相談者すらわかっていない、本当の問題
電話占いでデビューした、新人鑑定士さんからよく相談されるのが、鑑定時間が短いことです。
特に5分無料とか10分無料とかが設定されている電話占い会社の場合、鑑定士に報酬は入りません。(入るところもあるらしいです)
そんなケースの場合、特にうわべの鑑定をしていると収入に繋がりません。うわべの鑑定とは、相談者が聞いた内容に対してだけ答えていくという鑑定です。
私が最初の頃よくあったのは、ママ友の気持ちを見て欲しいというもの。「まずAさんの私に対する気持ち」「次にBさんとCさんも」それが終わるとDさん、Eさんと続きます。
これをそのままカードとか引きながら見ていたとしたなら、
報われないと思います。最初の一人二人で充分なのです。
自分を取り巻く大勢の人が気になり、そのことに対して
決して安いとは言えない電話占いを使うことにこそ、
問題があると言えないでしょうか?
相談者の不安の根っこに対して質問していますか?
「何を聞いたら良いのですか?」とか
「どう聞いたら良いのですか?」なんてもし思ったとしたら、
それは相談者のことをちゃんと考えてあげていないと思います。
もし、その相談が自分の仲の良い友達だったり、家族や大切な関係の相手だったら、もっと違うのではないでしょうか?
相談者と鑑定士の関係性をどうとらえるかという基本的なことかもしれません。
鑑定士が相談者に与えるものは「占いの結果」だけだと考えていると、
前出のようにカードの結果だけを伝え続けるということになります。
これだと鑑定士は疲弊し、相談者もその場しのぎの安心を得るかもしれませんが、短い鑑定時間と足りない相談者の満足度、となるわけです。
一生懸命応えた鑑定師としては、ちょっと残念な結果ですね。
私なら、最初の2人ぐらいさらっと鑑定して、相談者が3人目のことを聞こうとしたタイミングで、聞きます。「あなたは何が不安なの?」というようなことを。
この質問はあくまで1つの例ですが、聞きたくありませんか?
次々と何人を占っても、その結果はおそらく相談者の耳を素通りするだけでしょう。
相談者はただの浪費だし、私たちも徒労にすぎません。
「なんであなたはそのような(誰も知りえない)ことにお金を使うのか?
そしてもし、みんなから嫌われているとしたら、それに耐えらえられるのか?誰からも嫌われていない、むしろ好かれていると言われて鵜呑みにできるのか?
こんなふうに質問は沢山あります。
私が他の鑑定師と差別化して、売上を上げられたのは、
相談者のことを自分の友達や後輩だと思って鑑定していたからだと
思っています。「なぜそんな小さなことで悩むのか?」この問いは、そこにはきっとその人にとって本質的な大きな問題が息をひそめているからだと知っていたからです。