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「御手の中で」〜とある老司祭の生涯‥11
Ⅵ章 苦い海の味
「俺は、俺は‥。あの頃の俺は勉強なんかする気もなくて、ただ席に座って時間をつぶしてただけで。それであの時も漫画を読んでたんだ。そうしたら、あの外人の先生が何度も注意してきて。何回目かにぶち切れたんだ。奴を殴って、ひっくり返ったところにさらに蹴りを入れてやった。ざまあみろって思ったんだ。でも、でも‥」
カゲルは今、なぜ、この瞬間にもう20年近く前のことを自分が語っているのか不思議に思った。人間は死を目の前にすると、人生でいちばん心に残っていることが頭によみがえり、中でも後悔していることを口にしたくなるものなのだろうか。
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