今日の日にオススメの本。
今日だからこそオススメの一冊は
西加奈子さんの『漁港の肉子ちゃん』
(※アニメ映画は未鑑賞です。)
『漁港の肉子ちゃん』はこの時期になると、毎年必ず思い出す一冊です。
波瀾万丈だけど、いつだって素直で、何でもすぐに信じちゃう天真爛漫な肉子ちゃん。
先日、この作品の好きな台詞とそのページをメモしていたものを発見したほど、キクりんとサッサンの台詞が心に沁み、泣きながら読んだことを今でも鮮明に覚えています。
西さんは不細工でも強く生きる女性を描くのが上手いのですが、美醜を取り上げることが多いので、そこが人によって感じ方、受け取り方が変わってくるのかもしれません……
でも私はこの作品を読んだ当時、サッサンの言う通り、たくさん傷つきながら迷惑かけながらも生きていこうと思えたし、肉子ちゃんみたいに周りを明るく出来る人間になりたいなとも思いました。
そして、この本の魅力は作中だけではなく、西さんのあとがきに詰まっています。心温まる言葉が綴られており、小説家としての矜持が感じられました。(手元にないため、うろ覚えだけれど、温かいおにぎりは配れなくても温かい言葉を届けることはできるといったようなことが書かれていた気がします。間違ってたらすみません🙇💦)
もし、西さんの作品にとっつきにくさを感じている人には『円卓』が読みやすいかな? と個人的に思っています。
大人になると気にならないようなことに不思議さや憧れを抱き、ジャポニカのノートに記すザ☆小学生の琴子と、吃音でつっかえながらもこっこの疑問に応えるぽっさん(寿老人が好きなところが可愛らしく、その影響か国語辞典の七福神のページに付箋を貼ってた私よ……)とのやりとりが素敵だなと思った記憶があります。そして、忘れてはならないイマジン(想像力)の大切さ。
こちらも映像化されていて、コロナ禍に動画配信で観ました。(元々関西出身とはいえ、芦田愛菜さんのゴテゴテな関西弁が新鮮!)
少しファンタジーな場面もありますが、原作の大事な部分はしっかり受け継がれているかなと思います。夜にこっことぽっさんが外で話すシーンがとても好きです。(ただ、原作を読まないまま観ると、少し伝わりづらいかもしれません💦)
この映画を見てしばらく「渦原のジャポニカ」が口癖になっていたのは秘密の話です🙈(一瞬で童心に返れる魔法の言葉ですね🧙)
ほぼ『円卓』の話やないかーい! とこっこに叱られそうだけれど、どちらも異なる魅力に溢れているので、よかったらご参考に。