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『KAK-A Rec. Rave Classics vol.1 The Phuture』

日本のハードコア・テクノ史において最も重要な存在であるユニットHAMMER BROSが主宰していたレーベルKAK-A Recordingsの音源をコンパイルしたコンピレーション・カセット『KAK-A Rec. Rave Classics vol.1 The Phuture』をMURDER CHANNELから発表することになった。

HAMMER BROS、KAK-A SHADOW AUGUSTA、OIL HEAD、10 Yard Fight、Johnny Key、DJ Lib & MC Shit BといったKAK-A Recordings所属のアーティスト達が90年代中頃から2000年までにリリースしていた曲に加えて、奇跡的に発掘された未発表曲も収録。マスタリングはENA、アートワークはGraphersRockが担当してくれており、KAK-A Recordingsの揺るぎないハードコア・スピリッツをブラシュアップさせ現代に蘇らせてくれている。

1994年にDJ Big The Budo、Tatsujin Bomb、Tokyuhead(DJ Lib)によって結成されたHAMMER BROS。ドイツのShockwave RecordingsやアメリカのDigitalhut Soundsといった海外レーベルから12"レコードをリリースし、近年はスイスのTerrornoize Industryのコンピレーション・レコードに過去音源を提供するなど、当時から現在まで国内外に熱狂的なファンがいる。

『KAK-A Rec. Rave Classics vol.1 The Phuture』には1995年にリリースされた日本で最初のハードコア・テクノのコンピレーションCDとされる『Hard Core Baby Volume 1』に収録されている「Let It Be Harder」、1997年にZK Recordsからリリースされた7"レコード『1to3for Hiroshima EP』に収録されていたHAMMER BROSの代表曲「Calling Enolagay」の別バージョン「Calling Enolagay 'Jump A Little Higher' (Remixed By Mike Coldrave)」という入手が困難だった幻の2曲をリマスタリングして収録することができた。

KAK-A Recordingsは1996年に第一弾作品としてHAMMER BROSの12レコード『Shin Gen EP』をリリースし、その活動を本格的にスタートさせる。以降『F(r)ucksausen EP』『Haldensleben Vs. Kamata - T.B.R. Vs. KAK-A Wolves』などのコンピレーション・レコード、DJ Lib & MC Shit Bの12"レコード・シングル『It's Tight Like That Remixes』を発表。

Hillpoint 417とメガネレコーズというカセット・テープ専門のサブレーベルからはHAMMER BROSのメンバー達によるミックス・テープをリリース。レーベル運営と並行して伝説的なハードコア・フリーペーパー『裏口入学'83』の発行を手掛けるなど、精力的に活動を行い日本にハードコア・テクノの魅力を様々な角度から伝え広めていた。

日本のアニメ〜映画〜ドラマからの日本語サンプルを歪ませたハイスピードでローファイなハードコア・スタイルを軸としたHAMMER BRORSに対して、ジャンプスタイルやニュースタイル・ガバを独自解釈したディスコミュージック的側面のあるKAK-A SHADOW AUGUSTA、メタル系サンプルを用いたスラッシュコアなOIL HEAD、Never Sleep/Gabber Eleganzaや[KRTM]にも通じるオルタナティブでエクスペリメンタルなDJ Lib & MC Shit Bなど、『KAK-A Rec. Rave Classics vol.1 The Phuture』に収録されている曲はサウンドもBPMもバラバラであるが統一感があり、非常にバラエティに富んだ内容となっている。

11月30日までMxCx online storeとMURDER CHANNELのBandcampにてカセットの予約と受注生産限定のTシャツ、デッドストックの12“レコードをセットにしたお得なセットの注文を受け付けているので興味が湧いた方は是非入手していただきたい。


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