LOHチャンピオンにインタビューしてみた
■はじめに
2023年11月12日~11月21日、2023年最後のLOHが開催された。
最初期の世論では先行の台頭ムードだったものの、蓋を開けてみれば96傑内は逃げの採用率が7割を超えることになった。
Xや所属するディスコードサーバーメンバーの各反省点をみても、「逃げ2~3の回答に辿り着けなかった」、「逃げ2~3へ方向転換できなかった」等のコメントが多く見受けられた。
そんな中、げんがーさんはLOH96傑を三連覇した上で今シーズン1位、今年最後のLOHの頂点に輝いた。
1位を取ったことはもちろん、三連覇の上で頂点に立ったこと、
使用したサポカ編成がライト層でも目指せるような構築だったことで、
コア~ライト層の誰もが彼の功績を賞賛した。
この凄まじい功績は一人のトレーナーとして純粋に尊敬し、また多くを参考にしたい想いから、noteを活用してインタビューをお願いしようかと思い立った。
勇気を出して直接ご連絡したところ、ご多忙にもかかわらず快諾いただき、この記事が実現した。
寛大なご対応に感謝するとともに、この機会余すことなくたっぷりと質問させていただいたため、以下全文を公開する。
本記事がLOHを頑張る全てのトレーナーの参考の一助となること、また微力ながらウマ娘が一層盛り上がることを期待したい。
■インタビュー本文
LOHについて
ーーこの度は御多忙にも関わらず、インタビューに応じてくださって誠にありがとうございます!よろしくお願いいたします。
まずはLOH三連覇、ならびに1位獲得おめでとうございます!今の感想を率直におしえてください。
げんがーさん:
96傑は狙ってましたがまさか1位になれるとまでは思ってなかったので正直自分でも驚いてます。こればっかりはシラオキ様の加護が強かったと思います!
ーーげんがーさんの愛のこもった祈りが通じた瞬間ですね!
LOH三連覇についてお伺いします。げんがーさんの卓越した戦略・実力で連覇を成し得ていると考えていますが、LOH96傑を目指す上で一番大切なことは何だと思いますか?
げんがーさん:
LOHに挑む際に自分はいかにつまらない欠損の芽を摘むかを考えてます。
同格以上相手にはアイテム使えますけどアイテム使わない対面ってどうしても出てきちゃうじゃないですか。
そこでつまらない事故や欠損が出来るだけ起こらないような編成やスキル構成を重視してます。
ーーLOHは上を目指そうとすると減点方式になりますから、確かに決めた編成のリスクを洗い出して潰していく方がよさそうですね。
第四回LOH1位についてお伺いします。1位を取れた最大の要因は何だったと思いますか?
げんがーさん:
正直これ言っちゃうとアレですけど“運”の要素が非常に大きいです。 96傑に入るだけなら最適な脚質構成とスキルを用意すれば40%~60%くらいの確率で96傑なれますよみたいな個体は用意出来るかもしれません。ただ、このルールは正直マッチングのウェイトが重過ぎて狙って1位は難しいんじゃないかなと思ってます。
実際同じ編成で150試合80欠損を再現出来ますか?と問われたら全く自信ないですw
ーー現実問題、LOHのマッチングと枠番、レース展開等運の重なりがありますからね。狙って1位になることはできないけど、逆に考えれば96傑を目指していればいつかは届き得る、ということですね。
アイテムの切り方についてお伺いします。いつもパフェや内枠/外枠ボールはどのような対面で切ることを意識していますか?
その理由についても、差し支えない範囲でご教示いただけると幸いです。
げんがーさん:
対面見て強かったらまずパフェの使用を考えますが、今回相手の先行をメタった編成の為、相手に強い逃げがいなかったら温存したりはしてました。
今回外枠ボールが有効なコースでしたが自分の枠番よりも相手の枠番をよく見ていました。 相手先行が複数外にいた場合はボールで内側に寄せてあげるみたいな感じですね。 あとパフェと併用で御守り代わりに結構雨降らせてました。
ーー大変参考になります。なるほど…編成上の相性をみて有利対面ならアイテムをあえて切らないのは盲点でした。ボールを使うときも、自陣ではなく「敵陣を動かすために使う」というのも目から鱗です。参考にさせていただきます。
今回チケットを消費したタイミングについてですが、いつ頃回していましたか?また、回すタイミングについて意識していることはありますか?
げんがーさん:
自分の中のLOHのルーティンなのですが、朝目覚めたら回すようにしてました。
だいたい目覚ましが4:30なのでその付近ですかね? 96傑狙ったことある人は分かると思うんですけどホントに手が震えるんですよ。
その手の震えを1番感じる為に体温低いうちに回してたのもあります笑
ルームマッチ/練習について
ーー朝がお早い!なるほど、ルーティン化すれば緊張も少しは抑えて冷静になれますし、変に読み切っても裏目に出ることがあるので自分のペースでよいのかもしれませんね。
普段のルームマッチ/練習についてお伺いします。ざっくりな回答、覚えている限りの回答で構いませんが、ルームマッチ/練習はどのような時に利用していますか?
また利用するときはどのぐらいの回数、または時間を実施しましたか?
げんがーさん:
自分は練習を回しまくって回数稼いで全体の挙動とか見るようにしてます。 長い時で1時間くらいぶっ続けで回しますけど感覚派なので特に記録に残したりとかはしてないです。
個体は主にX(旧Twitter)で強そうな個体の練習ID出してくださってる方のはすぐお借りして挙動みます。
手持ちのポケモンが少ないなと感じたらルームマッチ観戦したりして探したりもありますけど、実はあんまりルムマは使ってないですね。
ーー練習は自分の想定する強さと分布でいつでも回すことができますから便利ですよね。野良ルムマはどちらかといえば腕試しの側面が強く、検証には向かないかなと私も考えています。
しかし時間は有限であるため、ルームマッチ/練習と本育成のバランスも大切だと考えています。どの程度ルームマッチ/練習を実施することが適切だと考えていますか?
げんがーさん:
自分の中で編成固まってないうちはとりあえず練習回してみると楽しいですよ。 自分は拾った最強個体同士で戦わせるオールスター戦みたいのを見るのが好きなので「最強は誰だ!?」みたいな感じで1人でよく遊んでますw
編成について
ーーあまりその辺は深く考えずに、好奇心のまま練習で検証を進めるということですね。楽しむことができれば自然と練習が進みますし、その好奇心がげんがーさんの強さに繋がっているのかなと感じました。
さて、今回、最初期のメタは先行を中心に回っていたと思います。
しかし、最終的に96傑内は「逃げ」を複数採用した編成が多い結果となりました。
その中で「逃げ3」という編成を確定させたタイミングと理由を、差し支えない範囲でお聞かせ下さい。
げんがーさん:
元々かなり早い段階でX(旧Twitter)で逃げ3編成で先行封殺出来ますみたいなツイートは見ていたんですよね。
ただサンプルの個体が用意出来てなかったのと、なんとなく因子研究で周りに乗っかって先行因子掘ってたのもあって「そんな構築もあるのかー」くらいの認識でした。
決定付けたのはXでわんわんさんがバケモノみたいな逃げ3体の練習ID公開したあたりですかね。 いつもの遊びのノリで夢のドリームチーム組んで走らせてみたら中身はほぼ一方的なわんわんさんによる殺戮ショーで… 何故強いのかよく見てると逃げ同士が結構な頻度で追い比べ出してて、それされると先行が届かないんですよね。
元々大手のYouTube等で先行がオススメされてて先行過多になる環境は予想していたので「コレだ!」ってなりました。
逃げタイキも面白そうだなと思っててタキオン期間中に逃げ因子を祖に仕込んだものを用意してたのも大きかったです。
ーーわんわんさんの編成は私もみて、練習でもお借りしました…。個体の完成度はもちろん、編成単位で噛み合っていたのでもはや美しい領域でしたね。ただ強さに圧倒されるだけでなく、何故強いのかを個体だけでなく編成で分析するのは本当に大事ですよね。
そうして逃げ3編成を組むとき、「このウマ娘にはこの順位にいてほしい~」等の意図的なステータス/スキルの調整は行ったんですか?
げんがーさん:
とりあえずタイキには3位以下にいて欲しくてタイキだけ磐石切りました。 とにかく追い比べの再現性を重視したので全員アンスキ抜いて足並みを揃いやすくなるようにしてます。
3位が2位を抜いた瞬間ビクショの多段発動が起きて、基本的に抜く側は外から抜くので抜かれたキャラが内走っていい感じで直線で合流するんですよね。
それで前にはアンスキしてない逃げもいるのでみんなで仲良く追い比べするのが理想ムーブでした。
タイキは前半削ってる分少し終盤も必要だと思い最高峰の夢積んでましたがこれも結構仕事してたように感じます。
ウマ娘について
ーー逃げタイキに辿り着いた上でスキル調整をするのはお見事と言わざるを得ません。私も実は地固めの逃げタイキを採用していたのですが、盤石未完走だったので泣く泣く地固めになった次第です。結果それがうまくハマっていただけなので、盤石が走っていたら間違いなく取ってしまっていましたね・・・。
さて、そんな各ウマ娘のスキルについてですが、逆に「このスキルが足りなかった(または余計だった)」等の反省はありますか?
げんがーさん:
欲を言えばヘリオスに「先行ためらい」と斜行3種(危険、ポジセン、アオ賢)まで積みたかったです。 ヘリオスは斜行3種までは育成中揃ってたんですけど切れ者引けずに泣く泣く切ったのが今の個体です。 実際「先行ためらい」や「スピードイーター」の重ねがけは強くて先行相手にはかなり刺さってる感じがありました。 対面にUE6とかUE7とかいても脚質が先行だっただけでホッとする程度には先行に対して得意意識はありました。
その他
ーー今期はハイボルテージなどを中心に強力なスキルが粒ぞろいで、切れ者でないと全てのスキルを取り切れませんからね。構想段階から先行の対策を一貫し、UE後半クラスでも安心出来るような構築にされたことは本当に凄いと思います。
色々教えていただきありがとうございました!せっかくなので最後に、げんがーさんご自身について色々おしえてください。
ウマ娘をプレイしていて、一番モチベになる瞬間、または一番楽しいポイントはどこですか?
げんがーさん:
今までは推しを育てて結果が出た時が1番モチベ上がってたんですけど、LOHの登場によってランキングに載ることの喜びを覚えてしまい価値観が少し歪められました笑
ただ最近はLOH独特の緊張感に毒されてLOHジャンキーになりつつあるので、もう少し肩肘張らずにゆったり遊ぶのもいいかなと思ってます。
ーー朝の手の震えがクセになってるじゃないですか笑 好きこそものの上手なれと言いますが、そこもげんがーさんご自身の強さなのかもですね!
さて、それでは推しのフクキタル監督の魅力をおしえてください!
げんがーさん:
「監督ポジなのに1番声張って応援してくれるところ」
「メンバーが欠損を起こしても絶対に怒らないところ」
「応援席がいつの間にか開運グッズで埋まっているところ」
ーー監督の姿がありありと思い浮かびますw こうしてシラオキ様のご加護が・・・。
ところでお名前で気になっていたのですが、好きなポケモンは、やはり「ゲンガー」ですか?どの辺がお好きですか?
げんがーさん:
子供の頃からゲンガーが好きで、名前もポケモンのゲンガー由来です。 あの陽気な性格と戦闘になると見せる真剣な顔とのギャップが好きです。
ーーやはりゲンガー!彼は初期からずっと活躍しているので本当に良いポケモンしてると思います。ゴーストで触れなさそうなのに、絶対モフモフしてて可愛いんだよなぁ・・・
さて、めっちゃ話が変わりますが、今回のLOHを総合してみて、ウマや編成、サポートカード、スキルなどで特にこだわったポイントがあれば一つでも複数でもおしえてください!
げんがーさん:
見ての通りサポカの凸が甘くて本育成はかなり苦労したんですけど、マイルはステよりスキル構成が大切だと思ってたので穴だらけでも欲しいスキルに寄せたサポカ編成にしました。
1番印象に残ってるのはSR賢セイちゃんですかね。 逃げタイキ育成中に「先行ためらい」や「先駆け」の欠損で破壊されることが多くて、 「あれ?磐石切るなら別にブルボンじゃなくてもよくね?」 ってなってアレコレ探してたら痒いところに手が届くこのカードを見つけました。
ーー最後に、LOHを頑張る全てのプレイヤーへ一言お願いします!
げんがーさん:
LOHは真剣にやるとホントに楽しくて面白いお祭りです!
「サポカが無いから…」「キャラがないから…」「因子が無いから…」などの理由で諦めることは誰でも出来ますが、そんな理由で折角のこの楽しいお祭りに参加しないのはとても勿体ないと思います。
もちろん運の要素も大きく絡むゲームなので必ずしも努力が結果に繋がるとは限りません。
それでも、結果に向かってアレコレ試行錯誤したり本育成でリタイヤしまくったりしながらようやく完成した自分のウマがレースで活躍する姿を見ることは『ウマ娘』というソーシャルゲームでしか味わえない醍醐味です。
今回の自分の優勝がほんの少しでもウマ娘トレーナー達の「やってみよう!」に繋がったのならこれほど嬉しいことはありません。
LOHを頑張る全てのプレーヤーを応援しています! ふんにゃか☆ハッピー!!!