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御手の中で〜とある老司祭の生涯‥21

〈2011年3月の終わり、西日本のとある市で一人“孤独死”を遂げていた実在した老司祭が書き残していた回顧録を基に、イメージを膨らませたフィクション。21回目のきょうも、東日本大震災の直後と思われる東北の被災地で、ようやっと探し当てたものの、冷たく横たわっている娘になんとか生きて、もう一度立ち上がってほしい、と娘の母と老司祭、青年が心を一つにして祈る場面。今回は老司祭の自身の人生を振り返るとも言える長い祈り(実際に彼の残した回顧録から折々の心情を抜粋しています)の続きからとなります。なお連載は今回を入れて後3回、23回で終わる予定です。なお1回目はこちら https://note.mu/floret/n/n231f553e922e です。

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