DQ10 バージョン7.0感想
ドラゴンクエスト10 バージョン7.0の感想、考察、妄想。
注意
以下、ドラゴンクエスト10バージョン7.0クリアまでのネタバレがあります。
DQ9の記憶がほとんどありません。
ストーリーについても、見逃したり忘れていたりする部分があります。
ジア・クトの受けた呪い
バージョン6.5の後期において、ジア・ルーベ・ゲノスは、ルティアナ様の故郷であるとこしえのゆりかごを侵略した結果『我らは一切の創生を生み出すすべを失いただ消費するだけの存在に堕ちた』と言っていた。
バージョン7.0で、ジア・クト念晶体が受けた反撃は、主神グランゼニスが実行した苦肉の策「創失の呪い」だったと判明した。
ところで乗っ取られる前のジア・ルーベはこうも言っている。創生のチカラを定期的に取り入れなければ「完全硬化し消滅すると言われている」と。
また、ポルテはこう言っている。
「創失はアストルティアに降りかかった呪い。創生のチカラを奪われちゃうんだって」
「創生のチカラっていうのはすべてのものに宿る生命力みたいなもの。これが弱まると この世に存在できなくなっちゃうんだ」
それぞれ少しずつ違うことを言っているように思えるし、なんだか違和感がある。
我々が目の前で見た創失は、まるで最初からいなかったかのように存在ごと消えてしまう現象で、完全硬化し消滅、とは違う現象に見える。
それにこれまでの描かれ方を見ると、創生のチカラとは、大陸や種族を生み出したように、何かを新しく創り出すために使用されるエネルギーだと思っていた。創り出すエネルギーがなくなると何故、この世に存在できなくなるのか。
創生のチカラとは、創失とは何か。
考えつつ整理してみる。
創生とは
創生のチカラとは、バージョン2辺りからずっと言われているルティアナ様のチカラの種類。万物に宿る生命エネルギーのようなもの、と説明されていて、ルティアナ様はそのチカラで大陸など様々なものを創り出したし、マデサゴーラも魔勇者や偽レンダーシア大陸を創り出している。
創生とは、字のとおりなら、創り、生み出すこと。
創失とは
バージョン7.0で初めて出てきた言葉で、ジア・クトたちを襲った呪いの種類。創生を生み出す能力を失ったとゲノスは言っていた。字から言っても創失とは創生のチカラを失うことだと思ってしまうしポルテもそう言っているけど、でも違和感がある。
イメージに合わない。
バージョン7.0において、マローネさんや像がまるで最初からいなかったかのように消えており、これが創失の現象だと言われている。
しかし、創生のチカラ、新しく何かを生み出し創り出すチカラを失うのであれば、もっと他に描き方がある。子供が生まれなくなる、花が咲かなくなる、魔法が発動せず、絵描きは絵を描けなくなる、という現象の方がしっくりくる。
マローネさんや像が消えたのを見て「ふむふむ何かを創り出すチカラが失われたから消えたのね」とは思わない。
それに創失が「何かを作り出すチカラを失わせること」だとしたら、無差別に働くその呪いの被害を最も受けるのは、創生のチカラによって創り出すことに長けた主神グランゼニス側の神々や天使の方なのでは。そうだとしたら分が悪すぎる。
例えば創失の呪いは、ジア・クトに対してのみ特殊な作用を発揮し、単に創生のチカラを失わせる説はどうか。
ゼネシア様は実際ラキが消えようとする場面を見た上で、創失について「これが創失です」的な説明をしているし、「呪いに触れたもの すべてを消し去る諸刃のつるぎ」と言っている。ゼネシア様が嘘をついたり、誤解していたり敢えて黙ったりしない限り、この説はなさそう。
創という漢字は、「はじめてつくり出す」「つくる」「はじめる」などの意味があるけれども、それとは別に「きず」「きずをつける」「きりきず」などの意味がある。刀創といえば刀によってできた傷、銃創といえば銃によってできた傷を指す。
由来は例によって諸説あるようだけど、「鋳型を切り開いて中のものを取り出す」ことから「傷を付ける」ことと「はじめてつくり出す」ことがつながっているとかなんとか。
少しでも成果を残すことを「爪痕を残す」のように言う。この場合の爪痕・傷とは、世界に対して傷を残すこと。例えば芸術家は作品をつくり出し、世界に対して痕跡を残す=生きた証を世界に刻み込む。
痕跡は印象と言い換えてもいい。何かをつくり出せばより強い痕跡=印象を残すし、ただ置いてあるだけの林檎だって、「おいしそう」とか「誰がこんなところに?」と周りの人に何かしらを思わせる=弱くても痕跡を残すことになる。
傷という程度の強いものから、ふわっとした印象を与えるという、程度の弱いものまで世界に対して何かを残すこと。程度の弱いものまで含めて表すなら「世界に痕跡を残す」という強い言い方より「世界とつながりを作る」くらいがちょうどいい。
創生とは、「何かを作り、生み出すこと」ではなくて、「傷を生じさせること、つながりを生むこと」。
と、創生をそうとらえると、創失の表現がしっくりくる。
創失とは、世界との繋がりが失われること。生きた証が無くなってしまうこと。だから誰もマローネさんのことを覚えていない。
創失と神々の加護
今のところ、創失に気付けているのは主人公とポルテ、ラキ、ゼネシア様。それにメレアーデ。メレアーデは、女神の加護が宿っているであろう『守護天使のお守り』を持っていたおかげで、ラキが創失の呪いを受けようとしていることに気付けたと思われる。どうやら神々の加護を受けていると創失に気付けるらしい。
ポルテはよくわからないけど、主人公はバージョン6で、ジア・クトの結晶化光線に耐えるためにルティアナ様の神気を取りこんでいるし、なんだかんだ色んなチカラが混ざっているから創失に気付くのも納得できる。
では、ジア・クトは? 彼らが神々の加護の加護を受けていたとは思えない。ジア・クトは創失に気付けないはず。
創失はとても恐ろしい呪いではあるけれど、それは気付いた人にとってであって、気付かない人にとっては全然怖くない呪いである。
主神グランゼニスはジア・クトに対抗するために呪いを放ったわけだけど、創失に気付けるよう何かしらを言わなくてはならない。一時的にでも撤退させないと、ジア・クトたち全てが創失する前に、ゼニアスが滅ぼされてしまう。
おそらくこんな感じで告げたのではないか。
「お前たちに、滅びの呪いをかけた。創生のチカラの扱いの稚拙なお前たちに、逃れる術はない」
「苦し紛れの妄言を」
「妄言と思いたくば思えばよい。しかしほれ、お前たちはなぜ、そのような少人数で、武器も持たずに我が眼前に立つのか? 呪いは既に、お前たちを深くむしばんでいるのだよ」
発動直後の、呪いを抑えようとしていない状態、かつ、発生源たる主神グランゼニスの間近ではおそらく活発に創失現象が起きたと思われる。
創失に気付けないジア・クトは、つじつまを合わせてこう考える。
武器を持っていないのは生産が遅れているせいだし、少人数なのは最近新しく生まれる同胞たちが少ないからだ、と。
半信半疑ながらも撤退したジア・クトは、呪いが本当かどうかを確かめるために様子を見る。言われてみれば、自然にいくらでも増えていた同胞たちの増えるペースが最近鈍っている。あいつらは創生のチカラがどうとか言っていた。同胞たちを生み出す力が失われている? 創生のチカラが失われているのならそれを外部から取り入れねば。
かくしてゲノスは、「最初から存在していなかったかのごとく消え失せる現象」には気付かないまま「創生を生み出す能力を失った」とつじつまを合わせる。前者について気付いていないから、ルーベは「完全硬化して消滅するらしい」と思い込む。
本当ならジア・クトたちにはもっと幹部が多くいたけれど、創失で消えてしまったのかもしれない。そして、消えたことに気付いていないから幹部が少なくてもそれが当たり前だと考える。本当なら大人数で担当していた魔眼の月の運営も、ジア・ネブラひとりで担っていたから上手に指揮を執れず、あんなにも手薄だったのかもしれない……(好意的な解釈)。
ジア・クト再来?
ポルテ(師匠)は、母を救いたくばジア・クトの残した遺物を調べよと言った。
この言葉を信用するなら、創失に遭った人を救う手立てがあることになる。どこかに失われた人や物の情報が保存されていて、それを復活させるのか。方法はわからないけれど、もし創失に遭った人を元に戻せるのだとしたら、創失で消されたジア・クトたちもまた、復活する可能性がある……。
扉
まだまだ未知の要素が多数ある。
何しろ、未来への扉もまどろみの少女もまだ出てきていない。
ポルテはまどろんでいると言える? まどろんでいた少女はメネト村のティセだけど、これから主役級になっていく?
未来への扉、というからにはエテーネルキューブは使わない。扉は複数の人がくぐれる。今度は大人数での時渡りかもしれない。
未来への扉と聞いてまず思いつくのは銀の丘の扉だけれども、もうひとつ、我々が十年以上前から見続けている扉がある。タイトルロゴに描かれた、あの扉。もしそうだったら熱いね。
上で書いたことはてんで見当外れかもしれないけれど、色々なことを考えさせられる時点でおもしろい、ということで。
バージョン6も最初はおもしろかったから最後まで疑うけれども、今のところとても楽しみ!
以下、断片的な感想。
断片的な感想
黒箱や宝箱に見る土地の雰囲気
例えばメネト村周辺の黒箱には、夜のとばりやナイトメアリーフのような、夜に関するアイテムが入っていた。
ゼニスの封宮のキラキラからは、ふしぎなドロドロとさざなみのしずくが拾えた。清らかな水と、汚れた水が混在している。呪いで濁ったんだろうね。
そして扉の前、女神像の裏にあった黒箱には、虹色の布きれと光彩の布。女神像周辺は今も聖なる光を湛えていることがわかる。
鳥籠の番人はルティアナ様が設置か
あの魔神は蓮の葉から出てきていた。
蓮の花と言えばルティアナ様。
番人は誓約の子という言葉を知っていたし、旅立つ前に守り神を置いたのでは。
主神グランゼニスが蓮の花モチーフを使う可能性ももちろんあるけれども。
バージョン6のスタッフロール後のポルテ
バージョン6のスタッフロールの後、ポルテ(師匠)が出てくる。
転送装置の前に杖をかざす
転送装置から創生のチカラが伸びてどこかへ流れていく
ポルテが杖の石突きで地面を叩くと創生のチカラの流れが消える
転送装置の前に杖をかざしたのは、エネルギーを与えて起動。
装置を通じてゼニアスから、創生のチカラが流れてくる。流れてくるのが創生のチカラならよし。安全。創失の呪いなら悪し。危険。という安全確認? チカラの流れを追っているようにも見えた。チカラが追うとしたら、ルティアナ様か。
最後、かつんと地面を突いて光が消えたのは、転送装置に流していたエネルギーを止めたからか。
わからないことだらけだけれども、少なくともポルテは、ジア・クトの転送装置のことを知っている、ということがわかる。
大空へ
ゼニアスの何箇所かに、謎のモニュメントがある。
誓約の子らへのメッセージもあるし、何やら起動していて、しかし読めない文字が浮かんでいるものもある。壊れていて読めないならともかく、起動していて読めないとは。
一番興味深いのはこれ。
「聖なる湖に抱かれし その目は 選ばれし者を 大空へと誘う しるべなり」
「道を求めし者よ 湖の目へと 光を届けよ。まこと 誓約の子であるならば 我がしもべが 大空にて そなたを迎えるだろう」
ゼニス(Zenith)は英語だと、天空の頂点。天頂の意味。
ゼニアスが、ゼニスとアースなら、天と地。今いるところが地なら、大空の世界がある。
バージョン7でも空を飛べるのかもしれない。
足を直す
エドアルドと最初に会ったとき、「すぐに自分の足を直したよ」のようなことを言っていた。
治すじゃなくて直すなので、この人は人形なんだろうなとわかった。
漢字一字までちゃんとしていて、今回のストーリーはいいな、と思った。
二人のグランゼニス
ルティアナ様は、息子に父親の名前を付けたことになる。
ルティアナ様は、いずれゼニアスに帰還する計画を持っていた。帰ってきたルティアナの子らが主神グランゼニスに触れたとき、素直に自分たちの神様だと受け入れやすいようにするため同じ名前を付けたのかもしれない。
全然馴染みの無い神様をさぁ崇めなさいと言われてもためらいそうだけど、グランゼニス様ですと言われたらおぉ我々の神様ってなりそうだよね。
トープスくん
ティセが目覚めると同時に消えてしまったトープスくん。
順当に考えれば、ティセの夢が実体化した存在か。
彼が持っていた香炉は「夢見の香炉」。これを持っていると眠らされずに済んだわけだけど、普通は「目覚めの香炉」でしょう。
目覚めの香炉を持っていたから眠らずに済んだ、ならわかる。でも逆で、夢を見る、夢を見せるための香炉。メネト村辺りは、夢と現実が逆転しているのでは。
ストーリー上の謎
まだまだたくさんある謎
ムニエカを襲った大災害の詳細
ロベールとは誰か。
『彼女』とは誰か
奥にあった人形は彼女のための器か。
ムニエカを離れ際、ポルテが感じた気配とは
メネト村を訪れた「まれびと」=「守護者様」は誰か
メネト村を襲う悪夢とは
フーラズーラの正体
取りこまれた人間の意識がある?
なぜラキは、行動を制限されているのか
アマラークに手出しできないし、大樹にも近付いてはいけないと言われていた。
ゼネシアを護るためにも大樹には近付けた方がいいのでは?
黒鎗の来歴
どういう理屈で創失はアストルティアまで手を伸ばしてきたの?
転送装置経由? ジア・クトが感染させた?
その他
ポルテの「ゴーゴー!」のスタンプは遠からず来る! というか欲しい。
全体的に、人の動きがなめらかになってる。
そのせいか、すごく重たいムービーシーンがある。
ムニエカのダンスのしぐさが欲しい。
最初にゼニアスに付いたとき、こっちから行けるなら向こうからも来られるのでは? モンスターが来ちゃうのでは? と不安だった。
ゼネシア様は悪側でそのうち裏切るのでは、という疑いを割と終盤まで持っていた。
以上!
最後までちゃんとおもしろいストーリーでありますように!
注記
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