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「人はなぜ老いを恐れ、若さを求めるのか――美しさとエロス、そして未来の課題」

あけましておめでとうございます。
お正月休みの間、久しぶりにゆっくり時間があったので、どうして私は更年期について発信したいのか、老いたくないという外見だけの抵抗なのではないのかなど考えてみました。

同じ人生を生きるのなら、健康で楽しく年を重ねていきたいのはもちろんですが、諸行無常の世の常で美しくありたいという人間の願望は、もしかして自分勝手で自然に逆らっているのではないかと。

人類はなぜ「老い」を避け、「若さ」を求め続けるのでしょうか。古代から現代まで、不老不死やアンチエイジングに関する試みや努力は尽きることがありません。それは単に外見の問題だけではなく、心理的・社会的・文化的な要因が複雑に絡み合っているような気がします。

美とエロスの関係性
美しさは古くから「エロス=生の力」と結びつけられてきました。若さや美しさは生殖可能性の象徴であり、進化論的には「魅力=生存能力の高さ」を示すものとされています。
しかし、年齢を重ねると生殖は関係なくなります。それでもなお美しさや若さを追い求める背景には、「美」が単なる生物学的価値を超えた存在であることが伺えます。

サクセスフルエイジングの視点
近年は「若返る」ことだけでなく、「自分らしい年齢の重ね方」が注目されています。
美は単なる外見の若さではなく、「生き方」「自信」「存在感」を映し出す鏡となり得るのではないでしょうか。

なぜ人は若さを追い求めるのか

老いは「終わり=死」を連想させるため、人間にとって大きな恐れでもあります。若さを追い求めることは、時間や老化という避けられない現実に対抗し、自分自身を守る行為の1つかもしれません。

また、若さと美しさは、特に現代社会では「成功」「幸福」「健康」の象徴とされます。美容・医療産業が提供するアンチエイジング市場は、こうした価値観に支えられて成長を続けています。

更年期・老年期でも美を求める理由

■自己表現としての美

生殖が関係しなくなる更年期や老年期でも、美しさを求める理由は「自分らしさを維持したい」という願望にあるような気がします。
外見を整えることは、単なる他者へのアピールではなく、「自分自身のため」の行動になると考えます。

■生きる意欲と美の関係

美しさを追求することは、生きる意欲を高める手段になりえます。
「美=健康」という意識の中で、若さや美しさを維持する努力が、身体的・精神的な活力に繋がっていくと考えます。

■社会とのつながり

美しさを保つことは、社会や人間関係の中で「必要とされている」という感覚を持ち続ける助けにもなると考えます。外見は他者へのメッセージとして、社会的なつながりを深める要素の1つであると考えます。

若さと美がもたらす未来の課題

格差の拡大の可能性

アンチエイジング技術や不老長寿の研究が進む一方で、美容医療を継続的に行うには金銭的な問題も出てきます。これらを享受出来るのは一部の人に限られる可能性が出てきます。「若さや美」が新たな格差の象徴となるリスクも生まれるでしょう。

美しさと老いの調和を求めて

若さや美しさを追求することは、ただ外見を維持するだけでなく、生きる意欲や自己表現の一部でもあるのではないでしょうか。
一方で、「老い」を受け入れる心の余裕や、それをポジティブに捉える文化や社会も必要です。

真のサクセスフルエイジングとは、外見と内面のバランスをとりながら、自分自身の人生をより豊かにする方法を見つけること。未来に向けて、年齢に囚われない「美しさ」のあり方を探求していきたいものです。
答えはまだまだ出ないのですが、皆さまはいかがでしょうか?

ただ更年期における美容や医療の表面的な話題に終わるのではなく、人間としての生や性、エゴも含めたエイジングという課題をこれからもライフワークとして考えていきたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

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