったり、親しい友だちにだけ見せる「親しい友だち設定」を活用したりするのも、Z世代の特徴なんじゃないかな。
みお:
その結果、同じZ世代でも全く異なる情報圏で生活していることが多くて、昔のようにみんなが同じテレビ番組を見て話題を共有する、という機会はほとんどないですよね。
すあま:
なるほど。だからこそ、僕たちの調査でも、表面的なアンケートだけではなく、より丁寧なヒアリングを重ね、個人に根ざしたインサイト調査をしていくことが重要になってくる感じがしますね。
レトロブームが再熱!ぼくわたメンバーの2024年の「エモ消費」とは
ーー座談会の冒頭にも出てきた「エモ消費」ですが、みなさんは2024年、どんなエモ消費をしましたか?
みお:
私は「レコード」を購入しました!もともと音楽が好きなのですが、今回は聴くためではなく、レコード盤そのものが可愛くて購入してみたんです。

最近はサブスクで音楽を楽しむのが当たり前になっている一方で、海外のZ世代の間でも、インテリアとして飾る目的でレコードを購入する人が増えているんですよ。
すあま:
たしかに、レコードは見た目がおしゃれですよね。でもインテリア目的で買う人が増えているのは知りませんでした!
みお:
ライブグッズの1つとして、レコードを販売するアーティストも増えています。ファンは推し活の一環として楽しんだり、部屋のアクセントにしたり。
レコード以外にも最近は、たまごっちを買い直す人が周りに増えていたり、純喫茶が話題になったり、「レトロ」への注目度が高まっている感じがします。
林:
私も今年は「フィルムカメラ」や「フィルム風加工アプリ」を使うようになりました。特にスマホアプリの「Dazzカメラ」は、簡単にエモい写真が撮れるアプリとして、SNSを中心にバズり、周囲でも使っている人が多いですね。

私の場合、カメラは友人の影響で始めたのですが、最近ではエモい写真を撮るためだけに旅行に出かけることもあるんです。
スマートフォンできれいな写真が撮れる時代だからこそ、画質の完璧さよりも、フィルムならではの質感や色味に魅力を感じます。あとは、フィルム風の粗い画質のほうが自撮りが盛れるんですよね(笑)。
2025年は「AI」と「消費」の関係がさらに強まる予感
ーー続いて、2025年のZ世代トレンドについて皆さんの意見を知りたいです。先日、イギリスの調査会社・ユーロモニターが『世界の消費者トレンド』の2025年版を発表しました。そのなかで特に注目したポイントを教えてください。
すあま:
僕が注目したのは「AIへの期待と不安」ですね。Z世代は「SNSネイティブ世代」といわれていますが、最近ではAIの活用にも長けている印象があります。
トレンドの中心であるZ世代から新たなAIの活用法が作り出されれば、世界的なユニコーン企業が日本のZ世代から生まれる可能性もあるじゃないですか。
また、Z世代の次であるアルファ世代は「AIネイティブ世代」になると考えると、ここからどんな発展があるのか楽しみです。
林:
ビジネスパーソンや若者を中心に、AIはもう日常的に活用されていますよね。就活でもすでにAIの影響が出始めていて、エントリーシートをAIに書かせて、そこからブラッシュアップするような使い方が一般的になってきていますよ。
みお:
私も2025年のトレンドとして、AIにはかなり注目しています。Z世代はどんなふうにAIを活用しているのかが気になる一方で、AI技術の進歩によって無くなる職種があるという話もよく聞くようになりました。若者層の職業選択にも影響を与えているはずなので、調査してみたいですね。
林:
私は「賢い消費」と「選び抜かれた購買体験」が個人的な実感としても、トレンド傾向が高いと感じています。
先ほどSNSの話も出ましたが、Z世代は情報収集能力が高く、コスパやタイパをかなり重視しますよね。
例えば、私のまわりでも海外旅行に行くときはLCCを利用して、複数の比較サイトで最適な選択肢を探すのが当たり前になっているんです。そんな消費行動がより一般的になりそうです。
みお:
それって単に「安いものを選ぶ」というより、「賢く時間とお金を使う」という感覚かもしれませんね。
すあま:
たしかに。情報収集のスキルにAIが加わることで、より効率的な消費行動の傾向が強まる可能性も感じますね。
2025年もZ世代トレンドにどんな変化があるのか楽しみです。これからも調査を続けていくので、「Zview」をご覧ください!
(取材・執筆=目次ほたる(@kosyo0821)/編集=いしかわゆき(@milkprincess17))
副業やフリーランス歓迎!ぼくわたでこれからのキャリアに活かせる新たな学びや経験を築いてみませんか?
今回は僕と私と株式会社のインサイトプランナーたちに、Z世代のトレンドについてお聞きしました!
ぼくわたでは業績好調に伴い、現在月20時間〜働けるメンバーの採用を検討しています。Z世代インサイトに関心のある方も歓迎です。
「Z世代の本質を理解し、新しい価値を創造する」
「インサイトを活かして、社会に貢献する」
こんな働き方を、私たちと一緒に実現してみませんか?
いいなと思ったら応援しよう!
