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心を殺すことを求める社会が嫌いだ
久々に本を買った
こちらの本である
圧倒的名著だった。謎めいた『存在と時間』が20世紀の哲学史のうちに位置づけられ、独自性が明らかにされる。凄まじい学識から大量の文献が参照される。だが論述は明快で私のような素人でもなんとか分かる。
— Kuni Sakamoto (@kunisakamoto) January 22, 2025
池田喬『ハイデガーと現代現象学:トピックで読む『存在と時間』』https://t.co/8GOIF9pLBh
3000円超した
こんなに高価な本を買ったのは久々だ
ハイデガーないし『存在と時間』は、大学一年生の頃に受けた講義で扱われたテーマだ
講義で聞いただけで、自分で読むのは途中で諦めてしまったものの、強く印象に残る本だった
今回はその解説書ということで、改めて『存在と時間』に向き合うのにいい本だと思った
読みたいと思える本に出会うこと自体が最近は稀で、その出会いも喜びたい
先日買った『こどもふざけ方教室』も読み終えていない
こちらも読んでいきたい
今回本を買うにあたり、読書に時間を割くことに抵抗を感じる自分がいることに気づいた
好きなことに時間を割くのは間違いなく有意義なのに、だ
こう感じているのは、最近の自分の心が死んでいるからだと思う
好きなことを楽しむためには、まず心を生き返らせるところからやらなければならず、面倒だ
原因は仕事だが、仕事自体が嫌なのではない
仕事をするために心を殺さなければいけないのが嫌なのだ
カナダではダイソーでバイトをしていた
勤務初日、朝方にバイト先に行くと、開店前の店内でスタッフが声を上げて笑っていた
「あ、カナダのバイトってこんな感じなんだ」と思った
緩いな〜と思った
開店前だからそうなのかと思ったけど、そんなこともなかった
勤務中に喋っていることもあったし(良くはないけど、厳しく規制されるわけではない)、開店後もスタッフの空気が厳しくなることはなかった
お客様とも気さくに話すことができた
一人の人間として関わり、可能な範囲で相手を助けることが求められた
人が人でなくなることは求められていなかった
客と店員の間に上下関係を作ることも求められていなかった
私はそれが、人としての自然なあり方だと感じた
その関わり方が実現可能なら、そちらを選ぶ人は多いのではないか
その環境で人同士を結んでいるのは、双方向の敬意だった
初対面の人にも、ある程度親切であることが期待された
心を殺すことを求められることは、プライベートでも仕事でもなかった
仕事場では仕事をすればよかった
心の状態を変える必要がなかったので、仕事が始まるのも自然だったし、終わったらスムーズに自分の生き方に戻ることができた
心を殺すことを求める社会が嫌いだ
そこで生きることは望まない
心を殺すことを求めない社会には、緩さが引き起こす問題もある
私は、それらの問題を「心を殺させる」以外の方法で解決する道を探したい
じゃまたね
読んでくれてありがとう
(なんでも送ってね)